第233回桃李6月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:入梅、夜鷹、父の日(不言題)

兼題T 入梅
兼題U 夜鷹
兼題V 父の日(不言題)

6月15日 (月) 投句開始
6月22日(月) 投句締切 翌日選句開始
6月29日(月) 選句締め切り 
6月30日(火) 披講

投句: 白馬、素蘭、楽千、芳生、愛子、潮音、松風子、柊、あや、英治、素人、秋童子、春愁
選句: 芳生、潮音、柊、楽千、素人、松風子、英治、素蘭、春愁、秋童子、あや、愛子

披講

・8点句

喰らふとは命継ぐこと夜鷹鳴く  楽千
<柊(天)>


<素蘭(天)>
紅き唇ひらく水無月

<愛子(地)>


子も父も挫折が多し栗の花  楽千
<芳生(地)>
栗の花が効いています。

<潮音(天)>
我が家もそうでした。

<素人(地)>
共感します。わが家もそんな感じです。

<あや(人)>
妻として、母として、家族を見守る気持ちの深さが感じられます

梅雨深し父の遺せし農事メモ  芳生
<潮音(地)>
このような父子のつながりは素敵ですね。

<楽千(天)>
代々の言い伝えか、父の開拓か、このメモは大切な宝物である。

<素人(天)>
しみじみとしたとした味わいがあります。


・6点句

看板の塩の一文字梅雨きざす  愛子
<楽千(人)>
塩の看板が雨にしっとりと濡れ、里はこれから梅雨に入る。

<英治(天)>
いまでもあるのかしら。

<素蘭(地)>
蛇衣を脱ぐ玉矛の道

夜鷹鳴く樹海の闇を深めては  芳生
<柊(地)>


<楽千(地)>
もともとの深い闇が夜鷹が鳴いて一層深い闇となった。

<松風子(地)>
夜鷹の声が闇を深くするのか、はたまた、闇が濃くなるから夜鷹が鳴くのか。漆黒の闇が鮮やかです


・4点句

閑かさや母の日過ぎて六週間  英治
<春愁(天)>
あきらめとため息と・・・

<秋童子(人)>
この前とは打って変わって。 


・3点句

甘党の父に新茶と羊羹を  柊
<芳生(天)>
ほのぼのとした父への愛情が読みとれます。

駆くる野や少年の日の新樹光  潮音
<松風子(天)>
鮮やかに思い出される少年の日がよみがえります

郷土史におりょうの逸話梅雨の蝶  春愁
<愛子(天)>
「逸話」と「梅雨の蝶」の取り合わせが妙でした

父と娘の温度差ちぢむ心太  春愁
<柊(人)>


<英治(地)>
さぞうれしかろう。父は。

ニッポンが大騒ぎして梅雨に入る  英治
<秋童子(天)>
安保法制、沖縄、円安株高、噴火・・・、いろいろな「大騒ぎ」が重なる梅雨入りです。

野良猫の餌皿濡らすついりかな  柊
<あや(天)>
見えるものがあります

腰痛は年中行事梅雨に入る  白馬
<素人(人)>
ご同病。親しみを感じます。

<春愁(地)>
ご同輩、同感・・・

夜鷹哭く宿の臥所の金縛り  松風子
<あや(地)>
夜鷹には可哀想ですが、合うイメージかと

<愛子(人)>



・2点句

生ビール夫は漢の貌で受く  愛子
<秋童子(地)>
今日ばかりは「俺が主役」と。


・1点句

行商の荷を下ろしたる花南天  柊
<松風子(人)>
絵になるような、往昔の一光景が浮かび上がります

白き薔薇墓前にあるを見し日あり  松風子
<潮音(人)>
薔薇の花であるところからいろいろと想像がふくらみます。

其々の一日にけふの梅雨入かな  あや
<英治(人)>
おもむきのある句

籐椅子に並んで夫と子のをりぬ  あや
<素蘭(人)>
永遠のノスタルジアに多言は無用ですね

入梅や倭の奴国論紐解けり  楽千
<春愁(人)>
我が国は千代に・・・

大和路の甍艶めく梅雨入かな  秋童子
<芳生(人)>