第234回桃李7月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:炎昼、睡蓮、 安保法案(不言題)

兼題T 炎昼
兼題U 睡蓮
兼題V 安保法案(不言題)

7月15日 (水) 投句開始
7月22日(水) 投句締切 翌日選句開始
7月29日(水) 選句締め切り 
7月31日(金) 披講  

投句: 松風子、楽千、素蘭、芳生、愛子、英治、馬客、柊、翔河川、春愁、秋童子、雛菊、明子、あや
選句: 松風子、楽千、雛菊、柊、あや、素蘭、芳生、英治、愛子、馬客、秋童子、翔河川、白馬、明子、春愁

披講

・11点句

我に添ふ影の身の丈夏真昼  素蘭
<雛菊(天)>


<英治(天)>
真上の太陽のつくる一尺ほどの己が影。

<馬客(天)>
どう解釈したらよいのか、、難しい句ですが。
長くなったり縮んだり、自信ついたり失ったり。

<翔河川(地)>



・9点句

炎昼の地べたに残る子供の絵  明子
<楽千(天)>
首をうな垂れて歩く中高年の眼に、子供が描いた絵が飛び込む。忘れた夢を思い出す。

<あや(天)>
どこかシュールな炎昼のイメージ

<愛子(天)>
暑さも最高潮 子等の姿さえ消える

睡蓮やこの世を覗く池の鯉  楽千
<あや(地)>
覗かれているのはどんな世なんでしょうか

<素蘭(天)>
禅と一文字白いTシャツ

<翔河川(天)>


<白馬(人)>
睡蓮はあの世の花。中七が佳いですね。

未草閉ぢて水面も昏れにけり  愛子
<松風子(地)>
夕暮れの静かな景が目に浮かびます

<芳生(天)>


<明子(天)>
夏の夕暮れ、静かな時の流れが描きだされていると思います。

<春愁(人)>
暑さも一寸落ち着いて、ホットした夕景・・・


・6点句

炎昼や身に玉音の置きどころ  英治
<素蘭(地)>
今何処、、、、、、

<馬客(人)>
小学5年生、銃後の少国民でした。
ラジオは雑音がひどく、身に何一つ
入りませんでした。

<翔河川(人)>


<春愁(地)>
玉音を直接ラジオで聴いた世代も少なくなってしまいました。安保法案の審議を聞きながらの心境・・・


・5点句

炎昼にかつと目を剥く仁王像   芳生
<松風子(天)>
いかにも炎昼のたたずまいの景が出ています」

<柊(地)>


兜太の字掲げて抗議街灼くる  明子
<秋童子(地)>
7月18日は午後1時に合わせて、国会前をはじめ全国各地で市民たちが自発的に集まり、「アベ政治を許さない」と墨書したプラカードを一斉に掲げました。澤地久枝さんたちが呼びかけ人となり、金子兜太さんが書をしたためたのです。当日は参加者ひとり1人の熱い思いで街も焼け付くようでした。

<白馬(天)>
炎天下午後1:00 just 全国一斉に。兜太さんに励まされて。


・4点句

炎昼や心頭滅却して吐息  楽千
<あや(人)>
でもやはり、吐息・・・

<春愁(天)>
こんなにも暑いと、火もまた涼しとも言っていられませんね。吐息もため息も・・・。

兜太の字掲げ炎暑を歩きけり  雛菊
<柊(人)>


<芳生(人)>
ご苦労様です。60年安保のデモに参加した日々を思い出します。当時国会周辺は万余の人々で埋め尽くされました。

<明子(地)>
私もほとんど同じ発想の句を投句しましたが、この句のほうが
すっきりとして佳句と思いました。

納得の戦などなし原爆忌  あや
<楽千(地)>
人は懲りないものである。小さな個人が抗う術を考える。

<白馬(地)>
戦争はすべて悪だ!


・3点句

炎昼の影漆黒に切り取らる  あや
<柊(天)>


この先は瀧と名を変え落下する  愛子
<馬客(地)>
ごうごうたる滝壺の音が聞こえてきませんか。
怖い怖い!

<秋童子(人)>
あとは真っ逆さまに「戦争国家」へと。

懲りしものみんな世になし終戦日  英治
<秋童子(天)>
戦争に懲りたはずのこの国が、戦後も70年たつとこんなに変わってしまって。ドイツのように日本も2度懲りないとだめなのでしょうか。


・2点句

 炎昼や叩けば動きだす時計  春愁
<楽千(人)>
人に寄り添ってアナログに動いている時計。欠点多き事も吾に同し。

<素蘭(人)>
2ビートでswingしたとか?

国会の持論空転青みどろ  春愁
<愛子(地)>
青みどろ大量発生ですか、、 青みどろが効いてますね

睡蓮の風に行方をゆだねけり  翔河川
<英治(地)>
何となく感じられるエロス。

睡蓮の水底にゐて冥王星  英治
<雛菊(人)>


<明子(人)>
池の底には全く異なった空間がある、と信じさせてくれる句です。
冥王星が出てきたのはびっくり!

日盛の睡蓮つんと澄ましおり  秋童子
<芳生(地)>
睡蓮には確か「つんと澄ます」風情があります。

良い戦争?悪い戦争?百日紅  楽千
<雛菊(地)>



・1点句

じわじわと剣呑な世に蟇のこゑ  芳生
<愛子(人)>


睡蓮や雨雲低き山の湖   芳生
<英治(人)>
趣がある。

昼過ぎの日差は静か未草  明子
<松風子(人)>
未草としたところに一層の静謐さが出ています