第237回桃李10月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:望の夜、朝寒、ノーベル賞(不言題)

兼題T 望の夜
兼題U 朝寒
兼題V ノーベル賞(不言題)

10月15日 (木) 投句開始
10月22日(木) 投句締切 翌日選句開始
10月29日(木) 選句締め切り 
10月30日(水) 披講    

投句: 楽千、素蘭、松風子、芳生、柊、英治、馬客、素人、愛子、白馬、春愁、秋童子、翔河川、明子
選句: 楽千、芳生、松風子、素蘭、秋童子、柊、英治、翔河川、素人、愛子、白馬、明子、馬客

披講

・15点句

かくしごと打ち明けそうな望の夜  翔河川
<楽千(地)>
月の光の元全てを明るみに、恋なら成就を。

<松風子(天)>
月がきれいだけに心が洗われて、つい本心を明らかにしたくなる気持ちが、おかしいくらい伝わります。

<素人(天)>
そんな気になりそうです。確かに。

<白馬(地)>
相手は誰か。とても気になります。

<明子(天)>
胸の奥まで届きそうな明らかな月の光です。

<馬客(地)>
お月様が「実はさァ」なんて。


・7点句

川底の石の歳月秋日射る  愛子
<素蘭(天)>
宮沢賢治の『やまなし』を想起させる句
出自は山梨県神山村、富士川源流の地とか。。。

<秋童子(天)>
人目につかぬ長い歳月があればこそ。

<翔河川(人)>


ニュートリノ飛騨でお縄の星月夜  秋童子
<素蘭(地)>
物理学の最先端にお縄をスローな発想が面白い。

<柊(地)>
ユーモアがあると思います。

<白馬(天)>
中七、私も言いたかった。


・5点句

寡夫ひとり草庵に座す良夜かな  素蘭
<秋童子(地)>
これもまたよし。

<翔河川(天)>



・4点句

望の夜をわが分身のかげと居り  英治
<松風子(地)>
満月の下にある我身と影が孤独感をきわだてます

<明子(地)>
影もひときわ存在感があります。


・3点句

朝寒や残りカレーを温め食う  馬客
<楽千(天)>
季節感と生活実感がぴったり。

1億の標語またもや朝寒し  秋童子
<素蘭(人)>
♪この道は、、、、、、、、、

<白馬(人)>
本当ですね。いい加減にして欲しい。

<馬客(人)>
「進め一億火の玉だ!」の燃えカスのわたし。おおやだ!

木の股に猫坐りゐる今日の月  芳生
<愛子(天)>
情景が目に浮かびました 猫がいいですね

受賞者に亡妻を語らせ十三夜  英治
<楽千(人)>
このお手柄も伴侶あってこそと納得。

<素人(人)>
そうでしたね。奥さんに感謝してました。

<明子(人)>
心打つ奥様への感謝の言葉でした。

積年の辛苦の果てや新酒酌む  松風子
<芳生(人)>


<愛子(地)>


望の夜の地霊は森に踊り出す  楽千
<柊(天)>
ファンタスチックな句だと思います。

望の夜や胸にある翳うすれゆき  松風子
<英治(天)>
なぜか気が晴れた。

望の夜フリスビー月に投げ上げる  翔河川
<馬客(天)>
私はフラフープを投げあげてみたいです。

ゆるやかな二胡の音色を望の夜  柊
<芳生(天)>
漢詩の世界ですね。


・2点句

朝寒や尻にノズルのこそばゆい  春愁
<素人(地)>
分かる分かる良く分かります。

朝寒や手足畳みて猫眠る  明子
<柊(人)>
猫の姿態は実に面白いと思っています。

<愛子(人)>


望の夜や赤子の頬に触れてみる  素人
<芳生(地)>
赤子の頬も満月のように輝いています。

望の夜や裏窓に脚高々と  春愁
<翔河川(地)>


望の夜や指先で裂く分包紙  愛子
<英治(地)>
夜間診療の薬剤師か。


・1点句

朝寒の懐に抱く子犬かな  柊
<松風子(人)>
愛くるしい子犬の様子があらわれていて、心温まります。

朝寒や晩学未だ届かざる  楽千
<秋童子(人)>
学びて道通し、ですね。

薬掘る生命あるもの皆救ひ  明子
<英治(人)>
うまい季語を見つけた。