第239回桃李12月定例句会 披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:冬ぬくし、柚子湯、フィギュア・スケート(不言題)

兼題T 冬ぬくし
兼題U 柚子湯
兼題V フィギュア・スケート(不言題)

12月15日 (火) 投句開始
12月22日(火) 投句締切 翌日選句開始
12月29日(火) 選句締め切り 
12月31日(木) 披講     

投句: 楽千、白馬、芳生、愛子、翔河川、春愁、ぽぽな、英治、柊、馬客、松風子、素蘭、あや、秋童子、丹仙
選句: 芳生、秋童子、楽千、ぽぽな、松風子、素蘭、柊、英治、春愁、白馬、翔河川、馬客、愛子、あや、丹仙

披講

・13点句

俗塵も名利も遠き柚子湯かな  芳生
<楽千(地)>
これが無我と言うものか、極楽々々。

<柊(天)>
この心境が良いと思いました。

<春愁(天)>
百八煩悩すべて棄て・・・

<白馬(地)>
柚子湯にゆっくり浸かって、来し方を思う。

<馬客(天)>
俗塵まみれ名利猛追のこのワタクシ。
はずかしィ〜。


・11点句

柚子一個浮かべて単身赴任の湯  馬客
<芳生(天)>
残業で夜遅く単身赴任の人が柚子湯に浸かっている情景を想像しました。柚子一個がいいですね。

<秋童子(地)>
淋しさをちょっとまぎらわせて。でも、やっぱり淋しい。

<柊(地)>
ペーソスを感じました。

<英治(天)>
情感がある。「て」は要らぬかも。

<春愁(人)>
心は妻子の元へ


・9点句

検査日のことなくすぎて冬ぬくし  松風子
<秋童子(天)>
とてもよくわかります、そのほっとした気持ち。

<楽千(天)>
検査前の緊張もほどけ、また年が越せる安らぎ。

<馬客(地)>
「ことなくすぎる」ことのいかにありがたいか。

<丹仙(人)>
検査をしたのは作者自身かも知れませんが、自分に最も近しい人か、介護中の家族を心配しつつ詠んだ句として読み、共感した次第。


・8点句

胎内に還る安らぎ柚子湯かな  楽千
<松風子(天)>
至福の絶頂感とはそんな気分ですね

<春愁(地)>
心底からのやすらぎ・・・好句

<愛子(天)>
ゆったりと五体を開放してつかる湯船 穏やかな日々を送られている幸せを感じます


・6点句

 柚子の痘痕目の前に見る風呂の内  白馬
<素蘭(天)>
柚子の「痘痕」に因って漱石先生を彷彿する風呂の内・・・湯中りしそう

<あや(天)>
柚子とこころ通わせてお湯に入っている感じ


・5点句

深夜弥撒終えて日本の柚子湯かな  丹仙
<白馬(天)>
クリスチャンと「日本の」柚子湯の取り合わせが面白いですね。

<愛子(地)>
あえて「日本の」とつけた事に目が行きました


・4点句

子地蔵の紅絹の前垂れ冬ぬくし  愛子
<芳生(地)>
紅絹の前垂れが効いていますね。

<英治(地)>
雰囲気がよい


・3点句

公園に猫抱くひとや冬ぬくし  楽千
<ぽぽな(天)>
暖かさに癒される人と猫。すこしさみしさもただよいます。

小春日や麒麟は長き舌を出す  柊
<丹仙(天)>
これは面白い。長き舌を出す麒麟はユーモラスですが、同時に、今年の厄を祓って貰いましょう。

一筋の陽だまり見つけ冬ぬくし  白馬
<英治(人)>
「一筋の」が面白い。

<翔河川(地)>


柚子ひとつ人ひとり湯を分かち合ふ  ぽぽな
<翔河川(天)>



・2点句

きらきらと氷の精の舞くらべ  馬客
<松風子(地)>
まるで氷の精が舞い踊るようだとは、言いえて妙

五体泛くアルキメデスの柚子湯かな   春愁
<丹仙(地)>
古代希臘と日本、柚子と五体、関係のないものを結ぶアルキメデスの浮力の法則、この配合の面白さを頂戴します。

走り根の荒肌絡む冬温し  春愁
<ぽぽな(地)>
上五中七の表現に力があります。

冬ぬくし唔い(口伊)朗々と唐詩選  芳生
<素蘭(地)>
昔むかしのラジオ漢文講座
締めの漢詩の朗々たる詠唱が懐かしい。。

柚子の香に憂き世忘れて長湯かな  秋童子
<松風子(人)>
身も心の垢も流して、思わず長湯をしてしまう柚子湯の気分は捨てがたい

<あや(人)>
極楽〜〜

湯に入れて柚子ほかほかと温まり  翔河川
<あや(地)>
柚子も温まっているーー、ほのぼのさがいいですね

龍笛や異国氷上に神の舞ひ  丹仙
<柊(人)>
神の舞とは良き言葉。

<愛子(人)>
氷を使う句を避けていましたが、、、演舞の映像が再現しました


・1点句

吾子はみな祖母に抱かれて冬至風呂  柊
<ぽぽな(人)>
古き良き大家族の風景としていただきました。

銀盤の少女の孤高月華かな    春愁
<楽千(人)>
余人の達する事の出来ない境地、妖精に見えてくる。

須臾の間の八十余歳冬ぬくし  馬客
<芳生(人)>


夫の背に湯桶たつぷり冬至風呂  愛子
<秋童子(人)>
いかにも温かい冬至です。

泣きそうで柚子湯に潜りゆずを見る  翔河川
<白馬(人)>
上五、何となく分かります。

半回転これで目まいの冬の老  秋童子
<翔河川(人)>


氷上の優雅をのこも魅せにけり  白馬
<素蘭(人)>
まさに異次元

冬ぬくし停車位置越す山手線  英治
<馬客(人)>
オイオイ運転席でついまどろんじゃったり、は
だめよ!