第241回桃李2月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:立春、踏絵、バレンタイン(不言題)

兼題T 立春
兼題U 踏絵
兼題V バレンタイン(不言題)

2月15日 (月) 投句開始
2月22日(月) 投句締切 翌日選句開始
2月29日(月) 選句締め切り 
3月01日(火) 披講     

投句: 楽千、素蘭、春愁、芳生、白馬、愛子、秋童子、馬客、英治、松風子、明子、素人
選句: 英治、白馬、楽千、秋童子、素蘭、春愁、馬客、愛子、素人、明子、芳生

披講

・11点句

一斉にめくる楽譜や春立ちぬ  春愁
<英治(地)>
春らしい活写

<楽千(地)>
音符の様な芽がそこかしこに。

<素蘭(人)>
ついハミングしたヴィヴァルディの「春」、、、

<馬客(天)>
演奏している曲はなんでしょうね。
「一斉に」がここちいいです。

<愛子(天)>
ヴィヴァルディ協奏曲「四季」・・
「一斉に」の効果が抜群でした 高揚感が伝わります

春が来る人も兎も耳立てて  愛子
<英治(天)>
喜びが伝わる

<楽千(天)>
春の足音を兎の耳でいち早くとらえる。

<明子(天)>
春は物事の動きだす時、その気配にどこか浮きたつ心持ちが
うまく表現されていると思います。

<芳生(地)>
人も兎も春の訪れを待っています。


・7点句

葦牙や未必の恋は二進法  素蘭
<白馬(天)>
芽を出した葦の沼地に踏み入る。結果は0or1いずれかに元々決まっている。

<春愁(地)>
むずかしいですね。Yes or Noの二者択一と理解しました。

<馬客(地)>
恋を仕掛ける、あたって砕ける、0か1か。
まさに未必の故意である。


・6点句

奇術師のぱつと鳩出し春立ちぬ   楽千
<馬客(人)>
真っ白い鳩だからこその「春」ですね。

<愛子(地)>
特別なことを言っているわけではないが屋内から外へと向く気持ちが伝わる
気持ちが明るくなる句でした

<芳生(天)>
立春の感じがよく出ています。

踏みなさい踏絵の聖母微笑みて  馬客
<楽千(人)>
「全て許す」と天のキリスト。

<秋童子(天)>
なんとこわい場面でしょうか。

<春愁(人)>
究極の選択に、マリアの慈悲。

<愛子(人)>
慈愛のほほえみ


・4点句

踏絵踏む夢見しことも万愚節   楽千
<素蘭(地)>
Lexus liberal霞む大和路

<明子(地)>
踏み絵は今の時代には遠い存在ですが、夢と万愚節の季語で
身近なものとなりました。


・3点句

いくたびも踏絵拒みて己が道  秋童子
<素人(天)>
敬意を払います。

軽き身の世に流さるる踏絵かな  英治
<秋童子(人)>
それもまた現実なのでしょう。

<素人(地)>
ご同様です。少し安堵。

生臭き闇のその奥踏絵板  愛子
<白馬(人)>
恐ろしい。恐ろしい。

<秋童子(地)>
実におぞましいことです。

春立つや勝鬨上がる夢の中  馬客
<素蘭(天)>
修羅の朧夜語る今若

路地裏の光の狭間春立てり  松風子
<春愁(天)>
春はあまねしですね


・2点句

ショコラの香舌頭千転二月尽く  春愁
<白馬(地)>
大事な一枚のショコラ。何度もゆっくり味わう。俳句の如く。


・1点句

一天のにはかに曇る踏絵かな  芳生
<英治(人)>
雰囲気がある

潮鳴りや踏絵せし世も今の世も  春愁
<芳生(人)>


食卓に昔ながらのチョコレート  白馬
<明子(人)>
奇をてらうものより、結局はこれが一番。

絵踏して澱のごとくに悔残る  松風子
<素人(人)>
忘れたいですね。