第242回桃李3月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:朧、川、ホワイトデー(不言題)

兼題T 朧
兼題U 川
兼題V ホワイトデー(不言題)

3月15日 (火) 投句開始
3月22日(火) 投句締切 翌日選句開始
3月29日(火) 選句締め切り 
3月31日(木) 披講    

投句: 素蘭、楽千、芳生、素人、秋童子、白馬、愛子、馬客、春愁、翔河川、英治、柊、明子、丹仙
選句: 芳生、楽千、柊、秋童子、雛菊、春愁、翔河川、白馬、英治、素人、馬客、愛子、素蘭、明子、丹仙

披講

・13点句

雪しろの幅一杯に最上川  秋童子
<雛菊(天)>
川の句を3点選ばせていただきました。
両側を雪の額縁でくっきりと閉じ込めてる。
緊張感ある冬の川。美しい。

<翔河川(地)>


<素人(天)>
早春の最上川ですね。

<愛子(地)>


<明子(天)>
雄大な景色ですね。


・11点句

春なれや川浪に日の踊れるも  明子
<芳生(天)>
見慣れた光景をうまく詠んでいると思います。

<柊(地)>
春到来を楽しんでいる様子が同感です。

<翔河川(人)>


<英治(天)>
春らしい活写

<丹仙(地)>
素直な叙景句に惹かれますね。


・9点句

春の川河童のクゥはまだ眠る  丹仙
<楽千(天)>
夢と現の狭間でなんとも心地よき一刻。

<秋童子(人)>
なんともかわいい世界。クゥはアニメの主人公だったのですね。

<白馬(地)>
河童に名前を付けたのが面白いですね。

<素蘭(天)>
遅日の石を知らぬ少年

別れ惜しみて朧夜を歩き継ぐ  明子
<秋童子(天)>
小津映画の1場面を見ているような世界です。

<翔河川(天)>


<馬客(天)>
男同士でも女同士でも在りうる情景、でも
やはり恋する男女ととりたい。


・7点句

朧夜や合鍵持たぬ鍵の穴  愛子
<楽千(人)>
さてどんな部屋への鍵穴だろうか、気になる。

<白馬(天)>
一杯機嫌で帰宅したけれど-----。

<素蘭(地)>

あやなき闇に恋猫の鳴く

<丹仙(人)>
これは何とも意味深長な句ですね。合い鍵とは誰の家なのでしょうか。


・6点句

お返しを期待せず待つ春ショール  馬客
<秋童子(地)>
「期待せず待つ」がこわい、こわい。

<春愁(人)>
そっと待つ乙女ごころ

<丹仙(天)>
期待せずに待つ、とは、贈り物は本来、貸し借りではないという原則を踏まえていて面白い。待つ春と「待つ」が春を待つ心にかかるのも気が利いている。こういう女性ならば、無償の贈り物に恵まれるでしょう。

洛中を貫く川の花筏  芳生
<柊(天)>
華やかで奇麗な句だと思います

<春愁(地)>
観たいものです

<愛子(人)>



・4点句

対岸に手を振るひとも朧かな   楽千
<芳生(地)>
綺麗な光景ですね。

<英治(地)>
向こう岸は黄泉の国か

入試済む娘にそつと白きチョコ  丹仙
<春愁(天)>
親心でしょうね

<馬客(人)>
大義理チョコを貰ったパパの
本チョコでしょう。


・3点句

啓蟄の詩心蠢きそめにけり  芳生
<愛子(天)>


馬車でゆく北上川の花の土手  素人
<雛菊(人)>
馬車でゆく、が効いています。
北上川だからいいのでしょうね。

<明子(地)>
夢のなかの一場面のようです。


・2点句

大川の両の岸辺の桜かな  素蘭
<馬客(地)>
「両の岸辺」は彼岸此岸ととれますね。

朧へと汽笛一声カシオペア  英治
<楽千(地)>
果てしなき朧の中へいざ出発進行せん。

風光る畦川の底うすみどり  春愁
<雛菊(地)>
川底で生まれる柔らかな植物たち。うすみどりに惹かれました。

生真面目な男の返す桜餅  明子
<素人(地)>
義理チョコゆえのプレッシャーもあるのです。

義理チョコへ返す本チョコ春うらら   楽千
<柊(人)>
本チョコで片思いが通じれば良いですね

<白馬(人)>
本気でお返しした。その心は-----。

水害の痕そのままに春の川  馬客
<素人(人)>
傷痕は癒えぬままなのですよね。

<明子(人)>
美しい季節がより痛々しさを際立たせます。


・1点句

獣めく岩礁をちこち海朧  春愁
<芳生(人)>


口角をあげて卑弥呼の春よ春  春愁
<素蘭(人)>

竜門を背に笑ふ香久山

故郷に墓を残して朧かな  柊
<英治(人)>
気になるが仕方がない