投句: | 芳生、素蘭、楽千、松風子、柊、愛子、英治、馬客、翔河川、白馬、明子、丹仙、秋童子、春愁 |
選句: | 芳生、楽千、白馬、秋童子、英治、素蘭、松風子、柊、翔河川、馬客、明子、丹仙 |
吾も知る母の軽さや春の虹 白馬
静けさや八十八夜の犬の耳 白馬
若草に大の字に寝て歌人の忌 芳生
花の宵アンクルトリスひょっこりと 春愁
春愁や肉叢薄きたなごごろ 明子
また一つもの芽擡げて昨夜の雨 芳生
「怖いけん」車中で夜明かし肥後朧 秋童子
避難所の床花冷えの夜続く 馬客
朧夜の三年坂にさしかかる 柊
朽ち果てし悲しき玩具春の波 松風子
千金の奢りにけふの朝寝かな 素蘭
春の夜や小櫛挿す汝は美しき 丹仙
朝寝することも楽しみ旅鞄 明子
たんねんに茶渋を拭ふ朝曇 芳生
どうしても朝寝はできぬ妻と居る 馬客
夜を徹し桑の芽守る火を焚けり 明子
ふるさとの形状記憶夜店の灯 春愁
天地の縢りを隠す朝霞 愛子
一握の砂さらさらと春の刻 丹仙
不来方や虚空彩る石鹸玉 素蘭
じっと掌を視ている人の日の永し 馬客
早世の歌人を悼み桜散る 柊