第245回桃李6月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:梅雨の月、茂、桜桃忌(不言題)

兼題T 梅雨の月
兼題U 茂
兼題V 桜桃忌(不言題)

6月15日 (水) 投句開始
6月22日(水) 投句締切 翌日選句開始
6月29日(水) 選句締め切り 
6月30日(木) 披講

投句: 素蘭、楽千、白馬、松風子、春愁、柊、素人、英治、馬客、明子、翔河川、芳生
選句: 芳生、楽千、英治、春愁、柊、白馬、馬客、翔河川、素蘭、松風子、明子

披講

・12点句

浮いてこい伏せ字だらけの青春記  春愁
<芳生(天)>
珍しい季語を使って面白い句に仕立てていると思います。

<楽千(天)>
青春の屈折は人には言えぬことばかり。

<英治(人)>
着想が面白い。

<柊(天)>


<馬客(地)>
「伏字だらけの青春記」にガツンとやられました。


・7点句

無人駅包む大きな茂かな  明子
<春愁(天)>
無人駅の無常感を覚えました。

<翔河川(天)>


<素蘭(人)>
  閑古鳥鳴く四方の山々


・6点句

群雲の一隅白し梅雨の月  明子
<芳生(地)>


<楽千(人)>
混濁の向こうに清きものあり。

<翔河川(地)>


<松風子(人)>
夏の月のさまが涼しげに表現されています


・5点句

石仏を三日で隠す茂りかな  柊
<芳生(人)>


<春愁(人)>
夏草の旺んな様がよく出ています。

<松風子(天)>
草の茂る激しさが出ていて佳句

富嶽けふ裾より見えて月見草  芳生
<英治(天)>
太宰をイメージできる。

<柊(人)>


<白馬(人)>
富士山は全体が見えてこそ。


・4点句

子に勝てぬ烏鷺の争ひ梅雨の月  春愁
<素蘭(天)>
子の成長に目がうるうるしていそう

<明子(人)>



・3点句

梅雨の月掲げて寂と浮御堂  芳生
<楽千(地)>
現を超越して尚も現にある浮見堂と月。

<翔河川(人)>


梅雨の月森の夜鷹の忍び鳴き   楽千
<白馬(天)>
情景と語呂が佳い。

細面青白き肌ゆすら散る  白馬
<馬客(天)>
太宰とくれば、どうしてもこの
「上五・中七」の感じになっちゃうん
ですよね。

道行や梅雨どしゃぶりの中を行く  松風子
<明子(天)>



・2点句

浮かぶ瀬の玉川上水夏至近し  英治
<明子(地)>


草茂るふるさとの家母ひとり  素人
<柊(地)>


草茂る平家落人隠れ里   楽千
<松風子(地)>
草深い山奥の景がよく出ています

しづしづと雲崩れゆき梅雨の月  白馬
<英治(地)>
景がよく見える。

蒼天に白き月あり梅雨なかば  馬客
<春愁(地)>
梅雨晴れ間・・・いいですね。

梅雨の頃必ず思ふ人一人  柊
<素蘭(地)>
 三鷹の森に合歓の花咲く

ものの怪の閨に宜しき茂かな  素蘭
<白馬(地)>
ものの怪も眠るのだ。