第248回桃李9月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:休暇、颱風、パラリンピック(不言題)

兼題T休暇
兼題U颱風
兼題Vパラリンピック(不言題)

9月15日 (木) 投句開始
9月22日(木) 投句締切 翌日選句開始
9月29日(木) 選句締め切り 
9月30日(金) 披講     

投句: 楽千、鈴居、素蘭、松風子、秋童子、馬客、柊、芳生、白馬、英治、素人、春愁、明子、丹仙、翔河川
選句: 楽千、芳生、鈴居、素蘭、秋童子、柊、春愁、英治、白馬、松風子、馬客、翔河川、明子、丹仙

披講

・12点句

余生てふ長き休暇や草の花  芳生
<楽千(天)>
どこまで遊び心が持てるだろう。

<白馬(地)>
本当に長い。下五のように。

<松風子(地)>
季語とフレーズがよく照応しています

<翔河川(地)>


<丹仙(天)>
「草の花」と言う季語が活きていますね。何かの役に立つことはなくとも、余生を野の花の如く、自然体で生きたいものです。


・9点句

颱風の折り目正しく曲がり来る  松風子
<芳生(天)>
颱風の進路は時に「折り目正しく」変わりますね。

<秋童子(地)>
あのあたりで、いつも几帳面に。

<英治(天)>
面白い。

<馬客(人)>
TV画面で見る颱風の進路予測、確かに
言い得て妙。


・8点句

休暇明け横顔少し大人びて  明子
<楽千(地)>
この一夏の経験に収穫あり。

<秋童子(人)>
伸び盛り。いいですねえ。

<柊(天)>


<馬客(地)>
無口な祖父の視線ですかね。

伴走者心一つに秋の路  馬客
<芳生(地)>
「伴走者心一つに」がパラリンピックを語っています。

<素蘭(人)>
 実りの丘に遊ぶ色鳥

<柊(地)>


<春愁(地)>
心一つに・・・がいいですね

<翔河川(人)>



・6点句

美しき義足の駆けて休暇果つ  丹仙
<素蘭(天)>
タックスタワー揺らぐうそ寒

<春愁(天)>
休暇とパラリンピックを上手く詠まれました

低く来て仏足石に秋の蝶  柊
<鈴居(天)>
穏やかな秋です。

<馬客(天)>
穏やかな秋のお日和を表す、おだやかな、佳句。


・5点句

山焼けも海焼けもゐる休暇明け  松風子
<楽千(人)>
人様々に時を過ごして。

<芳生(人)>


<秋童子(天)>
海はこんがり、山はまだらに。


・4点句

障害を忘れ見とれる秋夜かな  秋童子
<白馬(人)>
選手の凄さに見とれて。

<明子(天)>
力一杯の戦いに、ただただ時を忘れて見ていました。


・3点句

仮定法過去はもう過去天高し  素蘭
<白馬(天)>
「れば」「たら」悔やんでも今更仕方がない。天は高いのだ。

学寮の窓に明かりや休暇明け  柊
<英治(人)>
景が浮かぶ。

<松風子(人)>
いままた活気が戻った学寮の様子が出ていて秋を感じさせます。

<丹仙(人)>
窓のむこうがわにいる学生に存在感がありますね。情景がよく見えてきます。

傷害をものともせずにみのる秋  素人
<松風子(天)>
本意をはずした季語であるが、うまく使っている。なお、「傷害」は「障害」が正しいと思いますが。

蔓揺るる子河童すがる秋出水   春愁
<翔河川(天)>



・2点句

死ぬ迄の大型連休小鳥来る   楽千
<素蘭(地)>
 遊行せむとや粧ふ八重山

颱風の眼のなかにゐるしじまかな  芳生
<明子(地)>
台風の眼のなかは本当に静かで、さっきまでの嵐はどこへ...と思います。

天高し育休とりてやや不安  白馬
<鈴居(地)>
秋の爽やかさ

夏の果てかひがら骨の砂はらふ  春愁
<丹仙(地)>
この句、「かひがら骨」という言葉に惹かれました。肩甲骨にかかった砂を払うという作中人物の仕草に、何か、神話的なイメージの広がり、たとえばジークフリード物語の俤付のごときものを感じます。

無念さを食いちぎりたり秋の空  翔河川
<英治(地)>
そんな気分になることも。


・1点句

ガイド紐二人で持ちて金ひとつ  鈴居
<柊(人)>


逆境に生きるを恃む下り鮎  松風子
<春愁(人)>
下り鮎・・・の季語が効いています

颱風は過ぎしと聴きてラジオ消す  馬客
<鈴居(人)>
これで秋になりますかね。

寝て起きて食べて遊行し休暇果つ  秋童子
<明子(人)>
リズムの良さに惹かれました。