第249回桃李10月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:燈、露、豊洲(不言題)

兼題T 燈
兼題U 露
兼題V 豊洲(不言題)

10月15日 (土) 投句開始
10月22日(土) 投句締切 翌日選句開始
10月29日(土) 選句締め切り 
10月31日(月) 披講 

投句: 素蘭、楽千、春愁、秋童子、素人、芳生、馬客、松風子、英治、柊、翔河川、白馬、丹仙
選句: 芳生、楽千、英治、鈴居、秋童子、翔河川、素蘭、松風子、馬客、白馬、丹仙

披講

・15点句

露座仏の手窪の水に秋あふる  春愁
<芳生(天)>
手窪に目を付けた点がいいですね。

<秋童子(天)>
そこに秋を見つけるとは。

<翔河川(天)>


<馬客(天)>
上品な、素直な句です。

<丹仙(天)>
叙景のしっかりとした堂々たる句です


・11点句

きのふよりけふが淋しき秋燈  楽千
<芳生(地)>


<英治(地)>
日一日と秋が深まる。

<松風子(天)>
人間の心理が巧みに出ていて季語と照応しています

<白馬(天)>
状況はいろいろあるでしょうが、日毎につのる淋しさが切ない。

<丹仙(人)>
昨日と今日の対比で深まり行く秋を表現した秀句


・7点句

ひょっとして秘密基地かも地虫鳴く  楽千
<芳生(人)>
諧謔味があります。

<英治(人)>
面白い。

<秋童子(地)>
なるほど、そうだったんですね!

<素蘭(人)>
小市民的ワクワク感に破顔一票

<松風子(地)>
29諧謔味と皮肉を含む句となりました


・4点句

その名にもあらで不毛の秋出水  馬客
<鈴居(地)>
上手くまとまってます。

<翔河川(地)>


ホームズの推理に溺る秋燈下  芳生
<楽千(地)>
夜が長くなって読書の秋、ホームズの短編は一夜の内に読み切れる。

<鈴居(人)>
秋はこうでないと。

<秋童子(人)>
「溺る」に実感がこもります。

ひとり身の洗濯干すや露の竿  馬客
<翔河川(人)>


<素蘭(地)>
山里の秋ですね

<白馬(人)>
やるせなさが下五で伝わってくる。


・3点句

秋涼し髪高々と結ひあげて  柊
<英治(天)>
心情が浮かぶ。

朝露に濡れて畦道登校す  柊
<鈴居(天)>
いつもの風景です。

叡山の秋一人行く自燈明  丹仙
<素蘭(天)>
法と自己との対峙に♪照る山紅葉
♪恋も雨水も数詠む中に
♪鱒を漁る毛鉤や…

胸に棲む小鬼灯ともす愁思かな  馬客
<楽千(天)>
心の中に住む邪鬼と神仏、自分では統制できない。


・2点句

乳の実の斉斉哈爾の駅秋燈  素蘭
<丹仙(地)>
これは満州開拓団の時代のかすかなる記憶が秋燈によって突如甦った句として鑑賞しました。枕詞の「乳の実(銀杏)」も作者の幼年時を暗示しているのかもしれません。

燈のそばに寄り添う黒き闇  翔河川
<白馬(地)>
闇在っての燈、燈在っての闇。寄り添うが佳。

ひとはさてついてははなれ芋の露  翔河川
<馬客(地)>
芋の葉の露ほど滑らかに動き変化する
物はないでしょう。


・1点句

秋燈の遺影となりしものと居り  英治
<松風子(人)>
しっとり感のある句になりました

振り上げしこぶしに疲れ秋の浜  英治
<楽千(人)>
元気に飛び回った暑い夏が終わった。誰も居ない海、今はもう秋。

行く残るどちらも地獄冬近し  秋童子
<馬客(人)>
まったく利用者そっちのけですね。