投句: | 省吾、渓美、松、木菟、今 良耶、葉子、碁仇、悠久子、たにし、旅遊、香世、涙笑、裕、池之端、安康、楽人、重陽、雲外 |
選句: | ひとし、重陽、旅遊、葉子、楽人、碁仇、京香、香世、雲外、悠久子、涙笑、安康、木菟、松 |
秋うらら顔をはみだす欠伸かな たにし
幾億の過去を集めて星月夜 碁仇
予言書の見事外れて梨を食ふ 碁仇
阿の犬に吽の犬にも秋時雨 渓美
あの頃はへのへのもへじの案山子ゐて 悠久子
最後かもしれぬ窓辺や雲の峰 今 良耶
蹌踉の 身にも逢瀬や 秋彼岸 雲外
梨割れば酸いも甘いも天の業 楽人
里案山子ついお天気の話しなど 香世
実ざくろの異相を好きというもあり 重陽
枯れてゆく色をしながら梨実り 池之端
きりりっと父の古着の案山子かな たにし
鈴虫や今宵ゆかしきメール来し 悠久子
口に出せば消えし口説きや秋の風 木菟
新涼やポストに落つる文の音 渓美
女郎花男嫌いで嫁にゆき たにし
爪ぐれの幼き子らの化粧かな 重陽
種袋立てて春待つ秋日和 香世
山里の案山子はひとり恋思案 木菟
雨風に虚無の眼の案山子かな 涙笑
赤蜻蛉西日の中へ消え入りぬ 旅遊
見たことなき案山子を詠めと?我二十歳 池之端
梨むくや 父在らば今日 九十五 雲外
ねこじゃらし猫の代わりにじゃれてみる 楽人