第250回桃李11月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:凩、湯豆腐、トランプ大統領(不言題)

兼題T 凩
兼題U 湯豆腐
兼題V トランプ大統領(不言題)

11月15日 (火) 投句開始
11月22日(火) 投句締切 翌日選句開始
11月29日(火) 選句締め切り 
11月30日(水) 披講 

投句: 楽千、素蘭、松風子、秋童子、芳生、柊、春愁、馬客、英治、素人、翔河川、丹仙
選句: 芳生、松風子、素蘭、柊、楽千、白馬、英治、翔河川、素人、馬客、秋童子、丹仙

披講

・15点句

凩や道化の骨は四分音符  素蘭
<楽千(天)>
この世の苦渋を知り尽くした果てに歌あり、軽快に四分音符が弾む。

<白馬(天)>
この世でもあの世でも道化師。切ない。

<素人(天)>
面白い。魅かれます。

<秋童子(天)>
なぜか惹かれる意味わからねど♩♩

<丹仙(天)>
言葉と言葉の間の飛躍が面白い。シュールレアリスティックな奇想。「骨」は「コツ」で、作曲家が謝肉祭などの楽曲でピエロを表現するときのコツであると同時に、楽譜の上で舞踏する四分音符のイメージも重なりました。


・10点句

遠火事の世にも遠くにあるごとし  松風子
<素蘭(地)>
 トラ・トラ・トラと響む冬海

<柊(天)>
大騒ぎした大統領選ですが、切実に感じません

<英治(天)>
身近にどんな影響が。

<翔河川(地)>



・9点句

湯豆腐や時に親子のわだかまり  柊
<芳生(天)>
湯豆腐即家族団らんという図式を抜けた点がよいかと思います。

<素人(地)>
会話が弾まない。

<馬客(天)>
これが日本人の食べ物、それが湯豆腐。
だからこその、その場の親子の雰囲気。

<秋童子(人)>
お互い押し黙り箸だけ伸ばして。


・7点句

凩のあとに声澄む野道かな  松風子
<柊(地)>
凩の過ぎ去った後が良いと思いました。

<翔河川(天)>


<馬客(地)>
心から同感。


・5点句

湯豆腐が笑つてゐます一人鍋  素蘭
<松風子(地)>
湯豆腐を食べながらみずからを自嘲しているさま、おかしみと寂しさとが交錯した感情が吐露されています

<楽千(人)>
話が弾み箸が止まった鍋の中にくつくつと湯豆腐が笑っている。

<英治(地)>
人生こんなもの。

湯豆腐のごとき夫婦となりにけり  秋童子
<素蘭(天)>
一つの美学ですね

<丹仙(地)>
なんとなく自然体でわかりますね。

湯豆腐や薬味に加ふ妻のぐち   春愁
<芳生(地)>


<白馬(地)>
帳消しか?更なる薬味か?

<翔河川(人)>



・3点句

凩や軍旗はためく時代へと  秋童子
<松風子(天)>
寒々とした心象風景が見えてきます

湯豆腐や湯気の向こうに父と母  馬客
<松風子(人)>
回想の句でしょうか。今はいない父母の姿を湯豆腐の湯気の向こうに見ていると、解釈しましたが

<秋童子(地)>
遠い日の夕餉の風景でしょうか。


・2点句

凩吹く有平棒の無頓着  春愁
<楽千(地)>
床屋さんがあり昔ながらの固定客のみが訪れる。流行の髪型は扱わない。

独善は誰に最善虎落笛  楽千
<柊(人)>


<白馬(人)>
日米共に。

湯豆腐や吾が退職の近づけり  丹仙
<英治(人)>
いつも気になる。

<馬客(人)>
いつもの地酒が身に沁みますねェ。


・1点句

凩を偏差値を背に予備校生  英治
<素蘭(人)>
「背にランドセル」の破調もアリかと‥‥加油!

定年や凩と言うはこれ  馬客
<丹仙(人)>
破調の句ですが、それが定年一歩手前にいる心境に照応しています。

冬の雷ホワイトハウス直撃す  丹仙
<素人(人)>
後遺症が気になりますよね。

凩に内緒話のかき消され  柊
<芳生(人)>
自然に声が大きくなったのでしょう。