第253回桃李2月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:絵踏、冴返る、暗殺(不言題)

兼題T 絵踏
兼題U 冴返る
兼題V 暗殺(不言題)

2月15日 (水) 投句開始
2月22日(水) 投句締切 翌日選句開始
3月 1日(水) 選句締め切り 
3月 2日(木) 披講

投句: 楽千、素蘭、白馬、松風子、春愁、素人、英治、秋童子、馬客、明子、翔河川、丹仙
選句: 楽千、素蘭、鈴居、英治、翔河川、明子、丹仙

披講

・6点句

一列に並ぶ羅漢や冴返る  楽千
<素蘭(天)>
   つらつら椿つらつらと面

<翔河川(天)>


絵踏して俸給取りをながらふる  英治
<素蘭(地)>
地雷踏むより何ぼましかと…

<翔河川(地)>


<丹仙(地)>
遠藤周作の「沈黙」は、「転向」したマルクス主義者にも、共感をもって読まれたと記憶します。フェレイラは、転向して反共主義になった共産党指導者といったところですが、そういう指導者ではない弱者も多数いたことでしょう。


・5点句

潮鳴りや絵踏せし世も今の世も  春愁
<翔河川(人)>


<明子(人)>
海鳴りだけは何時も変わらず・・・の

<丹仙(天)>
「潮鳴り」が良いですね。法華経の梵音(海潮音)の時代から、外国より日本には、仏教やキリスト教のような「普遍思想」が渡来し、愛国主義者達との闘争がありました。


・4点句

絵を踏みし外海の里よ春浅し  秋童子
<楽千(地)>
言外に哀愁を感じます。

<鈴居(地)>
区切をつくる決意が時々には、あると思う。


・3点句

暮れなずむ空に富士の嶺冴返る  秋童子
<鈴居(天)>
心も澄みます。

磨り減りて淡し踏絵のマリア像  明子
<楽千(天)>
幾多の苦渋が染み込んでいる。

独裁のここに極まる余寒かな  秋童子
<明子(天)>
心の底から寒さを感じます

武蔵野の親族同胞寒戻る  素蘭
<英治(天)>
リズムがよい。


・2点句

骨肉は相食むものぞ春まだき  素蘭
<英治(地)>
考えさせられる。

転びまた歩いて倒る絵踏かな  松風子
<明子(地)>
「沈黙」の一場面のようです

友逝くと告げるメールや冴返る  素人
<素蘭(人)>
   いをのオブジェに添へる白梅

<鈴居(人)>
今はメールの時代なり


・1点句

異国より二月礼者の殺意かな  松風子
<丹仙(人)>
儒教の国から送られた刺客、礼節を装いながら暗殺を企てる。現代よりも、たとえば蘇我馬子の時代の渡来人を刺客とした政変などをイメージしました。

冴え返るなれど曇りなきがらすびん  翔河川
<英治(人)>
ガラス瓶にインパクト。

第二志望のみの歩みや冴返る  英治
<楽千(人)>
等身大の自分がここにある。