第254回桃李3月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:雛、蛙、豊洲(不言題)

兼題T 雛
兼題U 蛙
兼題V 豊洲(不言題)

3月15日 (水) 投句開始
3月22日(水) 投句締切 翌日選句開始
3月29日(水) 選句締め切り 
3月31日(金) 披講  

投句: 春愁、白馬、素蘭、芳生、楽千、鈴居、秋童子、翔河川、素人、馬客、丹仙
選句: 芳生、楽千、鈴居、秋童子、白馬、英治、素蘭、翔河川、馬客、丹仙

披講

・9点句

痩せ蛙江戸切り絵図に紛れ込む  春愁
<芳生(地)>
発想がユニークです。

<英治(天)>
鳥獣戯画を思わせる。

<素蘭(天)>
こんなシュールな吟行も俳諧ならばこそ

<馬客(人)>
若冲へでもピカソへでもこの痩せ蛙は
紛れ込みそう。


・7点句

娘の嫁ぐ代々の雛置き去りに  春愁
<楽千(天)>
日本の伝統行事が代々大切に受け継がれてきたのになあ。

<秋童子(地)>
これも時代なのでしょうか。

<白馬(地)>
この雛を置いてきぼりに、何人の娘が行ってしまったことか。


・6点句

春寒しやっちゃ場の声つり上がる  春愁
<楽千(地)>
朝は未明からの業務、威勢良き空気が弾む。

<鈴居(地)>
寒そう

<馬客(地)>
今の有様じゃあ、声もつりあがろうってもんです。

灯を入れる妻の遺せる雛飾り  素人
<芳生(天)>
奥様遺愛の雛飾りが一際綺麗に浮かび上がります。

<鈴居(天)>
きれいな空気感にホッとします。


・5点句

晩節を汚すなかれと亀鳴けり  素人
<白馬(人)>
新市場の地下水の中で鳴く亀。「太陽の季節」の熱血はどうした?

<素蘭(人)>
   面構へ良きくノ一の春

<丹仙(天)>
亀鳴くの季語が生きていますね。昔の都知事の話だけでなく、老齢を迎えた己自身の自戒ととると面白い。


・4点句

地下水の落し所や春の渦  楽千
<英治(人)>
面白い。

<素蘭(地)>
    金目の蛙頬被りして

<翔河川(人)>



・3点句

谿聲に和して法説く蛙かな  丹仙
<白馬(天)>
蛙の声もじっと聴けば説法に聞こえる。

手も足も声も喜び蛙鳴く  楽千
<芳生(人)>


<翔河川(地)>


雛あられほうばる嫁と我二人  鈴居
<翔河川(天)>


ピアノ弾く少女の指や雛の間  楽千
<馬客(天)>
少女の横顔はお雛様みたい。

眼を瞑り波に消えゆくひ雛かな  丹仙
<秋童子(天)>
流し雛に祈りを込めて。


・2点句

官軍の軍歌聞きしや古雛  芳生
<英治(地)>
かなりな時代物か。

食えおれのオムライス食え雛の日だ  翔河川
<鈴居(人)>
選びたくないけど気になる句

<秋童子(人)>
あまりのおかしさに、つい1票。

傘寿すぎ娘には譲らぬ雛かざり  翔河川
<丹仙(地)>
娘と孫と、さらには曾孫とも同居しているご家庭とすると面白い。


・1点句

幻視とは既知とは雛の巣立かな  素蘭
<丹仙(人)>
雛の巣立ちという過去に於ても未来に於いても無限に反復されるありふれた出来事を現在において経験する一瞬の不思議さを捉えた句。雛祭りではない雛の題詠はユニークでした。

妻と嫁あと皆男雛飾る  馬客
<楽千(人)>
家庭円満は婦昌夫随にあり。