第256回桃李5月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:鰹、筍、幟

兼題T 鰹
兼題U 筍
兼題V 幟

5月15日 (月) 投句開始
5月22日(月) 投句締切 翌日選句開始
5月29日(月) 選句締め切り 
5月31日(水) 披講     

投句: 素人、素蘭、楽千、鈴居、芳生、秋童子、丹仙、英治、翔河川、馬客、明子、白馬、松風子
選句: 楽千、芳生、英治、素蘭、鈴居、春愁、秋童子、素人、白馬、馬客、明子、翔河川、丹仙

披講

・15点句

幟立て信玄の世の風を呼ぶ  芳生
<楽千(人)>
閉じ込められた時代が風に甦る。

<英治(天)>
格調がある。

<素蘭(天)>
  笛吹川に洗ふ黒駒

<鈴居(地)>
戦国の世と現代が幟で繋がっているのか

<馬客(天)>
壮快感をおぼえる一句。

<丹仙(天)>
端午の節句、戦国の武将の甦る様、「風を呼ぶ」が良いですね。


・12点句

抱き上げて幟に近し子の笑顔  馬客
<楽千(天)>
子の笑顔の横には爺の笑顔がある。

<英治(人)>
よい雰囲気。

<素人(天)>
ほのぼのとした情景。

<白馬(地)>
子供は何でも近くで見たがる。抱っこされて嬉しそう。

<翔河川(天)>



・7点句

淀みなき口上聴きて初鰹  丹仙
<芳生(天)>
芝居の口上でしょうか。初鰹と合っています。

<鈴居(天)>
音の良さ

<素人(人)>
最近よく見かけます。


・6点句

卓袱台の間へ風通し初鰹  楽千
<芳生(地)>
昔の茶の間の風景が見えてきます。

<素蘭(地)>
  猫滑り寄る打水の家

<翔河川(地)>



・5点句

木漏れ日や筍一つ二つ三つ  楽千
<秋童子(天)>
よく見れば、あそこにもここにも。

<馬客(地)>
僅かに頭を出しているのを見つけるのです。

山麓に馬あらはれて武者幟  英治
<明子(天)>
映画の一場面のようです。

<丹仙(地)>
「信玄の世の風を呼ぶ」という35番の句と呼応するような句。実際に戦国の武将が登場するかの如き勇壮な句のリズムが良いですね。

筍の皮むく指と里の香と  翔河川
<素人(地)>
情景が良く見えます。

<白馬(天)>
故郷から宅急便で届いた筍。いそいそと皮をむく。懐かしい香り。


・3点句

炊き立ての筍ご飯大家族  素人
<秋童子(地)>
これぞ幸せなひとときです。

<馬客(人)>
「大家族」と決めたところで句になった。

筍や背丈張り合ふ甲斐の嶺々  芳生
<明子(地)>
三千メートル級の山々が並ぶ甲斐の山並みが目に浮かびます。

<丹仙(人)>
「甲斐の嶺」という背景の雄大さが、筍というミクロコスモスと照応しているところに惹かれました。

生もよし炙りなほよし初鰹  素人
<春愁(天)>
美味しそう

ベランダの強風に耐へ小さき鯉  鈴居
<春愁(地)>
青嵐に耐えて健気に・・・

<翔河川(人)>



・2点句

鰹一本包丁一本そして父  英治
<素蘭(人)>
  晒井知らぬ今様の児等

<白馬(人)>
鰹をさばく包丁にかけた父の腕前。一本の繰り返しが佳いですね。

鰹切る世の憂さいつか消えてゐし  芳生
<英治(地)>
今はただ鰹に集中。

三軒が花競う路地鰹切る  翔河川
<楽千(地)>
東京下町の路地裏で私は育った。


・1点句

青空や水にも泳ぐ鯉幟  松風子
<春愁(人)>
水にも泳ぐんですね

鰹船相模の沖の水平線  白馬
<芳生(人)>


兼題と言われて食べる初鰹  鈴居
<秋童子(人)>
あわてて。

子等の目を集め削りし鰹節  秋童子
<鈴居(人)>
小さき目なざしが可愛い

幟杭三人兄弟それぞれに  白馬
<明子(人)>
兄ちゃんも弟も平等に幟を立ててもらうのですね。