第258回桃李7月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:日盛、夕焼、百合

兼題T 日盛
兼題U 夕焼
兼題V 百合

7月13日 (水) 投句開始 (いつもより2日はやくなります)
7月20日(水) 投句締切 翌日選句開始(いつもより2日はやくなります)
7月31日(月) 選句締め切り (いつもより2日おそくなります)
8月1日(水) 披講 (いつもより2日おそくなります)   

投句: 芳生、素蘭、松風子、白馬、楽千、鈴居、素人、秋童子、丹仙、明子、英治、馬客、春愁、翔河川
選句: 芳生、楽千、白馬、素蘭、英治、松風子、馬客、素人、鈴居、翔河川、秋童子、明子、丹仙

披講

・14点句

日盛を来て少年の歯の白し  楽千
<松風子(天)>
黒と白の対比がよく出ています。ふたつのものの映発により効果が出ている句

<馬客(天)>
汗まみれの野球小僧であった、遠き日の自分。

<翔河川(天)>


<秋童子(天)>
元気な少年。とてもさわやかです。

<明子(地)>
歯の白さに夏の日の輝きが重なりました


・7点句

日盛や就活の地図手びさしに  春愁
<素蘭(地)>
リクルートスーツも就活も季語となりそで怖…

<素人(天)>
ご苦労様です。 見えるようです。

<丹仙(地)>
夏の盛りに就活をしている学生の姿が見事に浮かびます。

明日たどる稜線いよよ夕焼けて  明子
<芳生(天)>
山小屋から見た情景でしょうか。心情が出ています。

<鈴居(天)>
涼しそうですね

<秋童子(人)>
槍ヶ岳から穂高連峰へと続く天空の道を思い出します。

深閑と板木の響き日の盛り   芳生
<松風子(人)>
見えないが聞こえてくる版木の音に日盛り感がよく出ています

<馬客(人)>
音の響きがかえって森閑の度合いを深める。

<鈴居(人)>
涼しい風の流れ

<翔河川(人)>


<明子(天)>
静けさがいちだんと深まります


・6点句

大夕焼け日本人が嫌になり  馬客
<英治(地)>
ふとそんな気になる。

<鈴居(地)>
共感落胆発見

<秋童子(地)>
同感です。情けないこと、恥ずかしいことばかりで。


・5点句

甲斐駒の大夕焼見て旅終る  芳生
<英治(天)>
いかにも旅の終わりの感慨。

<明子(人)>
大きな景色、山好きにはたまらない景色です

<丹仙(人)>
17文字の詩に雄大な叙景を詠んだところがよい。

バザールの路地幾曲がり大夕焼  春愁
<芳生(地)>
「バザール」が効果的です。

<素蘭(天)>
  風に吹かれて夏の旅人


・4点句

三山のほとほと暮れて百合の花  芳生
<松風子(地)>
山間の暮れてゆくさまが百合の花に照応しています

<翔河川(地)>



・3点句

頑なによそ者拒む百合の花  素人
<丹仙(天)>
百合の花がよそ者を拒んでいるというのではなく、よそ者を拒んでいる作者に向かって百合の花が「そんなに構えないで自然体でいたら」と気づかせてくれたと読みたい。野の百合の姿にハッとした一瞬をとらえた句。

石庭に物の影なし日の盛  丹仙
<白馬(天)>
太陽の位置が真っ直ぐ上に。涼しかるべき石庭も炎暑に晒されている。

独居して百合揺れずして家静か  馬客
<英治(人)>
老境か。

<馬客(地)>
百合は「揺れ」からきているとか。その百合が揺れない
とは。寂しいまでの静けさ。

ビル群をダリの時計に日の盛り  翔河川
<楽千(天)>
時空が歪むほどの熱気、もう働く限界を超えた。


・2点句

大夕焼この国メルトダウンして  秋童子
<白馬(地)>
原子炉も政治も。

日盛りのご不在伝票またも切る  英治
<素人(地)>
我が家も良くこれをやらせてしまって申し訳なく思っています。

日盛や物売りの声ふと絶えて  松風子
<楽千(地)>
物売さんも木陰でひと眠りか。


・1点句

一本の山百合置かる遭難碑  明子
<素人(人)>
昔、山歩きをしていた時の思い出がよみがえります。

駅までの夕焼けの道を教へられ  英治
<楽千(人)>
今日を歩き尽くして明日は明日で居場所があるだろう。

鹿の子百合ときに如菩薩ときに夜叉  春愁
<素蘭(人)>
この心象風景にはこんな艶歌が似合いそう
♪こんな女に、だぁれがした〜♪ 

巣立ちあり旅立ちしあり百合の家  英治
<白馬(人)>
百合咲く家の家族にも、いろいろ変化が。

日盛に動きの止まる交差点  素人
<芳生(人)>
交差点に焦点を絞ったのがよいと思いました。