第260回桃李9月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:颱風禍、秋蝉、Jアラート(不言題)

兼題T颱風禍
兼題U秋蝉
兼題VJアラート(不言題)

9月15日 (金) 投句開始
9月22日(金) 投句締切 翌日選句開始
9月29日(金) 選句締め切り 
9月30日(土) 披講     

投句: 楽千、素蘭、芳生、秋童子、松風子、白馬、殆繁、英治、翔河川、明子、鈴居、丹仙
選句: 芳生、楽千、素蘭、春愁、英治、秋童子、白馬、翔河川、鈴居、松風子、明子、丹仙

披講

・12点句

今生の居場所と定め秋の蝉  楽千
<素蘭(天)>
  釣瓶落しに励む結の手

<白馬(天)>
蝉も私も-----。

<翔河川(人)>
終の棲家

<鈴居(天)>
言葉の歯切れがよい

<松風子(地)>
秋の蝉の本意が出ています


・9点句

雨風の少し緩めば秋の蝉  明子
<楽千(地)>
嵐もあれば晴れもある。順々巡る日本の四季。

<英治(地)>
はかなさを知る。

<秋童子(地)>
限りある命を惜しむように。

<松風子(天)>
秋の蝉の本意にそう表現がなされています


・8点句

腫ホCホ咾Cフ瓶モ渠盾フ壊  殆繁
<楽千(天)>
移り行く人の世に、季節の巡りは変わり無し。

<白馬(地)>
嵐の後の廃校。校長室の柱時計も時を刻まなくなった。

<明子(天)>
読めないのですが、平がなから判断しました。静かさが伝わってきました。


・7点句

避難するいとまの有りや穴惑い  白馬
<素蘭(地)>
 御意

<松風子(人)>
危機ばかりあおるアラートの響きがむなしく空に鳴り渡り、ただうろたえる民人の姿は、まるで穴惑いのごとし、というべきか。

<明子(人)>
何処へ隠れろというのでしょう。

<丹仙(天)>
不言題と「穴惑い」の季語の配合が秀逸


・5点句

神木の力枝折る颱風禍  明子
<芳生(地)>
台風は容赦なしですね。

<春愁(人)>
自然のエネルギーの威力

<翔河川(地)>
神をも恐れぬ


・4点句

様々な物干されをり颱風禍  楽千
<素蘭(人)>
畳に箪笥、ソファーにテレビ、冷蔵庫に…嗚呼

<秋童子(人)>
無残な光景です。

<丹仙(地)>
台風一過、被害を受けた人々の日常への復帰も感じます


・3点句

雨くればどこに隠れむ昼の虫  明子
<英治(天)>
どこなのだろう。

大袈裟に怖がることも五分の虫  松風子
<春愁(天)>
一寸の虫にも五分の魂

颱風禍その真ん中に在りしひと  白馬
<芳生(天)>


颱風禍父は更地と言ひにけり  丹仙
<秋童子(天)>
田も畑もすべて流されてしまって。

鳴き絶えし無音の闇に秋の蝉  松風子
<翔河川(天)>
無音の余韻


・2点句

秋の蝉未完の絵巻携えり  翔河川
<鈴居(地)>
なぜかよい

四海波荒ぶる地球颱風禍  素蘭
<芳生(人)>
地球の将来が思いやられます。

<楽千(人)>
荒ぶるは太陽異変か人災か。

隙を突き解散いまと秋の蝉  秋童子
<白馬(人)>
政治力学の醜さ。

<鈴居(人)>
隙あり

颱風禍有情無情を蹴散らかし  松風子
<春愁(地)>
人間など、あらゆる生き物の矮小さ

どの家も泥の狼藉颱風禍  芳生
<明子(地)>
あの泥を片付ける大変さを思います。


・1点句

どさくさに核武装をと地虫鳴く  秋童子
<英治(人)>
そんな連中が多くなる。

送直のсき竃しの倪トわULオ  殆繁
<丹仙(人)>
私のPCでは文字化けしていましたが、おそらく
「流木のむき出しの樹皮颱風禍」でしょうか。颱風禍のすさまじさをストレートに詠んだのが良い。