第261回桃李10月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:秋寒、草の花、茸飯

兼題又は當季雑詠
兼題T 秋寒
兼題U 草の花
兼題V 茸飯

10月16日 (月) 投句開始
10月23日(月) 投句締切 翌日選句開始
10月30日(月) 選句締め切り 
10月31日(火) 披講 

投句: 春愁、素蘭、楽千、秋童子、鈴居、ぽぽな、英治、白馬、松風子、翔河川、素人、芳生、丹仙
選句: 楽千、芳生、英治、秋童子、素人、春愁、翔河川、白馬、ぽぽな、素蘭、松風子、丹仙

披講

・9点句

風と来てここと決めたり草の花  翔河川
<秋童子(天)>
あるがままの生命。いいですね。

<ぽぽな(天)>
自由な心地が素敵です。

<素蘭(天)>
  そぞろ身にしむ入相の聲


・6点句

動かざる猫ひざにおり秋や寒  翔河川
<楽千(人)>
猫が湯たんぽ代わりに。

<素蘭(地)>
夢二さながらの構図がグー

<丹仙(天)>
猫を配したところ、実に自然な読みぶりですが、「秋や寒」と切字を入れたことで、句にメリハリがつきましたね。

砂山に空と一文字秋寒し  素蘭
<春愁(天)>
澄みきった空の青さ

<白馬(天)>
ひとりでやって来た砂山。恋の終焉。


・5点句

甲斐駒の香の匂ひ立つ茸飯  芳生
<英治(地)>
雰囲気あり。

<素蘭(人)>
双璧たる木曽駒の香も…

<丹仙(地)>
大きな背景と茸飯の配合、大宇宙と小宇宙の照合を感じさせます。


・4点句

はんなりは雅びなことば茸飯  春愁
<素人(天)>
この取り合わせに妙に魅かれます。

<松風子(人)>
季語とフレーズがうまく照応していると思いました


・3点句

秋寒し指に棘さす竹細工  芳生
<楽千(天)>
寒くなると細かな指先の作業が厳しくなる。

秋寒の小皿重ねるときに音   ぽぽな
<翔河川(天)>
そっと重ねても

秋寒や億光年の星が鳴る  楽千
<松風子(天)>
広大な夜空の星を仰ぎ見た時に感じる実感がにじみ出ています

秋寒や心の隅のわだかまり  素人
<芳生(天)>
心にわだかまりがあると、うすら寒いものです。

秋寒の幾星湖に落ちぬべし  松風子
<翔河川(地)>
ひともまた

<丹仙(人)>
星が寒さで湖に落ちるという神話的な発想が良い。

お杓文字に茸貼りつく茸飯  ぽぽな
<春愁(人)>
貼りつくが効いている

<白馬(地)>
そっと剥がして味見する。

墓一基影を落とすや草の花  松風子
<英治(天)>
格調あり。

一言に軽くなる胸草の花   ぽぽな
<楽千(地)>
緊迫をほぐす一言あり。

<素人(人)>
そんなもんですよね。

ニートでも心は軽し草の花  丹仙
<芳生(地)>


<白馬(人)>
今日の命も明日の命も。


・2点句

あしひきの山に幸あり茸飯  素蘭
<春愁(地)>
幸とお宝と

茸飯セピアの父母に供えけり  楽千
<芳生(人)>
亡き父母の喜んでいる顔が見えるようです。

<翔河川(人)>
黒白写真

草の花下校の子らの手話弾む  素人
<ぽぽな(地)>
目に浮かびました。

草の花摘んで老妻少女へと  秋童子
<松風子(地)>
草の花を摘むなかで少女の頃の無邪気さをよみがえらせている景が見えます

手で裂くは母の教えか茸飯  翔河川
<素人(地)>
そう教えられましたがこの鑑定法は怪しいそうです。

箸探る愉悦に浸る茸飯  松風子
<秋童子(地)>
これぞ茸飯ですね。


・1点句

秋寒し宙から見えぬ国境  春愁
<ぽぽな(人)>
平和を願う心が見えます。

秋寒の雲吹貫けて空の青  丹仙
<英治(人)>
情景が浮かぶ。

八十坂をいつか越えゐし草の花  芳生
<秋童子(人)>
良い日々をお過ごしなのでしょう。