第262回桃李11月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:立冬、山茶花、マスク

兼題又は當季雑詠

兼題T 立冬
兼題U 山茶花
兼題V マスク

11月13日 (月) 投句開始
11月20日(月) 投句締切 翌日選句開始
11月27日(月) 選句締め切り 
11月28日(火) 披講    

投句: 素蘭、楽千、白馬、鈴居、春愁、素人、明子、松風子、丹仙、英治、翔河川
選句: 楽千、英治、素人、白馬、鈴居、素蘭、松風子、明子、丹仙

披講

・12点句

山茶花や昔この家に三姉妹  楽千
<英治(天)>
風情がある。

<素人(天)>
幼い頃の思い出。憧れでもありました。

<素蘭(地)>
三姉妹といえば………
視座置くべきは家か人か、そこが問題。

<明子(人)>
山茶花の持つ雰囲気が、一つの物語を暗示しているようです

<丹仙(天)>
高齢化社会で空き家が増えてきました。山茶花と三姉妹の配合が良いですね。


・9点句

立冬や多摩の遠山近づきぬ  松風子
<白馬(天)>
この感性はとても佳いですね。実感でしょう。

<鈴居(人)>
山の景色はいつ見てもこころの落ち着くもの。加えて空気の澄んだ朝は本当に清々しいものです。

<松風子(地)>
万葉以来の「多摩の横山」の初冬の景が出ています

<明子(天)>
山並みのくっきり見えるのが、関東平野の冬ですね。


・6点句

鬼ごつこして子のマスク皆顎に  明子
<楽千(人)>
子供は風の子、元気が一番。

<鈴居(天)>
皆身体から湯気が出てそう

<丹仙(地)>
母親の世代のまなざしの優しさを感じます。

龍笛の一聲空を冬来る  素蘭
<楽千(天)>
名笛が天井の冬を目覚めさせた。

<松風子(天)>
凛とした響きが聞こえてきます


・5点句

冬に入る武蔵野は日に恵まれて  明子
<英治(地)>
「遠山に・・・」の句を思わせる。

<素蘭(天)>
  寒菫咲く俳諧の里


・4点句

山茶花のざっくばらんに散りにけり  松風子
<白馬(地)>
中七が気に入りました。

<鈴居(地)>


マスクして目と目で交わす見舞ひかな  丹仙
<素人(人)>
ご同病。互いにいたわりあって。

<素蘭(人)>
お大事に

<明子(地)>
お互いさま、の気持ちが通いあいます


・2点句

血圧の一喜一憂冬に入る  春愁
<素人(地)>
あなたもですか。わたしもなんです。

山茶花や作務衣の僧の庭を掃く  素人
<楽千(地)>
当分は毎朝の日課となるだろう。


・1点句

木洩れ日のごとく山茶花散りぬべし  素蘭
<英治(人)>
情景を思わせる。

白さざんか微熱が通る鼻の孔   春愁
<丹仙(人)>
微熱で頭が重い病的な気分が、白山茶花の外界に反映した面白い句です。

白妙のマスクの君やバスを待つ  素蘭
<白馬(人)>
マスクで半分顔が見えないが、あのひとだとわかる。

触れたれば山茶花瞬く間に崩れ  明子
<松風子(人)>
山茶花の一瞬の景が描かれていてよし