第264回桃李一月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:始、鏡、成人の日(不言題)

兼題T 始
兼題U 鏡
兼題V 成人の日(不言題)

1月15日 (月) 投句開始
1月22日(月) 投句締切 翌日選句開始
1月29日(月) 選句締切り 
1月31日(水) 披講

投句: 春愁、素蘭、楽千、素人、松風子、英治、翔河川、明子、秋童子、丹仙
選句: 素人、楽千、英治、翔河川、素蘭、松風子、明子、秋童子、丹仙

披講

・9点句

初鏡背後に戦争立つてゐた  秋童子
<素人(天)>
ゾクッとしますね。

<英治(地)>
本歌取りだが、面白い。

<素蘭(人)>
背後霊か守護霊か…

<丹仙(天)>
夫がいつ戦地に行くかわからぬ妻のこころを詠んだというような、物語性を秘めた句。戦の前を予知するような不安が感ぜられます。


・5点句

始祖鳥の骨格標本冬銀河  楽千
<素蘭(天)>
我等Homo属、氷雪を踏み天に憧れ…

<明子(人)>
はるかな時間と宇宙に思いを馳せて

<丹仙(人)>
「始祖鳥の骨格標本」という硬い表現と「冬銀河」の配合に俳諧味を感じました。

ひふみよと夢に夢説く夢始  丹仙
<英治(天)>
何だか面白い。

<素蘭(地)>
  手毬ころころ転がりて壁

氷面鏡宙に渚のあるといふ  素蘭
<楽千(天)>
天の川の渚であろうか。

<丹仙(地)>
氷面鏡に映し出された幻覚のもつレアリティを「といふ」というさりげない言葉で巧みに表現しています。


・4点句

旅始のっぽに歩調合はせけり  春愁
<楽千(人)>
速足も心うきうき。

<翔河川(天)>
絵が浮かぶ

始めるに日柄のありて二日かな  素蘭
<翔河川(人)>
あすできること

<明子(天)>
改めて二日の意味を思います。


・3点句

大的に向かふ緋袴弓始  丹仙
<素人(人)>
幸あれ。

<楽千(地)>
張りつめる緊張。

蒼穹に描く未来図鐘冴ゆる  素蘭
<秋童子(天)>
とても気持ちの良い句です。


・2点句

石けりの石は空色年始め  翔河川
<松風子(地)>


9条を守ると決めた年始  秋童子
<素人(地)>
改憲の動きが加速しそうです。

なきものの面輪の浮かぶ初鏡  英治
<秋童子(地)>
一瞬、自分の顔が親父に見えたりして。

春近し振袖くるりくるりかな  楽千
<明子(地)>
可愛らしい様子が目に浮かびます。

万華鏡くるくる回し風邪一日  楽千
<翔河川(地)>
手もちぶさた


・1点句

1月の新たな我になるひと日  松風子
<英治(人)>
感慨がある。

道場の凛たる空気弓始  素人
<松風子(人)>


ほつとする人らの仕事始めかな  英治
<秋童子(人)>
何の仕事でしょうか。