第267回桃李四月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:春暁、春昼、春夜

兼題または當季雑詠

兼題T 春暁
兼題U 春昼
兼題V 春夜

4月15日 (日) 投句開始
4月22日(日) 投句締切 翌日選句開始
4月29日(日) 選句締切り 
4月30日(月) 披講 

投句: 楽千、英治、素人、素蘭、秋童子、松風子、翔河川、白馬、明子、丹仙
選句: 楽千、松風子、英治、素蘭、秋童子、翔河川、明子、素人、丹仙

披講

・10点句

遺されし日記の余白春の夜  素人
<松風子(人)>
余白にある情感が伝わります

<素蘭(天)>
  眼閉づれば満天星の花

<秋童子(天)>
しみじみと故人を偲ぶ夜なのでしょう。

<翔河川(人)>
余白の解読

<明子(地)>
辛いながらも春の夜の季語に少し救われます。


・7点句

春昼の阿吽の狛の黙深し  楽千
<松風子(天)>
気だるい春昼のたたずまいが醸し出されています

<素蘭(地)>
変化するのは25時とか…?

<丹仙(地)>
「狛の黙」という言葉に惹かれました。なぜ狛がそこに居るのか、誰も知りませんが、それにもかかわらず存在感がある。


・6点句

春の昼ドア白く塗りメロンパン  翔河川
<英治(天)>
良い感じ。

<素人(天)>
作業も捗ってメロンパンが美味い。

春の夜の森の匂ひの闇深し  明子
<楽千(天)>
五感が様々な気配に感応している、正に春の宵。

<松風子(地)>
春の夜の雰囲気があります

<英治(人)>
臨場感あり。


・3点句

春暁に病室の壁おしだまり  翔河川
<楽千(人)>
闘病の夜は長い。暁を迎えても壁を眺めている。

<素人(地)>
退院はまだ大分先かなあ。ちと不安が募ります。

春暁や座敷童子はもう寝ます  秋童子
<翔河川(天)>
よいっぱりの童子

春昼の卵しつかと立ちにけり  素蘭
<丹仙(天)>
卵のもつ生命力が口調の力強さによって能く表現されています。

水音のとくとくしづか春の昼  松風子
<明子(天)>
水音が聞こえてきて、ゆったりとした気分に浸れました。


・2点句

川添ひの窓に弦歌や春の夜  松風子
<素蘭(人)>
吉井勇を髣髴しますね。

<明子(人)>
懐かしい映画の一場面のようです。

春暁のバス停に立つハイヒール  楽千
<英治(地)>
いかにも春らしい。

春暁や托鉢に出る僧の列  素人
<楽千(地)>
この飽食の時代に托鉢と言う修行に勤しむ人間がいる。

春暁や鉄路の先の宮仕へ  英治
<秋童子(地)>
勤め先はかなり遠そうです。

春昼は夢に夢説く手鞠かな  丹仙
<翔河川(地)>
手鞠の行方


・1点句

春暁や耳底に聴く雨の音  松風子
<秋童子(人)>
夢うつつに雨音が。

春曙猫はどこまで行つたやら  素蘭
<丹仙(人)>
句の軽みに惹かれます。

良寛の詩は春の夜の涙かな  丹仙
<素人(人)>
じっくり読み返したくなります。