第269回桃李六月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:入梅、梅雨晴、紫陽花

兼題T 入梅
兼題U 梅雨晴
兼題V 紫陽花

6月15日 (金) 投句開始
6月22日(金) 投句締切 翌日選句開始
6月29日(金) 選句締切り 
6月30日(土) 披講

投句: 鈴居、春愁、楽千、秋童子、素蘭、素人、松風子、英治、翔河川、明子、丹仙
選句: 楽千、松風子、春愁、英治、秋童子、鈴居、素蘭、翔河川、明子、丹仙

披講

・13点句

武蔵野の湧き水滾る入梅かな  丹仙
<楽千(天)>
水の季節。水の命の生き生きと。

<松風子(天)>
梅雨時のみずみずしい景が感じられます

<英治(人)>
情緒がある。

<素蘭(地)>
桜桃忌に呼応するような趣

<翔河川(地)>
水が太る季節

<明子(地)>
しっかりとした描写だと思います。


・8点句

荒川の鈍く太りて梅雨に入る  翔河川
<英治(天)>
けだるさを感じる。

<秋童子(地)>
「鈍く太りて」に実感がこもります。

<明子(天)>
大きな景色です。


・5点句

紫陽花の道に迷うて修道女  楽千
<春愁(天)>
修道女・・・取り上げるのが新鮮

<英治(地)>
中世の絵画を見る。

紫陽花を分け行く舟のつのかくし  翔河川
<松風子(地)>
船の動きとともに、周囲の紫陽花の様子が見えます

<丹仙(天)>
昔の絵伝を思わせるような、物語を秘めた構図が印象的でした

入梅や鱗生え初む心地して  松風子
<素蘭(人)>
水狂言なら「半魚人」とか「蛇女」とか、、、

<翔河川(天)>
ムシムシ

<明子(人)>
湿度百パーセントの大気の中を泳ぎます。


・4点句

東京の空は真四角梅雨晴間  楽千
<春愁(人)>
確かに

<秋童子(天)>
ビルも住宅も立て込んでいて。


・3点句

紫陽花の青はふる里ポルトガル  丹仙
<鈴居(天)>
紫陽花の青が異国情緒漂うポルトガルの海の青空の青と重なる。

梅雨晴れの瀬に老画家の投網打つ  翔河川
<楽千(地)>
画境、仙人の如し。現代人憧れの晩節である。

<丹仙(人)>
山水画のような構図に惹かれました

干店に紫陽花の鉢神楽坂  明子
<素蘭(天)>
神楽坂から漱石山房へ…時空を超えてブラハイクしたい...


・2点句

紫陽花や即身仏の如く枯れ  秋童子
<鈴居(地)>
即身たる枯れ花を詠むことでより紫陽花の美がイメージされる。

海色のあぢさゐ愛しシーボルト   春愁
<丹仙(地)>
紫陽花の海の青が往昔の国境を越えた愛を偲ばせます

気がつけば音も無く雨梅雨に入る  明子
<楽千(人)>
時の流れの止まる事なく。

<秋童子(人)>
いかにも梅雨らしい雨です。

太陽に虹色の暈梅雨晴間  明子
<春愁(地)>
きれい


・1点句

朝霧に紫陽花香る村の寺  鈴居
<松風子(人)>
紫陽花の群れ咲く景がよくでています

独居老なゐの始末の梅雨晴間  英治
<翔河川(人)>


入梅や無沙汰の友へ手紙書く  素人
<鈴居(人)>
梅雨どきのゆったりした時間に心落ち着く。