第270回桃李7月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:出水、暑、禊

兼題または當季雑詠

兼題T 出水
兼題U 暑
兼題V 禊

7月18日(水)投句開始
7月25日(水)投句締切 翌日選句開始
8月 1日(水)選句締切り 
8月 2日(木)披講

投句: 楽千、英治、素蘭、春愁、鈴居、翔河川、秋童子、松風子、明子、丹仙
選句: 英治、鈴居、秋童子、楽千、春愁、翔河川、松風子、素蘭、明子、丹仙

披講

・12点句

流さるる河童のゆくへ夏水禍  春愁
<英治(天)>
面白い。

<鈴居(地)>
深刻になってしまう状況を少し和らげてくれていて温かい。

<楽千(天)>
河童が流されるほどの豪雨であった。

<翔河川(地)>
河童の川流れ

<丹仙(地)>
泳ぎの達者な河童の行方を気遣うところ、深刻さの中にユーモアがある。


・9点句

 手をかざす人影とおき暑さかな  松風子
<英治(地)>
格調あり。

<鈴居(人)>
陽炎が揺らぐ暑さです。

<明子(天)>
目の前が何もかも白っぽく見えて、現実感のない景色が広がっています。暑い!

<丹仙(天)>
日中の眩暈のするような暑さをよくとらえています。


・7点句

ご破算に出来ぬ人生秋出水  楽千
<春愁(地)>
もう戻れない

<松風子(天)>
出水して家は壊されても人生はご破算にできず、ふたたび立ち上がるしかないのだ、という感慨が伝わります

<素蘭(地)>
“tomorrow is another day”は『風と共に去りぬ』の名セリフですが…


・6点句

平成の御代を見送る禊かな  英治
<鈴居(天)>
安易に口にできませんが、共感してしまいます。

<楽千(地)>
はて新元号が楽しみだ。

<松風子(人)>
平成という時代は、その名に反した時代だった。それも今は静かに見送るひかない、という感慨が伝わります


・5点句

悪しき世の悪事繕う禊かな  秋童子
<春愁(天)>
忖度や口利き、隠蔽ばかり・・・

<松風子(地)>
悪事の限りをつくして、なおそれを繕うための禊とは、許されることではない。

出水川鮒も目高も生き延びよ  翔河川
<秋童子(天)>
人間だけではありません。

<明子(人)>
小さないのちに送るエールです

<丹仙(人)>
人間以外の衆生の命を気遣っているところが印象的でした。


・4点句

出会ふ人ごとに暑さを嘆きたる  明子
<秋童子(人)>
これしかないですね。

<素蘭(天)>
ホンに今年は・・・


・3点句

暑き日の暑き夜半への家路かな  英治
<翔河川(天)>
いつもどこでも暑い


・2点句

大暑かな二人で一つ女傘  楽千
<春愁(人)>
熱々な・・・

<翔河川(人)>
ますます暑い

夏出水瓦礫の町の朝の弥撒  丹仙
<秋童子(地)>
ただただ祈るのみ。

守宮住む家流されし夏出水  翔河川
<明子(地)>
愛着のある家、守宮もいる長く住んだ家を失ってしまった。辛さがひしひしと伝わってきます。


・1点句

イオンまで1キロ潜らん火の禊  鈴居
<素蘭(人)>
  おらが避暑地へ歩く煉獄?

磯長稜人影見えぬ大暑かな  丹仙
<楽千(人)>
この暑さでは人影は見えない。

夏出水二階の窓が船着き場  翔河川
<英治(人)>
たしかに。