第272回桃李九月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:台風禍、敬老日、秋彼岸

兼題または当季雑詠

兼題T 台風禍
兼題U 敬老日
兼題V 秋彼岸

9月15日(日) 投句開始
9月22日(日) 投句締切 翌日選句開始
9月29日(日) 選句締切り 
9月30日(日) 披講

投句: しゐ、楽千、松風子、春愁、英治、秋童子、素人、素蘭、明子、鈴居、丹仙
選句: 楽千、英治、しゐ、秋童子、春愁、素蘭、鈴居、明子、丹仙

披講

・6点句

この星のいよいよ病めり台風禍  秋童子
<楽千(地)>
近年地球がおかしい、この荒れた気候はどうしちゃったのか。

<英治(人)>
異常気象とは言え。

<明子(天)>
温暖化やら何やらで、台風が巨大化してきました。
先が思いやられます。

まだ熱き墓石に水を秋彼岸  しゐ
<楽千(人)>
まだ熱い墓石には情熱の人が眠った。

<秋童子(地)>
いかにも秋のお彼岸です。

<鈴居(天)>
秋の暖かさが心地よい


・5点句

キラキラの洋杖も良し敬老日  素蘭
<楽千(天)>
服装は派手派手が良し、杖はキラキラのステッキが良し。

<丹仙(地)>
実にお洒落な老人の心意気に共感しました。

敬老日妻いそいそと厚化粧  楽千
<春愁(天)>
お元気で何よりです。

<鈴居(地)>
敬老の日も死語になるのか


・3点句

秋彼岸みたらし団子玄米茶  鈴居
<しゐ(天)>
こんなお供えをいただけるのなら、ホトケになる日も楽しみに。

空元気出すも敬老の日ならば  松風子
<素蘭(人)>
演出も妙薬の一つかと…

<明子(地)>
せめてもの意地でしょうか。

しづかなる老いの身ぐるり秋彼岸  英治
<秋童子(天)>
秋のたたずまいに老身1人。

その日とは気づかぬままの敬老日  しゐ
<英治(天)>
社会問題だ。

寺町にまだ日の強し秋彼岸  明子
<素蘭(天)>
実感ですね

もののふの耶蘇の来た道秋彼岸  素蘭
<丹仙(天)>
「もののふの耶蘇」という表現に惹かれました。武士道とキリスト教は、キリシタン時代だけでなく、明治維新後のキリスト者の生き様、彼らの歩んだキリスト者の道をも能く表しているように思いました。彼らにとって「彼岸」は日本の大地的霊性に根ざしながらも、天にいます主への超越をめざしたものとなったでしょう。


・2点句

聖堂に古稀集ひけり敬老日  丹仙
<素蘭(地)>
来し方には紅顔ありて、今。

空澄みて葉も薄化粧秋彼岸  秋童子
<英治(地)>
気分も晴れる。

台風のど真ん中にいま家屋敷  英治
<しゐ(地)>
何事も真っ只中には不思議なコーフンが。

破れ硝子季語にあらねど台風禍  素蘭
<春愁(地)>
破れ硝子・・・面白い


・1点句

Eメールのみのお祝い敬老日  素人
<春愁(人)>
一寸さびしい。

風いつかバロック調に秋彼岸  春愁
<丹仙(人)>
秋風を「ヴィオロンのため息」と表現したのはベルレーヌですが、バイオリンの音色と倶に「バロック音楽の楽しみ」というラジオ番組を担当していた皆川達夫さんの声が聞こえてきました。潜伏キリシタンのオラショのルーツを辿るお話など興味深く聴いたことが思い出されます。

変はるかはる地球よ変はる台風禍  春愁
<しゐ(人)>
星レベルの変化に、ただおろおろするこの頃。

結局はコンビニ弁当敬老日  英治
<秋童子(人)>
これもまた良し。

好物のおはぎを供へ秋彼岸  素人
<鈴居(人)>
父もお萩が大好きでした。

バス停に猫眠りゐし秋彼岸  楽千
<明子(人)>
静けさ、穏やかさに惹かれました。