第275回桃李十二月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:年忘、顔見世、寒椿

兼題または当季雑詠

兼題T 年忘
兼題U 顔見世
兼題V 寒椿

12月15日(土) 投句開始
12月22日(土) 投句締切 翌日選句開始
12月29日(土) 選句締切り  
12月31日(日) 披講  

投句: しゐ、松風子、秋童子、白馬、素蘭、素人、春愁、楽千、実生、丹仙、英治、明子
選句: 白馬、秋童子、鈴居、しゐ、実生、英治、春愁、素蘭、明子、素人、丹仙

披講

・9点句

よく響く庭師の鋏冬椿  しゐ
<秋童子(天)>
心地よい響きが伝わってきます。

<素蘭(天)>
  三畳御殿憚りて咳

<明子(天)>
景がよく見えます。硬質な冬の空気も感じられます。


・8点句

顔見せの寄目を真似て恙無し  楽千
<しゐ(地)>
その顔は顔見世以上に魅力的だったはず。

<春愁(天)>
世は事も無し

<素人(天)>
情景が良く見えます。


・6点句

顔見世のはねて川風先斗町  秋童子
<白馬(天)>
こんな風流な感じが好きです。

<英治(地)>
リズムがよい。

<丹仙(人)>
「はねて川風」というところ雰囲気が良く出ていますね。


・5点句

たんと飲みたんと語りて年忘れ  英治
<しゐ(人)>
忘年会はこうでなくては。

<実生(人)>
たんと飲みたんと語りて、友はいい。

<明子(人)>
これぞ忘年会!

<丹仙(地)>
「たんと」「かたりて」「わすれ」の頭韻のA音が心地よい。

天変の果てに1輪寒椿  秋童子
<白馬(地)>
あちらこちらの天変地異。寒い中に残る一輪の椿。

<英治(天)>
特に今年は色々と。

一枝は手折りて亡父へ寒椿  しゐ
<実生(地)>
私も良く仏壇に。寒椿の赤はあかりの乏しい仏壇には映える。

<丹仙(天)>
「一枝を」でなくて「一枝は」としたところに、作者の亡父への心遣いを感じました。


・4点句

旨さふな月を肴の年忘  しゐ
<実生(天)>
うまそういい表現だ。月を喰うとは今まで思ってもしなかった。

<春愁(人)>
面白い

顔見世の華やぎ町にひろがりぬ  松風子
<明子(地)>
この時期ならではの、日常を少し離れた華やかさです。

<素人(地)>
華やぐ雰囲気が好ましいです。

忘年会大笑いして終わりけり  秋童子
<鈴居(地)>
賑やかささとちょっと寂しい年の瀬

<素蘭(人)>
  カリスマ転けて福と河豚汁?

<素人(人)>
そうありたいですね。


・3点句

海越しに富士見ゆる地の寒椿  明子
<鈴居(人)>
富士はどの様でも絵になる

<春愁(地)>
きれい

寒つばき首うちそろへ刑を待つ  英治
<しゐ(天)>
その首はあくまで静かに美しい。

慎独といふ美しき徳寒椿  丹仙
<白馬(人)>
「慎独」良い言葉ですね。

<素蘭(地)>
  茶坊主いぬる冬ざれの街

庭掃除ぽつんと落ちて寒椿  実生
<鈴居(天)>
寒そうで鮮やか


・2点句

蹲に一枝おかる寒椿  素人
<秋童子(地)>
良き風情です。


・1点句

寒椿いや増す紅き命かな  白馬
<英治(人)>
巧みである。

忘年は無し胆振にも陸奥も  楽千
<秋童子(人)>
被災地の師走。寒さが一段とこたえます。