第279回桃李4月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:残花、令和、復活祭(不言題)

兼題または当季雑詠

兼題T 残花
兼題U 令和
兼題V 復活祭(不言題)

4月15日(月) 投句開始
4月22日(月) 投句締切 翌日選句開始
4月29日(月) 選句締切り  
4月30日(火) 披講    

投句: 白馬、素蘭、しゐ、鈴居、松風子、楽千、実生、素人、翔河川、英治、秋童子、春愁、明子、丹仙
選句: 楽千、しゐ、英治、実生、素蘭、松風子、白馬、春愁、翔河川、秋童子、明子、丹仙

披講

・7点句

残る花沈みそこねた月の色  しゐ
<楽千(天)>
美しくも哀しくも。

<翔河川(天)>
花が沈むのか月が沈むのか

<明子(人)>
不思議な味わいの句ですね。


・6点句

春の色卵に絵筆走らせて  明子
<楽千(地)>
この卵、何色になる?

<英治(人)>
復活祭らしい。

<春愁(人)>
赤青黄色に染められて

<丹仙(地)>
情景が鮮やかに眼前に浮かびます。気負わぬ自然な詠みぶりが印象的。

飛花残花あの丸帽よ角帽よ  春愁
<松風子(天)>
青春の一コマが思い出されて、懐かしくも甘酢っtぱい感慨がわき起こる

<秋童子(天)>
遥かなる青春讃歌か。はたまた戦陣に散った学徒への惜別か。季語を重ね、帽子を重ね。心に残る句です。


・5点句

炎上の果ての聖堂風光る  松風子
<白馬(地)>
無残な状態の中にも平穏な未来がある事を祈って。

<丹仙(天)>
いかに壮麗偉大な文化遺産であっても、形あるものは崩壊と炎上を免れませんでしたが、春の風は新たなる創造の息吹。廃墟のなかの希望の光。

原罪は原罪のまま花降れり  楽千
<素蘭(地)>
仏教でいうところの涅槃のような

<白馬(天)>
我が身を振り返ってみると、原罪の意識が---。

自動ドア残花ひとひら迷い込み  翔河川
<実生(天)>
桜、桃、山吹ですか。自動ドアで見つけるなんて。一人であけたのかな、それとも二人で。二人で見つけたら、微笑んだかな。

<松風子(地)>
ドアに紛れ込む残花ひとひらが目に見えます

残る花遠くへ行く子の笑顔かな  白馬
<しゐ(天)>
追いかけて、もう一度抱いてやりたい衝動は抑えて……。

<翔河川(地)>
作り笑いなのか


・3点句

吾子救ふ藤の花房獄の窓  丹仙
<素蘭(天)>
藤の花房が呼び起こす追想の念
子規の連作短歌もオーバーラップして…

灰燼に連なり祈るパリの春  英治
<秋童子(人)>
衝撃のパリ市民たち。

<明子(地)>
本来の復活祭の意とは異なるのでしょうが- - -

キーン氏の不在しみじみ残花揺る  しゐ
<明子(天)>
桜がふさわしい方かと思います。

外堀を埋め内堀を埋め残花  素蘭
<英治(地)>
いよいよの感じ。

<松風子(人)>
何かしら寓意が感じられ句

ふたたびの別れなき道残花して  松風子
<英治(天)>
しみじみとする句。

平成の皿に令和のカレー盛る  英治
<楽千(人)>
日常は日常のまま時代は代わる。

<白馬(人)>
御代代わりを端的に詠みましたね。

<翔河川(人)>
30年ぶり

30年ぶり

令和見ず桜満開知友去る  実生
<春愁(天)>
人の世の世代交代・・・


・2点句

水源の山に出会ヘる残花かな  明子
<秋童子(地)>
新緑の奥多摩で、同じ体験をしてきました。

葉隠れの密かな宴残花かな  秋童子
<しゐ(地)>
人々の去った夕暮れの桜の梢……あの葉陰では花たちの宴が繰り広げられていたのですね!

バス停のベンチにひとつ残り花  翔河川
<実生(地)>
この句も見つけるだけで素晴らしい。こんな句つくりたいな。

未練とも健気ともみゆ残花かな  素人
<春愁(地)>
咲き急ぐ散り急ぐ花・・・


・1点句

告げること告げて残花の道に入る  英治
<丹仙(人)>
「残花の道」という表現に惹かれました。

春の泥洗足式の夜を待つ  丹仙
<しゐ(人)>
内なるものを、春の泥に例えたところに作者の真摯な姿を感じました。

令の字に馴染めぬ令和春愁  明子
<実生(人)>
本当に馴染めない。

令和来てライダースーツでいざ行かん  鈴居
<素蘭(人)>
昔取った杵柄、とはいえ過信は×