投句: | 旅遊、碁仇、暁星、香世、渓美、涙笑、葉子、重陽、木菟、悠久子、省吾、楽人、雲外、富章 |
選句: | 葉子、雲外、旅遊、木菟、香世、涙笑、楽人、重陽、松、悠久子 |
濁り酒捨てし故郷のふと見えて 葉子
あけび熟れ内緒のことを聞きし夜 香世
落暉いま峠の芒燃えたてり 旅遊
だれ一人子は帰らずに盆がきて 葉子
秋刀魚焼く父の威厳は腹に在り 碁仇
赤い羽根かんざしのごと髪刺す娘 香世
新酒一本いささか酔ひて持帰る 悠久子
欺かれ故あることと寝待月 重陽
さわやかに父を越えゆく子の背丈 渓美
夫あり子もあり女の秋しぐれ 木菟
饒舌となりし姉妹のにごり酒 渓美
霜降や座る人なき椅子二脚 葉子
紅き菊ちぎりて笑ふ二才の子 悠久子
新酒酌む諸味つぶやく蔵の内 楽人
秋の空窓枠ほどの水彩画 省吾
嫁きし子の部屋の広さや秋の雲 渓美
長い夜にふたりで交す無言酒 省吾