第282回桃李7月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:夏の山、夏の海、夏料理(不言題)

兼題または当季雑詠

兼題T 夏の山
兼題U 夏の海
兼題V 夏料理(不言題)

7月15日(月) 投句開始
7月22日(月) 投句締切 翌日選句開始
7月29日(月) 選句締切り  
7月31日(水) 披講 

投句: 素蘭、松風子、しゐ、春愁、楽千、鈴居、翔河川、英治、素人、丹仙、秋童子、明子
選句: 鈴居、春愁、しゐ、松風子、秋童子、英治、白馬、素蘭、実生、素人、翔河川、明子

披講

・11点句

夏の海流木にある骨の色  楽千
<しゐ(地)>
「骨の色」にどきっとします。

<実生(天)>
気持ち悪いけど、心に残る。自然にさらされるとあらゆる生物は骨の色に。

<素人(人)>
確かにそんな風にも見えます。

<翔河川(地)>
乾いた白色

<明子(天)>
季節は違いますが、どこか三鬼の句を連想させます。


・8点句

祖母に似し太き指もて胡瓜もむ  しゐ
<白馬(地)>
母の手より、祖母の手により多くの思い出がある。

<素蘭(人)>
ごっつい手とか足とか…

<素人(地)>
感慨にふけることも多くなってきました。

<翔河川(天)>
料理も指も受け継いで


・6点句

お造りは硝子の器冷し酒  明子
<春愁(人)>
涼しさがいっぱい

<秋童子(人)>
これはたまりませんね。酒も進みます。

<白馬(人)>
お造りもお酒もより一層美味しい♪

<素人(天)>
涼しさの演出とも言えます。

軍艦あまた水底に秘め夏の海  しゐ
<秋童子(天)>
日本近海から遥か南太平洋まで。海底は鎮魂の場でもあります。

<英治(天)>
・塚本邦雄の「海底に夜ごとしづかに溶けゐつつあらむ。航空母艦も火夫も」を思わせる。


・5点句

谺するハーケンの音夏の山  素人
<春愁(地)>
夏山の、さわやかさ

<素蘭(地)>
静寂と瞑想の錯綜する境地でしょうか?

<明子(人)>
あの音は、ハーケンが歌うと形容していたような・・・


・4点句

あはれ夏零るる沙よ死者の海  素蘭
<しゐ(天)>
海と空が明るければそれだけ、胸の翳りは深まって、死者への思いがつのる。夏。

<英治(人)>
実感である。

饗膳やカットグラスのとりどりに  素蘭
<春愁(天)>
夏の贅沢なおもてなし・・・

<松風子(人)>
カットグラスの涼しげな色合いにもられた夏料理の清涼感が出ています

渓流をあぐらの下に夏料理  英治
<秋童子(地)>
京都・貴船の川床でしょうか。涼味満点。下界の暑さを忘れる食卓です。

<実生(地)>
京都行ったの。お尻冷えないように。

ここからは私のふるさと夏山路  しゐ
<白馬(天)>
久し振りに故郷を訪ねた。学生時代の帰省を思い出しつつ。

<実生(人)>
楽しそう。連れ合いにもう私の故郷だから先行くよ、頑張ってね。なんて会話が聞こえそう。

夏の海帆船は帆をふくらます  素人
<英治(地)>
気分のよい句。

<明子(地)>
夏の海の豊かさを感じさせてくれます。


・3点句

静かなる夏山下りバス乗り場  翔河川
<鈴居(天)>
山登りの清々しさ、ワクワク感がでてますね。

砂の城崩し引き行く夏の海  翔河川
<素蘭(天)>
精根込めて造りあげた砂のお城が…
通過儀礼のような夏の一齣。

夏の海白き波間を這うタンカー  鈴居
<松風子(天)>
広々とした夏の海の景が見えます。涼しい風さえ感じます


・2点句

夏山や天空翔る槍穂尾根  秋童子
<松風子(地)>
北アルプスの名峰の数々が目に見えます

箸置きもガラスに替えて夏料理  秋童子
<鈴居(地)>
涼しそう


・1点句

丑の日の鰻重を待つ長い列  素人
<鈴居(人)>
食べたいので1票

自転車も乗せて夏野の登山バス  春愁
<翔河川(人)>
のどか

戸を引けばいかにも朝の夏の山  英治
<しゐ(人)>
遠く蜩も鳴いて。