第285回桃李10月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:渡り鳥、冷まじ、台風禍

兼題または当季雑詠

兼題T 渡り鳥
兼題U 冷まじ
兼題V 台風禍

10月15日(火) 投句開始
10月22日(火) 投句締切 翌日選句開始
10月29日(火) 選句締切り  
10月31日(木) 披講     

投句: 鈴居、白馬、楽千、しゐ、素蘭、秋童子、春愁、実生、英治、翔河川、明子、丹仙
選句: 楽千、しゐ、鈴居、素蘭、秋童子、英治、春愁、実生、翔河川、明子、丹仙

披講

・9点句

冷まじや予後の錠剤白湯で呑む  楽千
<しゐ(天)>
「冷まじ」は初めて知った季語で、私にはとてもとても難しかったのですが、この句はまさに語意にかなった景色と思いました。予後をどうぞお大事にお過ごしください。

<素蘭(地)>
白湯にほっこり。。。

<春愁(地)>
薬有っての命です。予後お大事に

<明子(地)>
心持ちが伝わります。


・7点句

冷まじや町ひと呑みに泥の海  秋童子
<楽千(天)>
正に泥が主役の台風一過であった。

<素蘭(人)>
今更ながら自然の暴威、、、

<春愁(天)>
年々酷くなる様、まさにすさまじや・・・です。


・6点句

冷まじや泥に埋もれし人、草、木  しゐ
<鈴居(天)>
言葉がない状況です

<英治(地)>
実感がある。

<丹仙(人)>
「人、草、木」と「、」で切ったところに水害のすさまじさにたいし、息をのむ作者の呼吸を感じました。


・5点句

大利根に渡しの跡や鳥渡る  楽千
<素蘭(天)>
坂東太郎の秋ですね。

<英治(人)>
景が見える。

<実生(人)>
義侠の人を思い出したくなる。誰かな、子母沢寛の小説の主人公。

被災者と被災動物台風禍  翔河川
<楽千(地)>
愛するペット達は避難所で受け入れただろうか。

<明子(天)>
人はもちろんですが、映像を見るたびに動物たちのことも心配です。ペットのことも河原の狸やネズミのこともーー

渡り鳥動画を送ってくれないか  鈴居
<しゐ(地)>
映画「Wataridori」をもう一度スクリーンで観たくなりました。

<翔河川(地)>
鳥瞰映像

<明子(人)>
楽しい句ですね。私も大きな景色を見てみたいです。


・4点句

法王の来日近し鳥渡る  しゐ
<鈴居(地)>
渡り鳥が時代の流れを見てきたのでしょうか。

<丹仙(地)>
11月末に来日されるフランシス法王は、アルゼンチンへのイタリア移民の子孫、ご自身も大地のあらゆる場所を巡礼する「旅する人」homo viator でした。


・3点句

明け方のタオルケットや冷まじき  鈴居
<実生(天)>
15号台風通過後の明け方、あー毛布が欲しい、面倒だなあと。猫が飛び込んできて解消。とってもこの句を経験。

斑鳩に天飛ぶ迦楼羅鳥渡る  素蘭
<丹仙(天)>
肉眼で見る渡鳥に神話の迦楼羅を見るところ、幻想的であるにもかかわらずリアリティを感じました。しかも「斑鳩」の文字と音の響きに、迦楼羅鳥が呼応して、句に勢いがあります。

句会ひとつ流れてけふの台風禍  英治
<秋童子(天)>
なるほどこれも台風禍ですね。

冷まじき夕闇に笑む集金人  英治
<翔河川(天)>
謎の笑み

鳥渡る「KOBAN」といふ万国語  春愁
<英治(天)>
途中で道を聞くか。


・2点句

一夜さの鳴動耐えし台風禍  春愁
<実生(地)>
隣の妻や猫はすやすや寝ているけど、大雨災害を知る私は寝られない。耐えしの心の様良く分かります。

鳥渡る外海に天主の御堂立つ  丹仙
<しゐ(人)>
外海の教会のあの静かなたたずまいを思い出し、胸がしーーーんとしました。あのあたりを渡るのは、どんな鳥たちなのでしょう。

<春愁(人)>
景が見え、美しい

避難所に宙を蹴りつつ赤子笑う  しゐ
<楽千(人)>
赤子の姿に人心がいっとき和らぐ。

<翔河川(人)>
周りも癒されて

防災に余る天災颱風禍  素蘭
<秋童子(地)>
これまでの備えでは、もう役にたちません。


・1点句

異国にてスクラム救助台風禍  丹仙
<秋童子(人)>
カナダ代表の好プレーでした。

お茶の間で口開けてみる台風禍  楽千
<鈴居(人)>
これが現実かなあ