第294回桃李7月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:出水、将棋、GoToトラベル(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 出水
兼題U 将棋
兼題V GoToトラベル(不言題)

7月16日(木) 投句開始
7月23日(木) 投句締切 翌日選句開始
7月30日(木) 選句締切り  
7月31日(金) 披講   

投句: 鈴居、風子、楽千、素蘭、しゐ、水、春愁、素人、実生、英治、翔河川、秋童子、明子、寿美子、丹仙
選句: 楽千、風子、英治、寿美子、春愁、実生、秋童子、素人、しゐ、鈴居、水、翔河川、明子、素蘭、丹仙

披講

・13点句

一村の人の無口や出水跡  英治
<楽千(地)>
ただただ呆然とするのみ。

<しゐ(天)>
精一杯の無言。

<鈴居(天)>
悲惨の一言

<水(天)>


<素蘭(地)>
無念で疲れ切って、でも淡々と事後処理にあたる村人


・12点句

江戸の町出入り御法度油照  秋童子
<風子(天)>
何をしでかしたか<出入り御法度>、コロナの事ですよ〜って後世に伝えたい。
切羽詰まった<油照>が的確に現状を伝えている。東京を東京と言わずに江戸と
時代劇的に物語るところも魅力です。

<寿美子(天)>
令和の東京が一気に江戸にすり替わる
遠山の金さんの花吹雪ならぬ油照り

<春愁(人)>
東京を避けて夏の旅

<しゐ(地)>
「江戸」と言った途端に、別の空間で起きていることのように思えてくるのが不思議。

<翔河川(天)>
なんだかね


・8点句

棒アイス手に手に囲む詰め将棋  英治
<楽千(人)>
熱くして和気あいあい。

<春愁(天)>
懐かしき少年期!!

<実生(地)>
溶けちゃうよ。アイスが。神聖なんだよ将棋盤は、藤井くんはきっと手に手に囲みながら修業、もしかしてあずきアイスかもね。おいしいよ。

<秋童子(地)>
懐かしい昭和の風景です。


・7点句

へぼ将棋ざる碁で楽し夕端居  素蘭
<春愁(地)>
同感です

<素人(天)>
そうです。外出自粛でしのぎましょう。

<明子(地)>
この楽しさ、このぬくもりをコロナは奪ってしまうかもしれません。


・6点句

天井をマス目に将棋梅雨籠り  春愁
<英治(地)>
そんな時も。

<寿美子(地)>
将棋愛好者ならではの一句
納得です

<水(人)>


<丹仙(人)>
負け将棋の悔しさがつたわります。


・5点句

Stay! Go! 号令ばかり増えて夏  しゐ
<秋童子(天)>
号令をかけるだけ。責任はとりません。

<素人(地)>
確かに号令で喧しい。朝令暮改も感じます。


・4点句

川からす早瀬の石を桂馬飛び  寿美子
<風子(地)>
川鵜を見れば<桂馬飛び>と閃く、言葉の斡旋に脱帽。軽やかで気持ちが解れます。
惜しまれるのは<河烏>は春の季語。川鵜ではないと思います。

<水(地)>


方舟の乗り場よいずこ梅雨出水  春愁
<寿美子(人)>
水の地球が水浸し、人類救済の方舟を!

<明子(天)>
あまりの出水の勢いに祈りにも似た言葉が口を衝きます。

絽の羽織着て軽やかに若き棋士  明子
<風子(人)>
その通りでした。テレビに映るこのヒトコマは忘れがたい。特に<絽の羽織>が印象的でした。

<丹仙(天)>
若き天才棋士が初タイトルを取った時の姿が目に浮かびます。


・3点句

一歩出す足掬われて男梅雨  風子
<素蘭(天)>
出足を挫く出水に伝播、、、、、、、、

夏衣その棋士の指の細きこと  しゐ
<楽千(天)>
天才のこの細き指の威力よ。

八代亜紀聴いて出掛ける夏の旅  楽千
<実生(天)>
雨、雨降れ降れもっと降れ、私のいい人連れてこいかなぁ。それとも、お酒はぬるめの燗がいい。さかなは炙ったイカがいい。かなぁ。どこ行くの、誰と行くのと聴きたくなる。

惑星の水暴れ出す梅雨出水  楽千
<英治(天)>
水の惑星と呼ばれる地球。.


・2点句

患者数のグラフ横目に夏の旅  明子
<鈴居(地)>
いいとか悪いとか言えない時代になったと思う。

夏籠や穢土にコロナの疫ありて  素蘭
<丹仙(地)>
夏籠や穢土という言葉が、コロナ禍によって新しい意味を帯びてきて、家の外に出られない時期が一種の修業期間となりました。

ネットにて旅行三昧夏の籠もり  丹仙
<明子(人)>
結局のところこれが一番現実的です。

<素蘭(人)>
booking-free、stress-free、trouble-freeのNo密travel?

水くぐる鳥楽しげに出水川  風子
<翔河川(地)>
ひとの不幸をよそに


・1点句

「命しか残らなかった」と出水あと  しゐ
<実生(人)>
毎年、いつも出水が報道される。中学生の頃裏山が崩れた。ドカンという大きな音で家が半壊した。自室に閉じ込められ、外から父が窓をこじ開けてくれた。数日前、同年のタマが亡くなっていた。居なくて良かったと。命しか、辛いけど。今でも怖い。

稲びかり飛車成捨てし詰め将棋  丹仙
<素人(人)>
時には発想を変えて捨て身の作戦も必要。

官僚の浅知恵民の怒る夏  素人
<秋童子(人)>
また感染が拡大してしまうのに。

17歳未知の高みへ夏将棋  秋童子
<鈴居(人)>
彼の一言一言は本当に隙がなく聞いていて気持ちいい。暗い話が多い中ほっとさせられる活躍だ。

ステテコの親父ひとりの将棋うつ  風子
<翔河川(人)>
縁台かな

負けました唇をかみ夏果てる  素人
<英治(人)>
敗者にもそれなりの。

ままならぬ治山治水や梅雨出水  素蘭
<しゐ(人)>
広葉樹林を針葉樹林に替え、多くの反対をよそに造り続けてきた数々のダム、、、「ままならぬ」ことばかり。