第296回桃李9月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:休暇、秋雨、鰯雲

兼題または当季雑詠

兼題T 休暇
兼題U 秋雨
兼題V 鰯雲

9月15日(火) 投句開始
9月22日(火) 投句締切 翌日選句開始
9月29日(火) 選句締切り  
9月30日(水) 披講     

投句: しゐ、素蘭、寿美子、春愁、実生、楽千、鈴居、風子、英治、秋童子、翔河川、水、明子、素人、丹仙
選句: 寿美子、しゐ、秋童子、水、実生、風子、春愁、英治、翔河川、鈴居、明子、素蘭、丹仙

披講

・7点句

子に告げぬかなしみもあり秋の雨  しゐ
<秋童子(天)>
心に沁みる一句です。

<英治(地)>
いんみりとする。

<鈴居(人)>
状況は解りませんが、気になる句でしたので。

<丹仙(人)>
自分一人の胸に秘めておくべき事柄を秋雨を背景に配した句。その悲しみを共有できるひとが、もはやこの世にいなくなってしまったという「もうひとつの悲しみ」を感じました。

秋刀魚焼く育児休暇や割烹着  楽千
<寿美子(地)>
育児休暇もありますね
臨場感が魅力的です

<水(天)>
割烹着は健やかな幸福感の象徴です。多忙で苦しくても。

<英治(人)>
その調子。

<素蘭(人)>
割烹着を着たアノ方は今? なんて下世話なハナシはさておき、
新型コロナ・パンデミックの渦中にあって、リケジョを煽り、神戸のピンク・ラボを演出した、メディアの安直さに、旬の秋刀魚焼きながら、深く思いを致すなら、絶好の育自休暇とも、、、、、、、、

つま先の先の遠さやいわし雲  鈴居
<実生(地)>
つま先のさらに遠くに、どこの峠を歩いていたのか、さっと眺望が開けて鰯雲を見た。新海さんの映画みたいに。

<英治(天)>
下を見て上を見て。

<翔河川(地)>
歩く指令が届かない


・5点句

グラウンド・ゼロの陳述鰯雲  素蘭
<しゐ(人)>
ドキッとしました。

<風子(人)>
2001年の9.11事件、ニューヨークのワールドトレードセンター崩壊は脳裏に焼きついています。なかなか一句にするのは難しい。今更何を言っても仕方がない人間の愚行。陳述はともあれ鰯雲はひびきます。

<明子(天)>
季語の鰯雲で、一気に句が大きく広がりました。

ステッキは父の形見や鰯雲  楽千
<寿美子(天)>
鰯雲に父への様々思いがの託されて素敵です

<丹仙(地)>
鰯雲を仰ぎつつ歩みを続けて行く作者と父との「同行二人」のようなつながりを感じました。

走れ走れウーバーイーツ秋黴雨   春愁
<水(地)>
宅配の若者は、われわれ老人にはありがたい。

<翔河川(天)>
雨にも負けず


・4点句

秋雨や学童保育は灯ともして  明子
<しゐ(天)>
雨の夕暮れ。早ばやと灯りをともす窓の中も、外も、同じく寂しい。

<秋童子(人)>
みんな、外はもう暗いよ。気をつけて帰ってね!

休暇果つ先達の説くひも理論  素蘭
<春愁(人)>
超ひも理論・・・よく分からないけど

<丹仙(天)>
休暇が終わり、理論物理学を専攻する学生が、新学期をむかえて最先端の「ひも理論」(超弦理論)に挑戦しようとしている状況でしょうか。先人を乗り越えていこうとする気概に共感しました。

聞法の旅は何処まで鰯雲  丹仙
<秋童子(地)>
まだ遥かに遠し、でしょうか。

<明子(地)>
仏法を追い求める旅は鰯雲に導かれるように・・・


・3点句

仰ぎ見る空いっぱいに鰯雲  素人
<鈴居(天)>
清々しい。

秋雨や棋士は盤より眉揚げて  丹仙
<実生(天)>
長考の、そろそろ封じてをと、ふと雨音に気づく。集中・集中と諌める自分も居て。

地にありて無縁仏に鰯雲  英治
<素蘭(天)>
この句と〔29]大漁を鰯雲見て思い出す の句は微妙に響きあう。

まだほてり残りゐる街休暇明け  明子
<春愁(天)>
残暑はつづく

冥土まで休暇が続く彼岸花  実生
<風子(天)>
課題の<休暇>をこのように扱われた。素晴らしい。彼岸花が冥土まで続いているような
一本の道が見えてくる。 この<休暇>をいかに生き抜くか。


・2点句

秋の雨五百羅漢の泣き笑ひ  素人
<素蘭(地)>
泣き上戸笑い上戸の濡れ仏たちが雨に濡れ、泣いているのか笑っているのか…

秋雨に大根の苗間引きする  実生
<しゐ(地)>
幼い大根の葉裏に、土がはねかえるのを気遣いながら。ただ黙々と。

鰯雲アナログ居士で生きてゆく  春愁
<風子(地)>
<アナグロ居士>が惚けている。デジタル時代の世相に置いてきぼりされた感じが上手く表現されている。

ディスタンスなほ保たれて休暇明く  英治
<春愁(地)>
コロナ禍いつまで

翔猿や猿飛のごと秋土俵  水
<鈴居(地)>
見てて楽しくなる相撲でした。

持て余す夜の深さや秋休み  しゐ
<水(人)>
悶々の秋ですね。ラジオの「深夜便」でいくらか癒されます。

<実生(人)>
もてあますことはないけど、虫の音を聞いていると頭の芯にシーンという音が聴こえる。明日の予定もないし。


・1点句

鰯雲資材置場に山羊飼はれ  明子
<寿美子(人)>
どうしてなのと山羊に聞いてみたい
想像のふくらむ句

トラウマを持つ子と暮らし秋の雨  楽千
<明子(人)>
秋の雨の持つ重さのようなものが伝わって来ます。

鼻唄は今日も寅さん鰯雲  しゐ
<翔河川(人)>
無意識に