第297回桃李10月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:朝寒、野菊、小鳥

兼題または当季雑詠

兼題T 朝寒
兼題U 野菊
兼題V 小鳥

10月21日(水) 投句開始
10月28日(水) 投句締切 翌日選句開始
11月 4日 (水)  披講

投句: 鈴居、楽千、しゐ、寿美子、素蘭、風子、万歩、秋童子、水、実生、翔河川、英治、明子、白馬、春愁、素人、丹仙
選句: 春愁、鈴居、風子、楽千、白馬、素人、しゐ、秋童子、寿美子、素蘭、英治、万歩、実生、明子、翔河川、丹仙

披講

・8点句

行間に意を酌むこゝろ野紺菊  素蘭
<春愁(地)>


<風子(天)>
野紺菊は思慮深い女性を彷彿させる。

<丹仙(天)>
間の美学という日本の文化的伝統を野紺菊の佇まいで具象化したところに感心しました。

空深きゆえに寂しき野菊かな  万歩
<秋童子(地)>
野菊がかもし出す雰囲気が伝わります。

<英治(地)>
趣が。

<明子(地)>
納得!

<翔河川(地)>
抜けるような空と

シドッチの碑に寄り添へる野菊かな  丹仙
<鈴居(天)>
音がよい🎵

<寿美子(地)>
悲運の宣教師シドッチへのおもいが
野菊に託されている

<明子(天)>
これ以上相応しい花はないと思います。


・7点句

仕合はせは斯くも平凡花鶏くる  春愁
<楽千(天)>
戦争をしていないと言うだけで良い。
平凡は最高!!

<素蘭(地)>
スズメ目花鶏・・キイキイ声の鵯じゃなく、、、

<丹仙(地)>
平凡の中に何事か神話的なものを感じます。非凡なる平凡が味わい深い。


・5点句

朝寒や振鈴の僧走りゆく  丹仙
<素蘭(天)>
修行道場の、暁!!!

<万歩(地)>
冷え切った朝寒の光景が出ています

朝寒や夫の得意の目玉焼  風子
<楽千(地)>
この得意技が家族の絆。

<寿美子(天)>
朝寒と目玉焼の取り合わせ
幸せが目に見えるようです


・4点句

朝寒し含嗽ララララ♯して  春愁
<秋童子(天)>
こんな詠み方があったとは! うがいの途中で転調。朝から何だか楽しそうです。

<丹仙(人)>
洗練された軽みが、夏目漱石の「猫」の教師を思い出しました。

朝寒や窓の曇りを袖で拭き  明子
<鈴居(地)>
よくあります。

<素人(地)>
あるある感に一票。

じわりまた物言えぬ世に朝寒し  秋童子
<素人(天)>
安倍政権の継承だと言ってますから。

<英治(人)>
世間が窮屈に。

二歳児のパワーはつらつ野菊晴れ  春愁
<素蘭(人)>
たくましく育ってほしい。。。

<実生(天)>
家の前の野原で孫が踊っている。じいと呼ばれてもはつらつにはなれないけど。

野菊咲く辺りに過去のひとと遇ふ  英治
<白馬(天)>
偶然か、約束してか。

<秋童子(人)>
ふと過去の面影が浮かぶ。それも野菊ならではなのでしょう。


・3点句

明け暮れを自粛の庭に小鳥くる  寿美子
<風子(地)>
何処にも行けず、家に篭る生活が続ています。そんな時、庭に
小鳥が来てチュンチュンないてチョコチョコ動いてくれると、慰められます。

<万歩(人)>
コロナ禍であろうとも自然は変わらずに移り変わってゆく。小鳥来る姿もそのひとつ。

川風に野菊吹かるる二七日  寿美子
<英治(天)>
追悼の情感が。

小鳥来て終の住家を賑はせり  楽千
<万歩(天)>
「終の住家」に侘しさと、それを小鳥が賑わせているという、感慨深い句

小鳥来る愚生の庭の朝まだき  素蘭
<春愁(天)>


小鳥来るコロナ疲れの都会にも  秋童子
<楽千(人)>
何時まで続くこのコロナ、五輪は大丈夫か。

<寿美子(人)>
小鳥が来て山がよそおってコロナの収まる日は何時なのか?

<明子(人)>
どんな時にも小鳥たちはきてくれます。

何となく親しき素振り小鳥来る  風子
<春愁(人)>


<素人(人)>
なんとなく一票入れる羽目に。

<しゐ(人)>
今年もまた冬を共に過ごしてくれる小鳥たちの気配が、すぐそこに。

背後より白髪ほめられ野菊晴  風子
<翔河川(天)>
ちょっといい気分

目を凝らし草刈り残す野菊かな  実生
<しゐ(天)>
野菊を刈り残すその鎌先のなんと優しいこと。


・2点句

うれしさは雨上がる日に来る小鳥  万歩
<実生(地)>
あ、小鳥が鳴いていると気がつくと必ず雨は上がっている。日差しさ差し込んで、嬉しくなる。今日のお天気も。

老母の止まぬ繰り言小鳥来る  しゐ
<白馬(人)>
小鳥を見て、和む心。

<翔河川(人)>
ハイハイと聞いている

小鳥来て痴呆の母の眼の和む  素人
<白馬(地)>
まだ一筋の正気が。

友送る野菊一叢揺れ止まず  明子
<しゐ(地)>
友の姿は小さくなり、もう振り返ることもない。心細げな日差しの中に揺れる野菊と、見送る人の少し寂しげな姿が浮かんできます。


・1点句

朝寒や声澄みわたる鳥見えて  万歩
<風子(人)>
空気がピリリとして小鳥の声が澄んで聞こえる。

朝寒や祭男は所在なく  しゐ
<実生(人)>
三社祭もコロナで延期、神輿も担げない。祭りは初夏でなくてはと父が生きていればため息ついただろう。

かすみ目や「小鳥」が「小島」に見える老  水
<鈴居(人)>
ホントによくあります。