第298回桃李11月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:冬来、落葉、麦蒔

題詠または当季雑詠

兼題T 冬来
兼題U 落葉
兼題V 麦蒔

11月15日(日) 投句開始
11月22日(日) 投句締切 翌日選句開始
11月30日 (月)  披講

投句: 春愁、楽千、しゐ、万歩、秋童子、素蘭、寿美子、明子、英治、翔河川、素人、風子、丹仙、実生
選句: 素人、しゐ、英治、実生、春愁、秋童子、万歩、翔河川、鈴居、寿美子、素蘭、明子、丹仙

披講

・7点句

落葉踏む我が終末の軽ろき音  楽千
<しゐ(地)>
読んだとき、胸の奥に一瞬、静かな波が立つようでした。

<英治(人)>
たしかに。

<万歩(天)>
老いの感慨がうまく表現されています

<丹仙(人)>
「軽き音」に味わいがありますね。終末論的平常底の心。

長々と麦蒔く影や大落暉  春愁
<万歩(地)>
鮮やかな景が見えてきます

<素蘭(天)>
ジャン=フランソワ・ミレーの世界さながら

<丹仙(地)>
景の雄渾さに惹かれますね。


・6点句

石段に影屈折し冬来たる  楽千
<春愁(天)>
石段に長々と

<寿美子(天)>
吟行もできなかったこの一年四季の移ろいは不易
身ほとりの冬を読み取られて素敵❣

さくと踏みしくと音して落葉かな  寿美子
<実生(天)>
さく、しばらく聴いたことがないけど、どんな落ち葉がどんなさくの音を奏でるのだろう。

<秋童子(天)>
100分の1秒差の音の違いを詠むとは!

蕉翁にゆかりの紫麦を蒔く  寿美子
<鈴居(天)>
紫がよい

<丹仙(天)>
岡潔は芥川の紫の火花にインスピレーションをかんじましたが、芭蕉の蒔いた紫の麦こそは、失われた蕉風俳諧の復活を象徴するものとなるでしょう。


・5点句

狼藉の跡にも見えて朴落葉  明子
<しゐ(天)>
枯れ落ちてなお、あの色と大きさは心に迫ります。散り落ちる時の音もまた。

<英治(地)>
面白い。


・4点句

落葉掻く異人司祭に道を問ふ  丹仙
<春愁(地)>
日常の冬の景を素直にとらえている

<素蘭(地)>
そんな朝もありかと…

落葉ふみ早稲田の杜の喫茶店  風子
<素人(天)>
6銀杏も転がっていてちと歩き難い面もあります。

<明子(人)>
ガロの懐かしい歌を思い出しました。

血の色の夕陽に向い麦蒔けり  楽千
<英治(天)>
臨場感がある。

<寿美子(人)>
麦蒔いて菜を育て命をつないだ昔がありました

人影のうすくなる町冬来たる  万歩
<春愁(人)>
冬の夕、往来の人、だんだん少なくなって

<明子(天)>
冬の日は力なく、影のコントラストも弱くなります。
人の存在感もあやふやな感じで、確かに冬が来ています。


・3点句

大壺に硬き影添ひ冬に入る  明子
<翔河川(天)>
太陽が低くなって

今朝七時までの落葉をごみに出す  英治
<秋童子(人)>
ギリギリまで集めて出して。その気持ち、よくわかります。

<翔河川(地)>
とめどなく


・2点句

切りもなき時のかけらや落葉掃く  万歩
<寿美子(地)>
街道に沿う我が家もまさにこの通り
時の欠片と思えば心してはきましょう

子供らが落葉すくいてばらまいて  翔河川
<素人(地)>
11常に見かける情景。子供たちは楽し気です。

知足とは耳順とは今日麦を蒔く  素蘭
<明子(地)>
同じ動作を繰り返していると、頭の中で全く違うことが浮かんで来たり
します。ついつい考えてしまいます。

背景は赤城榛名よ麦を蒔く  明子
<鈴居(地)>
赤城山榛名山も麦が似合う

冬来る血の気失せゆく七面鳥  春愁
<秋童子(地)>
哀れ、七面鳥。なのに笑えます。

無農薬栽培めざし麦を蒔く  風子
<実生(地)>
野菜で無農薬栽培を目標にしているけど、コマツナの間にほうれん草とか混植する方法などがあるけど麦はどうするのかな。食べられてもいいかの心境かなあ。もしかして数年たてば天敵が増えるのかも。考えるだけで楽しい。


・1点句

頑なに守る畑に麦を撒く  素人
<鈴居(人)>
土も固く感じます

杉山の一本ずつに冬来る  しゐ
<翔河川(人)>
同じようだが皆違う

爪切りのまたも隠れて冬来たる  英治
<しゐ(人)>
季節ごとに、かくれんぼ上手のモノたちが増えていきます。

冬来たる追ひ立てらるる心地する  素人
<実生(人)>
追い立てられる、そうですね。春になったら消えるのでしょうか、この気分。

冬来る袋まわしの三分句  風子
<素人(人)>
31即吟の鍛錬ですね。三分は厳しいですね。

変節は昨夜の雨か落葉蹴る  翔河川
<万歩(人)>
取り合わせがうまくいっていると思います

ローカル線遅延の理由を落葉とや  しゐ
<素蘭(人)>
倒木ならぬレールが落葉に埋もれては、、、