第303回桃李4月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:囀り、櫻蘂、福島(不言題)   4月15日(木) 投句開始 4月22日(木) 投句締切 翌日選句開始 4月30日 (金)  選句締切・披講

題詠または当季雑詠

兼題T 囀り
兼題U 櫻蘂
兼題V 福島(不言題)
 
4月15日(木) 投句開始
4月22日(木) 投句締切 翌日選句開始
4月30日 (金)  選句締切・披講

投句: 寿美子、やんま、素蘭、鈴居、春愁、実生、万歩、風子、しゐ、翔河川、明子、素人、英治、秋童子、丹仙
選句: 寿美子、春愁、素蘭、しゐ、英治、万歩、風子、実生、秋童子、明子、翔河川、鈴居、素人、丹仙

披講

・13点句

行くあてもなく囀りの中にあり  しゐ
<素蘭(天)>
めくるめく至福を思ふ日永かな

<英治(天)>
雰囲気がある。

<秋童子(天)>
コロナ禍で外出もままならない今、こんな暮らしが一番贅沢なのでは。

<明子(人)>
これはある意味とても贅沢な時間かと思います

<翔河川(天)>
何かあっても何にもなくても


・11点句

桜蘂降るや函館五稜郭  素蘭
<寿美子(人)>
今朝のテレビで五稜郭の桜を見ました
取り合わせが魅力的

<春愁(天)>
歴史の哀切を感ずる句

<万歩(地)>
具体的な場所があらわされていて景が見えます

<風子(天)>
スッキリと地名の入った対句。函館五稜郭の持つストーリー性が上手く生かされて
奥行きのある成句となった。

<鈴居(地)>
函館山もきれいだろうなー。


・6点句

囀りや絵の具あふるる絵の具箱  素人
<寿美子(天)>
今年ほど春待つ思い強く感じられた年は珍しい
命あるものの喜びを中七に強く感じました

<万歩(天)>
囀りの季語にうまく照応している句と思えました

ピアノの音櫻しべ降る駅ひろば     春愁
<明子(天)>
誰でも弾けるストリートピアノ。思いのこもった音色が駅の広場に流れます。
桜蘂が静かに降っています。

<素人(天)>
駅ピアノでしょうか。良いものですよね。


・5点句

囀りに朝の紅茶の濃くなりて    翔河川
<しゐ(天)>
それでは今朝は、たっぷりのミルクも入れてご相伴にあずかりましょう。

<英治(地)>
ゆとりを感じる。


・4点句

宴果つ櫻蘂降る飛鳥山  秋童子
<素蘭(地)>
当世処世カタギの花道。

<実生(地)>
王子は親戚もあり、妻のふるさとでも、飛鳥山なつかしい。

春愁や生命の海へ汚染水  秋童子
<寿美子(地)>
原発反対!どうにもできない現状を春愁で済ませられるのか?

<素人(地)>
海へ流すべきではないですよね。

弥撒祝ふ白きベールに櫻蘂  丹仙
<春愁(地)>
美しい句

<しゐ(地)>
きよらかな静けさが、いっそう胸にしみるような色彩。


・3点句

囀りも味方に優勝マスターズ  秋童子
<鈴居(天)>
ゴルフもいい季節なのにねー。

囀りや公侯伯子男爵家  素蘭
<丹仙(天)>
ナンセンスな俳諧ですが、句のリズムが囀りを聞いているようでおもしろい。

囀るや語り尽くせぬ事の多々  やんま
<しゐ(人)>
人も、また鳥も、語り尽くせぬあれこれを抱いて、春のひとときをけなげに生きているように思えてくる。

<実生(人)>
そんな風に感じます。この句に触れて囀りを聴き直した。

<翔河川(人)>
いろいろ

震災の日はまた来たり海黙す  丹仙
<実生(天)>
科学の限界を知るごとく。

人住まぬ縁の下より子猫かな  寿美子
<素蘭(人)>
犬は人、猫は家につくとか…

<明子(地)>
動物たちは本能で命を繋いでいるけれど・・・


・2点句

鳥交る題名のなきコンサート  春愁
<風子(地)>
自然界には題名のなきコンサートがいっぱい。木々のざわめきも、水の音も、天然の美である。囀りをコンサートと感じられる作者は正に詩人。

トリチウム混じりてやがて春の潮  英治
<風子(人)>
「やがて春の潮」と、汚染されていく海の行く末を嘆く。

<秋童子(人)>
今後何十年も海に放出され続ける核物質。

福島の漁夫の涙や暮の春  しゐ
<秋童子(地)>
ようやく安全な海と魚を取り戻したというのに。

ゆずられて行き惑ふ桜しべの道  しゐ
<翔河川(地)>
歩くことだけだろうか

童歌メゾピアニシモ櫻蕊  やんま
<丹仙(地)>
メゾピアニシモというのはあまり聞きませんが、聞こえるようで聞こえない、しかしピアノピアニシモよりは実感のある歌声が、櫻蘂降る有様と符合。

アッシジの深山囀るお告げかな  丹仙
<英治(人)>
イタリアの囀りをこう聞くか。

<鈴居(人)>
何かわからないけど面白い。


・1点句

囀や受胎告知のテンペラ画  明子
<丹仙(人)>
アッシジのフランシスが好きなので一票投じました。

桜蘂降る城跡の芭蕉句碑  明子
<素人(人)>
刻まれていた句は何でしょうね。

花散るを見届け落ちる桜蘂  翔河川
<万歩(人)>
自然の摂理が描かれていて頷ける句

黙々と蘂掃く僧に櫻蘂  万歩
<春愁(人)>
音もなく次々と・・・