第308回桃李9月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:十六夜、草の花、アフガニスタン(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 十六夜
兼題U 草の花
兼題V アフガニスタン(不言題)

9月16日(木) 投句開始
9月23日(木) 投句締切 翌日選句開始
9月30日 (木)  選句締切・翌日披講

投句: やんま、寿美子、鈴居、しゐ、素蘭、秋童子、素人、実生、英治、翔河川、明子、春愁、風子、白馬、丹仙
選句: 寿美子、風子、鈴居、やんま、春愁、素人、実生、しゐ、白馬、秋童子、英治、素蘭、翔河川、丹仙、明子

披講

・10点句

十六夜の妻の歩幅で歩みけり  やんま
<素人(天)>
婦唱夫随なのですね。 老いたれば円満の秘訣かも。

<白馬(天)>
老夫婦の静かな夜の散歩

<翔河川(天)>
気持ちの良い夜

<丹仙(人)>
これは背の高い夫の心遣いを感じさせてほのぼのとした印象を与えますね。

十六夜や人遠ざけて人を恋ふ  寿美子
<風子(天)>
やはりコロナ禍。人に会うのも躊躇いがちになる。でも会いたいのです。

<やんま(天)>
そんなものです。

<英治(天)>


<明子(人)>
十六夜ならではの寂しさ。

落書きの壁にとび散る割れ柘榴  風子
<寿美子(天)>
連日の紛争の悲惨なニュースに心が痛みます
割れ柘榴に見事に託されたと感銘

<しゐ(地)>
胸が痛む映像が日々。

<素蘭(天)>
「割れ柘榴」のインパクト!!! 視覚言語化しそうです。

<翔河川(地)>
アフガンで一人長距離バスに乗っていた時に隣の乗客が黙って石榴とじゃがいもをくれた、みんな優しかった


・7点句

露地に眠る子らアフガンの秋深む  しゐ
<やんま(人)>
お茶の間のテレビで見ている日本人。

<春愁(天)>
無辜の民、子らの行く末、如何ばかり

<丹仙(天)>
難民の子ども達への思いが偲ばれます。


・6点句

十六夜の月を愛でをり友白髪  素人
<春愁(人)>
名月で一献の友も老けて・・・

<秋童子(天)>
言葉は何もいりません。

<丹仙(地)>
友白髪と詠む作者自身に歳月を越えてきた感懐を自然に表現しています

すさまじや誤爆に消ゆる子の命  寿美子
<素人(人)>
愚かな行為による犠牲。痛ましい限りです。

<秋童子(人)>
恨みの応酬。いつも真っ先に犠牲になるのは子どもたちです。

<素蘭(地)>
誤爆に限らず…

<明子(地)>
言葉にならない思いをすさまじという季語に託します。


・5点句

生き抜きし大正昭和草の花  春愁
<鈴居(天)>
わたしは、まだまだですが、昭和、平成、令和と知らない内に3世代を生き抜いてしまいました。それでも世代を生きるということがどういうことなのか少し実感したような気がします。🙇

<やんま(地)>
激動もあり平和もあり。

十六夜手摺の肘の心地良き  鈴居
<寿美子(地)>
残暑ようやく収まった宵、心地良い至福の一時ですね

<実生(天)>
暖かい、あったかい。


・3点句

十六夜や狐に化かさるる辺り  英治
<しゐ(天)>
化かされたい衝動も。

茶の湯とは生死の作法草の花  丹仙
<明子(天)>
季語「草の花」の本意に通じるものがあります。

名も知らぬ草花愛づる旅鞄  やんま
<寿美子(人)>
名も知らぬ草の花に心よせるも俳人ならこそ
旅心さそわれます

<鈴居(人)>
素朴な旅行観に共感しました。

<素蘭(人)>
寅さんの鞄みたい。

ふるさとは目路の限りに草の花  しゐ
<秋童子(地)>
いまもこんな風景が残っているとは。うらやましい限りです。

<翔河川(人)>
わざわざ植えなくとも

身に入むや怯え飢える児傷付く児  秋童子
<白馬(地)>
残虐非道の暴挙

<英治(人)>



・2点句

草の花スケッチブック使い切る  素人
<風子(地)>
いっぱいスケッチして草の花を楽しんでいる。ホッとさせられる一句です。

草の花摘む子等もなく風渡る  白馬
<春愁(地)>
秋の侘びしさ・・・巧い

草の花そこは雀の終の地に  寿美子
<英治(地)>


テンジュクの風に運ばれ草の花  翔河川
<鈴居(地)>
調べのよさで選んでしまいました。

遺されし父の日記よ草の花  明子
<素人(地)>
草花の栞でも挟んであったのかも。

控え目に小さく健気に草の花  秋童子
<実生(地)>
かわいい、どんな花かな。


・1点句

鎌の手を止めよと指示する草の花  実生
<しゐ(人)>
伸び放題の草の中に立つ楚々とした花の姿に、鎌を持つ手が動かなくなることがある。あれは草の花からの切ない指示だったのか、、、

タリバンの砂漠を照らす名月や  鈴居
<実生(人)>
名月はどこにいても名月。眺める余裕をも。

米兵のともかく去りて十三夜  英治
<風子(人)>
先行き不安の多い状況で、一区切りついた。季語十三夜に想いを寄せている。

無辜の民苛政に惑ひ龍渕に  春愁
<白馬(人)>
権力者の罪は常に