第309回桃李10月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:菊、火祭、コロナ終息?(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 菊
兼題U 火祭
兼題V コロナ終息?(不言題)

10月24日(日)投句開始
10月31日(日)投句締切  翌日選句開始
11月7日 (日)選句締切  翌日披講

投句: 万歩、鈴居、白馬、しゐ、英治、素人、素蘭、秋童子、風子、実生、寿美子、春愁、翔河川、丹仙
選句: 万歩、風子、春愁、素人、鈴居、寿美子、翔河川、秋童子、素蘭、英治、しゐ、実生、白馬、丹仙

披講

・9点句

教卓の牛乳壜に野菊かな  素人
<翔河川(地)>
登校路で

<素蘭(人)>
だるまストーブのある木造校舎…郷愁の内にあって懐かしい。

<しゐ(天)>
昭和の教室。先生に野菊を摘んできたのは、何と、ガキ大将?

<実生(天)>
小学校思い出して。


・8点句

吉報は空より来る菊日和  風子
<万歩(天)>
吉報が降って来そうな明るい空はまさに菊日和

<寿美子(地)>
三密避ける日々、秋の青空こそ快い

<素蘭(天)>
Congratulations!


・7点句

死者の日やオルガンのみのレクイエム  丹仙
<春愁(人)>
厳か・・・

<素人(人)>
オルガン演奏も悪くないですね。パイプオルガンじゃないですよね。

<秋童子(地)>
教会のミサも、聖歌を歌うのはまだ自粛中なのですね。

<素蘭(地)>
メメント・モリの戒告ですね。

<しゐ(人)>
各人が歌詞を目で追いつつ聴くオルガン。死者と生者をつなぐ言葉を共に歌える日は間近なのでしょうか。


・6点句

白菊を箸の枕に非時の膳  寿美子
<秋童子(天)>
会葬者の膳に、箸置きの代わりにそっと白菊が。故人を偲ぶ白菊なのでしょう。

<丹仙(天)>
先日、義母の葬儀を終えたばかりなのでで、この句の雰囲気が身にしみました。
「非時」と言う言葉、単に葬儀の時に出される食事という慣習的な意味だけでなく、日常の時間を越えた聖なる永遠からの促しを感じます。

んだんだと独りごつとも菊の中  素蘭
<素人(天)>
見とれて呟くひとり言

<翔河川(天)>
もどかしい


・4点句

浜菊や忽と消えゐし海の家  万歩
<翔河川(人)>
作るのもしまうのも早い

<しゐ(地)>
初めからなかったかのように、忽然と。

<丹仙(人)>
東日本大震災の記憶がありありと甦りました。

火祭り果つ一番星の糸杉に  春愁
<風子(天)>
外国の祭風景を彷彿とさせる。糸杉のせいだろうか。ニューヨークのイタリアンタウンに
毎年教会の名前がついた祭りが立つ。昼間の勢いと夕暮れの静けさをうまく表現している。

<寿美子(人)>
優しい抒情、好きです

火祭や漢意気地の仁王立ち  寿美子
<万歩(人)>
 「無法松の一生」を彷彿させたが、火祭りの情景を伝えている

<春愁(天)>
天狗立ち・・・?

火祭や篝火爆ぜて闇深し  素人
<鈴居(地)>
音の実感がよい。

<白馬(地)>
最後の一本が消えた情景が時間の経過と共に。

水澄むやワクチンという免罪符  春愁
<風子(人)>
ワクチンをしたからとて感染はするのだが、外国旅行するとき証明書は免罪符となる。水澄むや〜はひとまず許されるということか?

<寿美子(天)>
免罪符とは思い切った発想
願わくばコロナ終息しますように❣

許されてかく居酒屋に秋惜しむ  英治
<鈴居(人)>
やっとかとすこしほっとしています。

<秋童子(人)>
ようやく、ですね。

<実生(地)>
親しいいとこを2回居酒屋に。菊正宗一合瓶あり熱燗で。


・3点句

貫きて語り継がれる菊の恋  実生
<鈴居(天)>
菊は清楚の象徴。わるいものにとらわれずに、思いやりの心に寄り添って生活していって欲しいものです。

穭田の先に友病む家のあり  しゐ
<白馬(天)>
幼馴染の友を想う心が穭田と呼応して。

闇を食う白菊の鉢路地裏に  翔河川
<英治(天)>
闇を食うがよい。


・2点句

菊持ちて八事の道を行き戻り  鈴居
<丹仙(地)>
八事の道という地名に込められた歴史と風土を背景にした物語りめいたものを感じました。連歌ならば大いに想像力を刺激される句です。

二本指立ててこころも秋晴るる  万歩
<英治(地)>
心象がよく出ている。

初冬の海へアマビエ去りゆけり  風子
<春愁(地)>
アマビエの使命も終えて

免許証返上の車庫菊大輪  春愁
<素人(地)>
観念して返上しました。今は菊の栽培に凝っているのです。

ライバルをまず褒め殺す菊花展  秋童子
<風子(地)>
なるほど〜。その手でいきますか。楽しい一句。

切支丹隠れし墓の菊白き  丹仙
<万歩(地)>
白菊が隠れキリスタンの純真を表している


・1点句

感染者ゼロの切願神の旅  しゐ
<英治(人)>
面白い。

火祭りに今年の禍燃してゆく  鈴居
<実生(人)>
どんと祭を思い出した。仙台で。

息子にはアンダースロウで菊日和  翔河川
<白馬(人)>
父親が下から投げてやっているほほえましさ。