第310回桃李11月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:柊の花、立冬、ハローウィーン(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 柊の花
兼題U 立冬
兼題V ハローウィーン(不言題)

投句開始 11月15日(月曜日)
投句締切 11月22日(月曜日)翌日開始開始
選句締切 11月29日(月曜日) 翌日披講

投句: やんま、素蘭、春愁、実生、しゐ、寿美子、万歩、英治、素人、白馬、秋童子、風子、丹仙
選句: 寿美子、風子、素蘭、しゐ、鈴居、万歩、実生、英治、素人、秋童子、丹仙

披講

・6点句

忖度と改竄と嘘花柊  素蘭
<風子(天)>
映画に出てくるカトリック教会の複雑な物語を想像しました。花柊の棘が象徴的です。

<素人(天)>
忘れてはならないのです。

鳩時計不整脈かな今朝の冬  春愁
<寿美子(天)>
然り鳩時計も年を取る
立冬の不整脈、他人ごとではありません。

<しゐ(人)>
何とも可愛らしい。

<素人(地)>
冷え込む季節は要注意です。

立冬の朝日に染まるマグカップ  風子
<鈴居(天)>
何でもない光景にふと昔の事を思い出す年になってしまいました。

<英治(天)>



・5点句

帰りゆく友を引き止む花柊  しゐ
<寿美子(人)>
別れぎわの余情、花柊が良く語ります

<万歩(天)>
詠嘆のある句ですね

<実生(人)>
どんな友かな。

狐火の炙り出したる本音かな  風子
<素蘭(天)>
矢庭に雨も降るさうな

<英治(地)>


冬来る灯ともし頃の窓まどに  しゐ
<万歩(地)>
冬の侘しい景が出ています

<秋童子(天)>
日暮れどき、いかにもの光景です。


・4点句

柊の花つけて家売られをり  英治
<しゐ(天)>
売られることも知らずに、今年も静かに花を匂わせている。

<鈴居(人)>
冬の寒さと寂しさが重なります。


・3点句

ぬばたまの玄武が絵文字冬来る  素蘭
<実生(天)>
黒い実をつけて、我が庭で射干玉が絵文字のように探してみよう。

裸足にて法説く導師冬たちぬ  丹仙
<万歩(人)>
いかにも冬を感じさせる「裸足」に冬を感じさせます

<秋童子(地)>
きっと厳しい修行をされてきた導師なのでしょう。

立冬のトーテムポール影長し  やんま
<丹仙(天)>
Tトーテムポールの「影」に先住民の心の歴史を感じました。


・2点句

掛け違ふ釦そもそも狐狸の穴  素蘭
<鈴居(地)>
マンガチックで面白い。

月蝕すぐ柊の花ほのめけり  寿美子
<丹仙(地)>
蝕の月に地上ひそやかに咲く柊の呼応に惹かれました。

仕上りはムンクの叫び南瓜彫る  春愁
<風子(地)>
ハローウィーンからカボチャの彫刻へと発想したところが上手い。それも「ムンクの叫び」の
イメージを提示したところも憎いね。

特大の南瓜くりぬき子らはしゃぐ  素人
<寿美子(地)>
幸せな子供たちのにぎやかなこと!
今年の南瓜はことに甘みが強くて美味しいです

柊の花やこの家に想ひ人  やんま
<実生(地)>
かわいいなぁ。

山積みの未決書類や冬に入る  素人
<素蘭(地)>
いつになったら、、、、、、、、、、、、、、、、

立冬や鳩も雀もひとりぼち  白馬
<しゐ(地)>
そして誰しも。


・1点句

幼名に呼ばるる夫や冬法事  しゐ
<丹仙(人)>
ひさしぶりに面会する親族にとっては過去は昨日のごとし。

子ら走る南瓜頭巾に黒マント  やんま
<素人(人)>
園児らの元気な姿が浮かびます。

だめ出しは妻の十八番や花柊  春愁
<素蘭(人)>
内助の功ここにあり。

柊の花や戦争未亡人  風子
<英治(人)>


立冬の天地返しにみみず出る  実生
<風子(人)>
「天地返し」と表現された立冬のみみず。すばらしい!

首筋の冷えを覚えて冬に入る  万歩
<秋童子(人)>
同感です。若い頃は、こんなこともなかったのに・・・。