第318回桃李7月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:日傘、青林檎、祇園会

題詠または当季雑詠

兼題T 日傘
兼題U 青林檎
兼題V 祇園会

7月15日(金)投句開始
7月22日(金)投句締切 翌日選句開始
7月29日(金)選句締切
7月30日(土)披講

投句: 春愁、素蘭、鈴居、しゐ、実生、秋童子、翔河川、素人、英治、明子、寿美子、丹仙、風子
選句: 寿美子、鈴居、英治、秋童子、しゐ、春愁、素蘭、実生、風子、翔河川、明子、丹仙

披講

・9点句

靴入れは恋の私書箱青りんご  春愁
<秋童子(天)>
いい青春ですね。私には無縁でしたが。

<素蘭(天)>
石坂洋二郎の青春小説を髣髴。

<翔河川(天)>
学校の下駄箱


・8点句

すれ違う男日傘の増えしこと  しゐ
<秋童子(地)>
数年前から私も愛用しています。

<風子(天)>
そう、それが言いたかった。色白の男が増えましたね。

<明子(天)>
猛暑のなか、日傘の効果は絶大です。男性も使わない手はありません。


・6点句

ほんのいま着いたばかりよ白日傘   春愁
<寿美子(天)>
素敵!ほんわか優しい笑顔がうかがわれます。

<実生(天)>
遅れてきた姉さんの言い訳に聴こえる。


・4点句

青りんご津軽ことばの語尾やさし  翔河川
<春愁(地)>


<実生(人)>
津軽では12年間ダムの仕事でお世話に成った。津軽ことば思い出した。

<丹仙(人)>
青りんごの姿、風味、その土地の人のことばの響きが聴こえ、様々な感覚の協和が心地よい。


・3点句

青林檎囓りてLGBTと言ふ  丹仙
<鈴居(天)>
マンガチックな出で立ちの男の子?女のコ?中性的な雰囲気で青林檎を噛りながら、僕もLGBTよと語る。

アルプスの風のにほひの青林檎  寿美子
<春愁(人)>


<明子(地)>
爽やか!

祇園会は老いても祖母の手の力  実生
<丹仙(天)>
幼い時の記憶でしょうか、祖母の手に伝承された祭りの力を感じます。

黒日傘ロンドン橋はまだ落ちぬ  丹仙
<素蘭(人)>
いわゆる「Xデー」に備え、、、

<風子(地)>
オードリーのマイフェアレディーを連想したか?この飛躍がいい。

白日傘化けて出るならモネの庭  素蘭
<英治(天)>
いかにも。

日傘来る母によく似た白日傘  寿美子
<春愁(天)>


山かげに日傘かくるるまで泣く子  英治
<しゐ(天)>
この子は、遠い昔の私でもある。その日の私は、娘時代の友人と楽しげに出かけていく母の日傘を、泣きながら、見えなくなるまで(見えなくなっても)追いかけていました。今生の別れとでも言うように。


・2点句

青リンゴ怒りは一夜野放しに  翔河川
<英治(地)>


祇園会の友より届く生中経  風子
<鈴居(人)>
切り取った一コマにコロナ禍の不安、友の暖かさ、イマドキの動画の臨場感が詰まっている。

<明子(人)>
間違いなく今の景色ですね。

祇園祭注連きる稚児の潔し  寿美子
<丹仙(地)>
中7下5の歯切れの良さが印象的でした。

祇園会のあの鉦の音よ掛け声よ  秋童子
<寿美子(地)>
コロナ何するものぞと町衆の意気込みに元気貰いました

さりげなく若冲の手も屏風祭  明子
<素蘭(地)>
Très bien.

自転車を並べて帰る青林檎  明子
<翔河川(地)>
何台も倒れていて

日傘行くガラスと鉄のダイバーシティー  翔河川
<鈴居(地)>
熱を帯びた都会の一角を一輪の白花が涼しげに行く。

日向道歩きたくなる日傘かな  秋童子
<しゐ(地)>
長靴をはくと、水溜りの真ん中を歩きたくなるように。

宵山や末のいもうと腹違ひ  春愁
<実生(地)>
なんとも優しい目線。大きくなったあ。綺麗だよ。


・1点句

青りんご独りよがりな主義主張  素人
<英治(人)>


青林檎わが青春の遥かなる  秋童子
<寿美子(人)>
時はもどらないということ身に沁みて感じています。
でも農業技術の進歩で青林檎も完熟して美味しくなってなっていることとおもいます

井の中に覇者やあるべき青林檎  素蘭
<風子(人)>
全く同感。守りたい青林檎の感性。

祇園会に口ふさがれて集ひをり  英治
<しゐ(人)>
それでも祭りは祭り、らしい。

トルストイのロシアよかえれと祈る夏  しゐ
<秋童子(人)>
同感です。あのロシアはどこへ行ってしまったのでしょうか。

橋渡りかけて佇み白日傘  明子
<翔河川(人)>
動いていた傘が橋の途中で止まって