投句: | 寿美子、素人、しゐ、素蘭、風子、春愁、鈴居、白馬、秋童子、翔河川、英治、明子、丹仙、実生 |
選句: | 寿美子、英治、春愁、素人、しゐ、実生、翔河川、秋童子、白馬、明子、素蘭、風子、丹仙 |
人の愚の果て八月の空の黙 明子
秋立つやはたりはたりと象の耳 寿美子
手花火に闇壊されて造られて しゐ
ラヂオから「茶色の小瓶」浮いてこい 春愁
蝉時雨侵略の過去は我らにも しゐ
かなかなや児童に軍歌禁止令 英治
父帰るそして我あり葛の花 風子
悪戯の鼠花火に拳固かな 秋童子
浦上のマリア哭して今朝の秋 丹仙
鉾船の舳先に残る花火屑 寿美子
立秋の季感はずれてゆくばかり 素人
手花火に家族の絆確かめる 素人
振り向けば夢のごとあり遠花火 明子
朝雨の木々に光りて秋立ちぬ 明子
かにかくに憂き世乱れて秋に入る 秋童子
来る秋にくり抜かれしは埴輪の眼 翔河川
何もかも終わったのだと空高し 素人
立秋やまたもいくさを思ふ日々 英治