投句: | 鈴居、実生、寿美子、しゐ、白馬、翔河川、素蘭、秋童子、英治、春愁、明子、風子、丹仙 |
選句: | 寿美子、風子、鈴居、しゐ、秋童子、翔河川、明子、素蘭、英治、実生、春愁、白馬、丹仙 |
鳥渡る気配に仰ぐ今朝の空 しゐ
緋袴の巫女の小走り秋の雨 寿美子
半券は胸のポケット秋時雨 素蘭
夢かなう居場所もとめて鳥渡る 風子
娘の訃報告げる葉書に秋の雨 実生
鳥と分け合ふ採りきれぬ無花果は 明子
二の腕の延びて無花果もがれをり 英治
秋の雨犬は散歩を待ちきれず 翔河川
無花果熟るチグリス川の風揺れて 春愁
無花果の秘め持つ花を独り喰む しゐ
銭湯の煙ぼかして秋の雨 翔河川
夕映えの国境稜線鳥渡る 明子
シドッチの祈り忍べば鳥渡る 丹仙
秋の雨地底に浸みるレクイエム 丹仙
無花果のちぎれば白い血をながす 風子
浮舟の里曲のあたり鳥渡る 寿美子
小鳥来るいつもの路地の紙芝居 春愁
袖で拭く車窓の曇り秋の雨 明子
鳥渡る歴史の裁きなど待たぬ 素蘭
イスラムの乙女の祈り無花果の夢 丹仙
薄毛布昼寝の外は秋の雨 鈴居
逆算の余生に拍車秋黴雨 春愁
鳥渡る今宵のねぐらは何処ならん 白馬
鳥渡るまた帰り来る日のために 翔河川