第322回桃李11月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:帰り花、木の葉髪、皆既月食(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 帰り花
兼題U 木の葉髪
兼題V 皆既月食(不言題)

11月17日(木) 投句開始
11月24日(木) 投句締切・翌日選句開始
12月01日(木) 選句締切
12月02日(金) 披講

投句: 春愁、寿美子、素人、白馬、しゐ、英治、秋童子、素蘭、実生、鈴居、風子、翔河川、丹仙
選句: 風子、鈴居、寿美子、素人、秋童子、しゐ、実生、素蘭、英治、春愁、翔河川、丹仙

披講

・15点句

着ぶくれて月さへ食らふ地球(ほし)に立つ  しゐ
<風子(天)>
月食は地球の影なのだが、文字どうり地球が月を食べちゃうですって。あの地球ならやりかねないね。ジブリのアニメを見るような辛辣さが好きです。今の地球そのもの。

<秋童子(天)>
自分が月を食らうがごとく。

<素蘭(天)>
その月は天王星を食らひ、こは何事ぞと小半時…

<英治(天)>


<丹仙(天)>
月に映る地球の影を「着ぶくれ」としたところ秀逸。


・6点句

日溜りにすこし華やぐ帰り花  風子
<素人(地)>
日溜りゆえの印象かもしれません。

<実生(天)>
帰り花見つけるとなんとなく嬉しい気持ち。

<翔河川(人)>
まちがえて咲いたけど


・5点句

集ひしも何れが恩師木の葉髪  春愁
<秋童子(人)>
恩師のほうが若く見えたりして。

<翔河川(天)>
みんな歳とって

<丹仙(人)>
同窓会で恩師と学生の年齢差が消えてしまったという実感が「木の葉髪」という季語に生きています。

天下布武夢と消えゆく冬の月  丹仙
<鈴居(地)>
戦国時代と今この瞬間。同じ月を見ながらも人間はどう変わり、どう変わらなかったのでしょうか。地球はこの後どうなっていくのでしょうか。そんなことをふとおもってしまいました。

<寿美子(人)>
壮麗な月蝕でした。ドラマティックな一句

<春愁(地)>
信長の野望?


・4点句

亡き父の齢超えけり木の葉髪  丹仙
<素人(天)>
誰しもちょっとした感慨を覚えるものです。

<実生(人)>
父は91歳で亡くなった。それまで生きれるかな。


・3点句

赤黒き月食を経て冬に入る  英治
<鈴居(天)>
皆既日食を見ているときの寒さ。時の流れる空気まさにそうでした。

返り花愛ほし一度きりの今  春愁
<寿美子(天)>
春に咲いても三日みぬ間の桜です
一度きりの今を存分にね

拾得の佩ける箒や木の葉髪  素蘭
<春愁(天)>
確かに

立冬や蝕まれゆく通夜の月  風子
<しゐ(天)>
鋭い言葉の並びに一瞬どきりとするが、そのあとに広がる静かな世界に引き込まれる。


・2点句

抗ふもひとりよがりか帰り花  素人
<風子(人)>
まだまだと若ぶってみても、認めざるを得ない現実。

<英治(人)>


帰り花中野荻窪あたりでも  翔河川
<英治(地)>


帰り花ピンクのルージュ貰ひけり  寿美子
<素蘭(地)>
トレンドカラーですね。

木の葉髪昔感じぬ事ばかり  鈴居
<しゐ(人)>
そういうことが増えてきました。

<素蘭(人)>
げに、、、

こんな日は竜馬呼ばうか月見酒  春愁
<秋童子(地)>
呼べば面白くなるぜよ。

青春のあの黒髪よ木の葉髪  秋童子
<風子(地)>
全く情けないと鏡を見ながらため息ばかりついています。

月欠けてあなは何処で次見るや  鈴居
<実生(地)>
天国

天空を歩く寒かろうなぁお月さん  実生
<翔河川(地)>
こちらも寒くなって

西坂の地に祈りけり帰り花  丹仙
<しゐ(地)>
二十六聖人像の、あの特別な静けさを持つ祈りの姿が胸によみがえりました。帰り花は幻なのかもしれません。

まじまじと鏡の中の木の葉髪  風子
<寿美子(地)>
全くもって同感です

老残も筵旗立て狂ひ咲き  秋童子
<丹仙(地)>
若き日の革命への思いを「筵旗たて狂い咲き」と言い捨てたところが面白い。


・1点句

帰り花早い遅いは人の世も  翔河川
<素人(人)>
確かにそうとも言えますよね。

木の葉髪そっと隠してハンチング  白馬
<鈴居(人)>
そうありたいものです。

ワクチンを打てども打てども返り花  鈴居
<春愁(人)>
コロナ、衰えませんね