第323回桃李12月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:冬の日、降誕祭、W杯(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 冬の日
兼題U 降誕祭
兼題V W杯(不言題)

12月15日(木)投句開始
12月22日(木)投句締切 翌日選句開始
12月29日(木)選句締切 
12月30日(土)披講 

投句: 寿美子、素蘭、白馬、鈴居、風子、しゐ、素人、英治、春愁、翔河川、秋童子、明子、実生、丹仙
選句: 鈴居、しゐ、秋童子、寿美子、明子、風子、白馬、英治、翔河川、素蘭、丹仙

披講

・10点句

小灯の揺らぐ高窓ノエルの夜  春愁
<鈴居(天)>
メリークリスマス!

<しゐ(天)>
静かな祈りのひとときがそこにあるように思えました。

<寿美子(人)>
ロマンチックな物語の序章のような俳句

<丹仙(天)>
叙景に徹することによってかえって秘められた深き情念を感じさせる優れた句であると思いました。


・8点句

ガラスペン走らせてゐる聖夜かな  明子
<風子(天)>
透明で硬質なガラスペンに電飾が映り込む。どこからか聞こえてくるクリスマスソング。
手紙を書いている。日記かもしれない。ガラスペンと聖夜の取り合わせが効いている。

<英治(天)>


<素蘭(地)>
ホワイトクリスマスの静謐さにしっくりと、、、


・7点句

火を灯し祈る地下壕聖夜かな  秋童子
<しゐ(地)>
その灯でしか暖を得られずに。

<明子(天)>
地下壕で迎える聖なる夜。この祈りの重さを世界中の人々に考えて欲しいと
切に思います。

<丹仙(地)>
ウクライナではロシア正教の旧暦を廃して新暦を採用しました。電力インフラの破壊と断水という厳しい条件があっても、自分たちを支援している国々と共にクリスマスを祝うことが出来る。闇あるところに光をもたらすクリスマスの祈りを感じます。

驢馬役の幼子眠る降誕祭  丹仙
<しゐ(人)>
あどけない寝顔に、飼い葉桶のみどりごも重なる。

<秋童子(地)>
なんとも微笑ましい光景です。

<白馬(地)>
クリスマスパーティーの演劇で活躍した我が子の満足な寝顔。
微笑ましい句ですね。

<英治(地)>



・6点句

聖堂のマリア賛歌に冬日満つ  丹仙
<寿美子(天)>
美しい!そうあれかしと祈るのは私だけでは無いとおもいます

<素蘭(天)>
ステンドグラス越しの光に包まれる、至福。


・5点句

半日は冬の日の差す母の部屋  寿美子
<秋童子(天)>
たっぷり日差しを浴びて、きっと母上も穏やかな日々をお過ごしなのでしょう。

<翔河川(地)>
もう居ないのだろうか


・4点句

ひたすらに球蹴る少年日脚伸ぶ  春愁
<寿美子(地)>
また、サッカー熱が盛り上がりそう
日脚伸ぶが素晴らしいとおもいま

<素蘭(人)>
*年後を目指して。。。

<丹仙(人)>
サッカーに一日中興じている少年の姿が鮮明に浮かんできます。W杯ということはあからさまに出ていませんが、このような少年サッカーチームの幼なじみが夢を叶えてW杯で大活躍したことを思い出しました。2022年W杯を記念する句にふさわしいですね。

独り居と聞きて寂しき冬の窓  しゐ
<白馬(天)>
作者の優しい心遣いがよく分かります。

<英治(人)>



・3点句

渡し場に船頭をらず冬一日  素蘭
<翔河川(天)>
船は靄ってある


・2点句

切り株で握り飯食う冬日和  翔河川
<明子(地)>
おにぎりが美味しそうですね。冬の日の温もりが伝わって来ます。

八強の壁は破れず風疼く  素人
<鈴居(地)>
こんなにも高きものなのか。

冬日向籠編む為の竹削る  明子
<風子(地)>
竹細工の工房に冬日がさして暖かい。竹を削る職人の手元が見えるようだ。どんな籠を作ろうかと思い浮かべながら一心に竹を削っている。慈愛の日差しのようにも思える。


・1点句

降誕祭猫の寝てゐる飼葉桶  寿美子
<風子(人)>
クスッと笑える。真似している訳ではない。イエスの誕生の如く気持ちよさそうに眠っている猫。

ドーハの奇跡よ霜夜も沸き立たせ  明子
<秋童子(人)>
あの悲劇が、今度は奇跡に。

冬の日の老母の電話の頻りなる  しゐ
<白馬(人)>
一人住まいになった母から何度もかかってくる電話。
御母堂の淋しさ。経験があります。

冬の日や言葉少なくなる親子  素人
<鈴居(人)>
ことば少なく、心暖かく。

冬日燦ねこ背丸めてラ・カンパネラ  春愁
<翔河川(人)>
リストのように

優勝へまだ蹴る走る冬怒濤  秋童子
<明子(人)>
選手たちの動き、まさに怒涛のようでした。