第324回桃李正月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:冬薔薇、七草粥、成人式

題詠または当季雑詠

兼題T 冬薔薇
兼題U 七草粥
兼題V 成人式

1月15日(日)投句開始
1月22日(日)投句締切 翌日選句開始
1月29日(日)選句締切 
1月31日(月)披講 

投句: 素人、寿美子、鈴居、素蘭、風子、英治、しゐ、白馬、秋童子、実生、春愁、明子、翔河川、丹仙
選句: 鈴居、春愁、風子、英治、しゐ、寿美子、秋童子、素人、実生、翔河川、明子、素蘭、丹仙

披講

・10点句

難病を生き延びし吾子成人式  丹仙
<素人(天)>
祝の膳を囲む幸せ

<実生(人)>
おめでとうございます。

<明子(天)>
何も言う事はありません。よく頑張ったね。おめでとうございます!

<素蘭(天)>
親心が切ない


・9点句

茨線の向かうの自由冬薔薇  素蘭
<春愁(地)>
棘から解放された自由

<英治(地)>


<しゐ(天)>
届きそうで届かない自由の不自由さ。

<寿美子(地)>
自然はきちんと巡るのに人間同士のいがみ合い
耐え難い日々です


・8点句

冬薔薇に咲ききる力あと少し  明子
<鈴居(天)>
あと少しそんな思い

<秋童子(人)>
健気な薔薇への応援句。

<翔河川(人)>
それも風情

<丹仙(天)>
冬薔薇に自己自身の晩年の姿を思わず投影してしまいますね。


・7点句

芹なずなすずなすずしろ探す粥  白馬
<春愁(天)>
リズム感が抜群

<寿美子(人)>
リズムが面白い。我が家はきのこと水菜と卵の粥でした
胃袋が喜んでいました

<秋童子(天)>
なかなか見つかりませんね。

引き算の余生や啜る七日粥  春愁
<英治(天)>


<素蘭(地)>
逆算の余禄もなかなか

<丹仙(地)>
「引き算の余生」という表現が面白い。

ボヘミアングラスいっぱい冬薔薇  春愁
<風子(天)>
デルトフの陶器よりボヘミアングラスに馴染みがあるので、こちらの句を選びました。「ボヘミアン」の情報の豊かさ、土地、歴史、文化など、イメージが膨らみます。

<しゐ(人)>
冬の光をいっぱいに集めたグラスに、たっぷりと生けられた色とりどりのバラが目に浮かびます。これを生けた人の、冬への思いが見えるような気がします。

<素人(地)>
寒さに耐えて健気に咲けり

<素蘭(人)>
ボヘミアンの響きがいい。


・4点句

七種には足りぬもとまれ粥を炊く  しゐ
<翔河川(地)>
まあいいか

<明子(地)>
とりあえずいただくことが大事ですね。


・3点句

赤子抱く順番を待つ冬薔薇  英治
<実生(天)>
順番、不安なもの。

ゲーテ座のレンガの壁に冬薔薇  素人
<寿美子(天)>
取り合わせが素敵 ノスタルジックな一句

ほのぼのと朱塗りの椀の薺粥  寿美子
<実生(地)>
朱塗りの椀大事にしてください。

<明子(人)>
美しいです。

ショール白肩に余れる成人祭  春愁
<翔河川(天)>
制服のように


・2点句

これがまあ七草粥かレンジでチン  秋童子
<風子(地)>
本歌取りの一句。現代版。負けていません。この軽さに一茶も喜ぶでしょう。

成人の日や目眩めく自己主張  寿美子
<風子(人)>
茶髪に金髪、女子も男子も派手ですね。

<丹仙(人)>
近年、そういう若者が増えてきたような気がします。

デルフトの一輪挿しに冬の薔薇  翔河川
<しゐ(地)>
デルフト陶器の藍色に、やや黒を帯びた赤いバラが、ただ一輪だけ生けられた窓辺の静けさが想像されます。

冬の薔薇散るを拒みて枝に死す  しゐ
<秋童子(地)>
これも薔薇のプライドでしょうか。

冬薔薇の細くも永く咲く窓辺  翔河川
<鈴居(地)>
寒く、か弱く、でも暖かく。

冬薔薇や窓越しに聞くレクイエム  寿美子
<春愁(人)>
荘厳

<素人(人)>
モーツアルトの未完の曲よ


・1点句

単語帳たしかめ啜る七日粥  英治
<鈴居(人)>
情景が浮かびます。

何となく七草粥を食べ損ね  風子
<英治(人)>