第326回桃李3月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:雛、初蝶、WBC(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 雛
兼題U 初蝶
兼題V WBC(不言題)3月16日(木)投句開始
3月23日(木)投句締切 翌日選句開始
3月30日(木)選句締切 
3月31日(金)披講

投句: 白馬、実生、寿美子、鈴居、しゐ、素蘭、風子、素人、明子、翔河川、丹仙、秋童子
選句: 風子、鈴居、寿美子、実生、素人、しゐ、翔河川、秋童子、素蘭、春愁、明子、丹仙

披講

・12点句

まなざしの生るる一筆雛のかほ  明子
<寿美子(天)>
詠者の息使いが聞えてきそうな一句、
素敵です

<しゐ(天)>
その一筆にいのちを吹き込まれる瞬間を見逃さない作者のまなざし。

<秋童子(天)>
その瞬間、雛に生命が。

<丹仙(天)>
映像が鮮明に目に浮かびました。


・9点句

初蝶やまだ整はぬ畑なれど  明子
<風子(人)>
初蝶が来てくれた喜び。まだ整わぬ畑なれど〜と、蝶々に対してすまない気持を抱いているところが微笑ましい。

<実生(天)>
種を取ろうか、ジャガイモにするか悩んでいるのに。

<しゐ(地)>
畑も庭も、誰の心も整わぬうちにやって来た春に、少し戸惑いつつ。

<翔河川(天)>
沢山花を咲かせて迎えたい


・8点句

永遠の野球少年風光る  素蘭
<鈴居(人)>
その姿はまさに野球少年

<寿美子(地)>
WBCに魅入られました
この一句は栗山監督に捧げてほしい 素晴らしい采配でした。
ウクライナもコロナ禍も忘れて過ごした一時でした

<春愁(天)>
確かに

<明子(人)>
皆少年の顔でしたね。

<丹仙(人)>
野球というスポーツの初心を見る思いがしました。

祖死せる空襲のあり雛のころ  しゐ
<風子(天)>
作者は雛の頃になると空襲で死んだ肉親を、どうしても思い出してしまう特別な日なのでしょう。

<明子(天)>
この空襲で両親を亡くした友がいます。雛人形の面影を母と重ねているかのようでした。

<丹仙(地)>
三月大空襲、戦争の記憶が平和な時代の雛祭りに重なります。

雅なる楽の音崇し雛の舟  丹仙
<素人(天)>
流し雛の慣わしなれば

<秋童子(地)>
さぞ優雅な催しなのでしょう。

<素蘭(天)>
上巳の節句の儀式ですね。バリ島に供物を載せた手造りの舟を海に捧げる風習がありますが、何か通うものを感じます。


・4点句

大店の昔をかたる享保雛  風子
<鈴居(地)>
時代に雅さがでるものですね

<素蘭(地)>
江戸文化の粋。。

亡母の描くやさしき雛も飾られて  秋童子
<実生(地)>
絵、お習字は目を瞑って処分したけど焼き物は捨てられなかった。

<春愁(地)>
生前のははの姿

来年も逢ふ約束の雛納め  寿美子
<鈴居(天)>
しずかな句ですね

<しゐ(人)>
こうして何年も特別な再会を重ねてこられた人の静かな祈りに共感します。


・3点句

ななななな喜寿の祝いの初蝶来  風子
<寿美子(人)>
七 七 七の
喜寿おめでとうございます。

<翔河川(地)>
77歳


・2点句

春泥の走者一巡ホームイン  寿美子
<風子(地)>
春泥の喜びが伝わってきます。春泥を悲劇的に詠う句の多い中、嬉しい春泥となった。

大天使ミカエルの掌に初蝶来  丹仙
<明子(地)>
温かい色調のフレスコ画を見ているようです。

初蝶や今日は良きことありさうな  寿美子
<翔河川(人)>
あると良いですね

<秋童子(人)>
出会えただけでラッキーですものね。

花便りあちこち痛むと追伸に  しゐ
<素人(地)>
老いてゆくのはお互いさまか


・1点句

大谷のユニフォーム着て桜見る  明子
<春愁(人)>
花に酔い

親知らず抜かるる午後や初蝶来  しゐ
<素蘭(人)>
お大事に

サムライや世界を魅了春爛漫  秋童子
<素人(人)>
やるだけやった思いひとしお

ベストフォア今年は優勝出来そうだ  白馬
<実生(人)>
朝寝坊が早く目覚めて優勝を。凄かった。