第327回桃李4月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:復活祭、百千鳥、霾(黄砂)

題詠または当季雑詠

兼題T 復活祭
兼題U 百千鳥 
兼題V 霾(黄砂)

4月15日(土)投句開始
4月22日(土)投句締切 翌日選句開始
4月29日(土)選句締切 
4月30日(日)披講 

投句: 丹仙、素蘭、素人、春愁、しゐ、鈴居、寿美子、実生、風子、翔河川、秋童子、明子、白馬
選句: 寿美子、鈴居、しゐ、実生、風子、秋童子、素蘭、素人、白馬、翔河川、明子、丹仙

披講

・14点句

復活祭父の匂いの野球帽  寿美子
<しゐ(人)>
静かなよみがえりのあした。

<実生(天)>
ポマードの匂いかな。

<風子(地)>
匂いって記憶を蘇らせる。幼い頃の幸せだった家族の思い出がどっと押し寄せる。

<秋童子(天)>
亡き父上はそこにおられましたか!

<翔河川(地)>
何年も経つのに

<丹仙(天)>
復活祭と野球帽との配合に感心しました。亡父と遺子との対話が聞こえてくるようです。


・10点句

塹壕の奥にて祈る復活祭  丹仙
<寿美子(天)>
人類の善意の復活をひたすら祈ります

<秋童子(人)>
明日の命も知れぬウクライナ兵たち。

<素蘭(地)>
停戦なき今年の復活祭

<白馬(地)>
罪なき人の現実

<明子(地)>
本当にいつまでこんな日が続くのでしょうか。


・5点句

降り注ぐ生命の調べ百千鳥  秋童子
<寿美子(地)>
そう、その通り、納得です!

<素蘭(天)>
桜桃の実は格好のbreakfastであるらしく春眠もbreak
朝まだき狭庭の繁き小枝にもここだも騒く鳥の聲かも。。。


・4点句

百千鳥ひとり茶を淹れ茶を啜る  素人
<鈴居(人)>
茶の味がしみる。

<翔河川(天)>
囀りを聴きながら

楼蘭の使者もはるばる霾ぐもり  秋童子
<素蘭(人)>
古代都市楼蘭…〈私〉をタイムスリップさせる固有名詞の引力

<白馬(人)>
広大な西域から。

<明子(人)>
黄砂は厄介者ですが、楼蘭という地名に惹かれます。

<丹仙(人)>
楼蘭の使者という言葉に、シルクロードと我が国の歴史的つながりを感じました。


・3点句

障碍の児と共に生く百千鳥  丹仙
<素人(天)>
寄り添うものの拭えぬ不安

千本の枝に集いて百千鳥  翔河川
<しゐ(天)>
数えきれない枝えだに、数えきれない鳥たちが息づく。

霾るやスマホ頼みの能登の旅  寿美子
<風子(天)>
今や、なんでもスマホで解決できる。いっそ黄砂も吹き飛ばしてほしいね。

霾るや北京東京との曇り  素蘭
<明子(天)>
黄砂に国境はありませんね。

百千鳥鎌倉山の小径にも  翔河川
<寿美子(人)>
鎌倉の切通を抜けて歩いた春を思い出します
あの頃は皆、元気でした

<実生(地)>
ありがたいなあ。

百千鳥十歳の少女恋に恋   春愁
<鈴居(天)>
ういういしい

倭人伝陸行の謎霾ぐもる  春愁
<白馬(天)>
魏志倭人伝は真実か?


・2点句

黄味白味カラザ絡まるイースター  春愁
<鈴居(地)>
グチャグチャ?

シミを取り若返る妻復活祭  実生
<秋童子(地)>
こんな復活もあったとは。

神曲を読まばや薊咲くころは  素蘭
<丹仙(地)>
薊とダンテの神曲との取り合わせが斬新でした。薊は、キリスト教では忠誠と反抗の象徴であり、ダンテの人となりにもよく符合します。それは、ヨーロッパでは、硬貨、旗幟、武具などに刻まれると同時に、国家や領邦の歴史と結びつく国花でもありますね。

霾るやベランダを掃く棕櫚箒  白馬
<素人(人)>
日課ふえると愚痴る主夫さん

<翔河川(人)>
黄砂を集めるのに良さそう

百千鳥下校の子等のけんけんぱ  明子
<素人(地)>
無邪気に過ごすわずかな時間

百千鳥高き梢に千の声   白馬
<しゐ(地)>
千の声がこの身に降り注ぐ。


・1点句

小手かざす竹千代像や百千鳥  寿美子
<風子(人)>
スッキリおさまった一句。囀りに囲まれた竹千代像を見たような気がする。

霾やJ・アラートに惑ひけり  丹仙
<実生(人)>
不吉を感じた。