第329回桃李6月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:蝸牛、梅雨入、父の日

題詠または当季雑詠

兼題T 蝸牛
兼題U 梅雨入
兼題V 父の日

6月15日(木)投句開始
6月22日(木)投句締切 翌日選句開始
6月29日(木)選句締切 
6月30日(金)披講   

投句: 素蘭、しゐ、寿美子、春愁、素人、白馬、風子、鈴居、実生、丹仙、秋童子、翔河川、明子
選句: 春愁、白馬、風子、しゐ、鈴居、実生、寿美子、秋童子、翔河川、素蘭、素人、明子、丹仙

披講

・8点句

蝮酒ちちの遺品と言はれても  寿美子
<しゐ(天)>
爬虫類が苦手な私には、あまりに衝撃的な遺品!! 

<実生(天)>
朝鮮ニンジン酒もらって30年、飲まないなぁ。

<明子(地)>
どうしたものか・・・


・7点句

蝸牛おのれを知るはおのれだけ  翔河川
<風子(人)>
そんなこと、時々思う。自分のことは自分しかわからないよ〜と。

<鈴居(天)>
切実な感あり

<素人(天)>
頼ることなく己が道行く

スロー且つミニマムライフ蝸牛行  素蘭
<春愁(地)>
同感。カタカナが少し多いか・・・

<秋童子(地)>
SDGsを掲げるいまの世の中にピタリですね。

<丹仙(天)>
「蝸牛行」が、せわしなく贅沢を追い求めてきた現代人の生き方への反省を促すところが秀逸です。

父の日よ叱られたくて小石投ぐ   春愁
<風子(天)>
何か仕事上でミスがあったり、自分を不甲斐なく思ったり、人間関係で悩んだりして、こんな時は父がいたらなんと言ってくれただろうか?今の自分を叱ってほしいと切に思う作者の気持ちが窺える。

<秋童子(人)>
ちょっと淋しくなって。

<素蘭(人)>
思春期、青年期を回想してでしょうか?

<丹仙(地)>
子供の微妙な心理を良く表していますね。


・6点句

AIの世にも悠々蝸牛  秋童子
<素蘭(天)>
背にし負はば螺旋を描く小宇宙@@@
「いちょう」と思ったアナタ 昭和は遠くなりにけるかも

<明子(天)>
どんなに世界が変わってもマイペースで生きる蝸牛が羨ましい。

かたつむり一歩進めば一歩過去  春愁
<寿美子(天)>
近隣整地が進み蝸牛を見なくなり残念,鳥や虫も少なくなりました。
やや観念的とは思いますが今月もっとも共鳴しました

<翔河川(天)>
今が一番新しい


・5点句

金槌に錆少し浮き梅雨に入る  明子
<白馬(人)>
春過ぎて手入れを怠った

<秋童子(天)>
金槌に浮いた錆。この目の付け所に感心しました。

<丹仙(人)>
入梅の句にふさわしい景が見えます。

天の底抜けて列島梅雨入かな  秋童子
<風子(地)>
梅雨に大風が絡むと途轍もない量の雨が降る。天の底が抜けたかと〜思う。

<鈴居(人)>
降ればどしゃぶり

<寿美子(人)>
これからは恒例となるかも

<明子(人)>
最近は梅雨入りから大荒れになることも珍しくなくなりました。


・4点句

エンジンの唸る山坂梅雨の入  風子
<寿美子(地)>
山里吟行、ラリーのような一日でした

<素蘭(地)>
蛇抜けによる土砂災害の起りやすい季節、巡回警備の眼も一段と…


・3点句

せっかちは理解できない蝸牛  風子
<白馬(天)>
楽しい発想ですね。

父の日に我の事かと立ち止まる  実生
<春愁(人)>
確かに、自覚なし。

<白馬(地)>
御同輩!

父の日や宅配便が娘から  素人
<春愁(天)>
連絡なしに・・・嬉しいものです。


・2点句

老松に苔鮮らかに梅雨入かな  素蘭
<翔河川(地)>
苔の緑が鮮やかに

咳をして一人目覚めし梅雨入かな  丹仙
<素人(地)>
窓打つ雨の激しさを増す

父の日や嬰児抱く聖家族  丹仙
<鈴居(地)>
こうありたいものです。

父の日やサファリールック似合う人  風子
<実生(地)>
かっこいいなぁ。

猫なくす心の中は蝸牛  実生
<しゐ(地)>
言いようのない寂しさを抱えて、殻の中に閉じこもってしまった。もはやツノもヤリもアタマも出す気力はなく、、、。


・1点句

かたつむりブロック塀を斜交ひに  明子
<しゐ(人)>
垂直な塀に、垂直に張り付き(多分)、しかも斜めに進んでいくという場面に、作者の持つゆったりとした時間も加わっていて、面と点と線と時間が同時に詠まれている作品だと思いました。

父の日や知らぬ振りして気もそぞろ  秋童子
<素人(人)>
例年通り何も起こらず

父の日を死の床にありし父のこと  しゐ
<翔河川(人)>
父の日になると

ひたすらに前へ前へと蝸牛  素人
<実生(人)>
明治大学ラクビー部前へ前へ、フワードの蝸牛。