第330回桃李7月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:雷、汗、蝉

題詠または当季雑詠

兼題T 雷
兼題U 汗
兼題V 蝉

7月15日(土)投句開始
7月23日(日)投句締切 翌日選句開始
7月30日(日)選句締切 
7月31日(月)披講 

投句: 風子、素蘭、寿美子、春愁、素人、しゐ、鈴居、明子、翔河川、実生、秋童子、白馬、丹仙
選句: 鈴居、風子、素人、しゐ、実生、秋童子、白馬、翔河川、素蘭、明子、春愁、寿美子、丹仙

披講

・13点句

はたた神恋を取り持つ寺庇  春愁
<風子(人)>
はたた神が取り持つ恋みのる。

<素人(人)>
思い出すかな若き日のこと

<実生(地)>
戻りたい。青春。

<白馬(人)>
いいねぇ。そんな状況に遭遇したい!

<翔河川(天)>
雨宿りの出会い

<素蘭(人)>
さだまさし「雨やどり」はメルヘンチックな顛末ですが、落雷による寺の火災はままあったことで、この恋、炎上が、、、

<寿美子(人)>
面白い句 神と寺にいささかの違和感がありますが

<丹仙(天)>
俳諧連歌が佳境に入ったときに出現する恋句のごとく、物語を内に秘めた句。


・7点句

蝉しぐれ生命の調べフオルテシモ  秋童子
<鈴居(地)>
束の間命です。

<素人(天)>
これぞまさしく生きてる証

<春愁(人)>
自分も生きている気がします

<丹仙(人)>
フォルテシモが良く効いています。

引き剝がすごとく脱ぎたる汗のシャツ  明子
<風子(地)>
まさに汗のシャツを脱ぐ時は大変。

<素人(地)>
時に破れてしまうことあり

<寿美子(天)>
連日の酷暑 一仕事するたびにシャツを着かえています
引き剝がす に実感があります


・6点句

ビッグイシュー売る青年の汗、汗、汗  しゐ
<鈴居(天)>
ご苦労様

<秋童子(人)>
人通りの多い炎天下で。

<丹仙(地)>
ホームレスの自立を促す雑誌を売る青年の社会活動の夏の現場を詠んだ佳句。

まろび寝や夢をいざなふ蝉しぐれ  春愁
<秋童子(天)>
気持ちの良さそうなひととき。

<素蘭(天)>
小野小町の和歌「うたたねに恋しき人を見てしより夢てふものはたのみそめてき」の面影がちらつく。この句を発句に連句巻いたら面白そう。


・5点句

蝉鳴くや穢土に半期の決算書  素蘭
<風子(天)>
今時期、決算書をまとめるのはご苦労なこととお察し致します。

<春愁(地)>
現実は厳し

東京の汗ひいてゆく発車かな  寿美子
<翔河川(地)>
やれやれ

<明子(天)>
様子が目に浮かぶと共にドラマの一場面のような味わいがあります。東京の汗が意味するものをあれこれ考えさせられます。

雷鳴や争ひ絶えぬ人の世に  寿美子
<秋童子(地)>
人の世を叱るが如く。

<春愁(天)>
世界平和は、名ばかりで


・4点句

会えばまた昔のもどる蝉しぐれ  寿美子
<しゐ(地)>
蝉しぐれの中で再生されていく懐かしい場面の数々。

<翔河川(人)>
同級生?

<明子(人)>
蝉しぐれが大きく包んでくれるようです。


・3点句

麗しき餡パンの臍神鳴来  素蘭
<しゐ(天)>
子供の頃、雷様は子供から取った臍を臍汁にして食べるのが大好きなのだと教えられた。以来、雷と臍の連想は恐ろしいものに固定されてしまったのだが、「餡パンの」となるとたちまち、魅力的な連想に変えられていく。

唖蝉のごとく哭く母終戦の日  丹仙
<白馬(天)>
御母堂の押し殺した咽び泣き。
御父上か御令兄か。声無き声。

健気にも生命燃やして蝉の鳴く  素人
<実生(天)>
蝉いつも健気な生き物と思う。私も健気にこれからも。


・2点句

嘴につつかれている蝉の穴  風子
<明子(地)>
不思議な景色ですね。でもなぜかつくづく夏だなあと思ってしまいました。

飛び跳ねる児らのまん丸玉の汗  秋童子
<素蘭(地)>
元気溌溂。さりながら熱中症にはご用心。。

鳴く蝉を掴めば命脈打てり  明子
<寿美子(地)>
蝉の短い命をこそ思われます

捏造し改竄し反故汗かかず  素蘭
<白馬(地)>
赤木さんの件ですね。
風化させてはなりませんね。


・1点句

勢ひも色も雷雲かと思ふ  明子
<しゐ(人)>
雷雲の持つ独特の空気と匂いを全身で感じ、半分は恐れ、もう半分はどこか心待ちにしているようでもある。

雷鳴に子らは慌てて臍隠す  素人
<鈴居(人)>
小雷もへそは取られたくなかったかな。