投句: | 風子、素蘭、寿美子、春愁、素人、しゐ、鈴居、明子、翔河川、実生、秋童子、白馬、丹仙 |
選句: | 鈴居、風子、素人、しゐ、実生、秋童子、白馬、翔河川、素蘭、明子、春愁、寿美子、丹仙 |
はたた神恋を取り持つ寺庇 春愁
蝉しぐれ生命の調べフオルテシモ 秋童子
引き剝がすごとく脱ぎたる汗のシャツ 明子
ビッグイシュー売る青年の汗、汗、汗 しゐ
まろび寝や夢をいざなふ蝉しぐれ 春愁
蝉鳴くや穢土に半期の決算書 素蘭
東京の汗ひいてゆく発車かな 寿美子
雷鳴や争ひ絶えぬ人の世に 寿美子
会えばまた昔のもどる蝉しぐれ 寿美子
麗しき餡パンの臍神鳴来 素蘭
唖蝉のごとく哭く母終戦の日 丹仙
健気にも生命燃やして蝉の鳴く 素人
嘴につつかれている蝉の穴 風子
飛び跳ねる児らのまん丸玉の汗 秋童子
鳴く蝉を掴めば命脈打てり 明子
捏造し改竄し反故汗かかず 素蘭
勢ひも色も雷雲かと思ふ 明子
雷鳴に子らは慌てて臍隠す 素人