第331回桃李8月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:秋出水、天の川、原爆忌

題詠または当季雑詠

兼題T 秋出水
兼題U 天の川
兼題V 原爆忌

8月15日(火)投句開始
8月22日(火)投句締切 翌日選句開始
8月29日(火)選句締切 
8月30日(水)披講 

投句: 寿美子、素蘭、白馬、春愁、秋童子、素人、しゐ、翔河川、実生、明子、風子、丹仙
選句: 風子、白馬、春愁、実生、秋童子、しゐ、寿美子、素蘭、素人、翔河川、丹仙

披講

・13点句

漁火の次第に減りて天の川  明子
<風子(天)>
美しい光景。海に灯りがきえて天の川は一層クッキリと見えてくる。

<しゐ(人)>
天空の灯りの静けさ。

<寿美子(地)>
天の川が見たくて信濃へ行きましたがみられませんでした
今度は島へいってみようか

<素蘭(天)>
イカ漁の季節ならではの夜景、取りあえずvirtual trip ☆彡

<素人(人)>
不漁の続く地球の異変

<翔河川(人)>
次第に海が暗くなり

<丹仙(地)>
漁火が少なくなるに連れて、海から上方に目を向けると、遥か天空に銀漢が見えるという大きな景をよく捉えています。


・12点句

語り部の一人また逝き原爆忌  秋童子
<白馬(人)>
風化されてしまわぬことを願います。

<春愁(地)>
80歳になった人でも、戦争体験のない世代・・・

<寿美子(天)>
解っています!
しかし悲しい事です

<素人(天)>
時は流れて七十八年

<丹仙(天)>
長い間沈黙を守ってきた被災者が、将来の世代の為に語り部となってくれました。そのような語り部に捧げた句として印象に残りました。


・8点句

切岸の葉に白き泥秋出水  明子
<春愁(天)>
ああ、こんな高いところまで

<寿美子(人)>
秋の草に残る泥の白さ、哀れです

<素蘭(地)>
切岸に生い茂る草木に出水の痕跡、思わず立ちすくんだことでしょう。

<翔河川(地)>
水が引いて水が引いて


・4点句

天の川五島の海に聖母立つ  丹仙
<白馬(地)>
聖母の像も天の川に向かって大きくなる。

<素人(地)>
迫害されし時の記憶よ

老いの身に辛き仕打ちよ秋出水  素人
<白馬(天)>
本当に大変なことお察しします。

<丹仙(人)>
今年はかつてない洪水に見舞われましたが、逃げ遅れて被災する老人の身が思いやられます。


・3点句

老いの村に秋の出水の容赦なく  しゐ
<風子(人)>
田舎は老いたものばかり。出水はお構いなしに降る。

<秋童子(地)>
積み上げてきた人生すべてを否定するかのように。

子河童の縋りつく蔓秋出水  春愁
<実生(天)>
秋出水をニュースで見るたび生き物はどこに逃げているのかな。と思う。

こんなにも早い稲刈出水来る  丹仙
<しゐ(天)>
刈り取る人の思いが痛いほど。

次世代のクルーズプラン天の川  素蘭
<翔河川(天)>
そんな日が

その刻の沈黙の深く原爆忌  しゐ
<秋童子(天)>
被爆した方々であれば、なおのこと。


・2点句

祈るより今こそ不戦原爆忌  寿美子
<風子(地)>
祈ることの虚しさ。不戦をどう実現できるだろうか?

国跨ぐ二都ものがたり銀河濃し  春愁
<しゐ(地)>
銀河の濃さが「ものがたり」のかなしみを語っているように思える。

十字架の道ゆくマリア原爆忌  丹仙
<実生(地)>
戦争なき道を。


・1点句

天の川見たこと無いと都会の子  素人
<秋童子(人)>
言われてみれば、確かに。

大昔の恋思い出す天の川  白馬
<実生(人)>
どこに行ったの。

語り部も世代交代原爆忌  素人
<素蘭(人)>
ノーモア ヒロシマ・ナガサキと…

夕日の町秋の出水の痕しかと  寿美子
<春愁(人)>
地球は大丈夫?