第332回桃李9月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:花野、秋水、夜学

題詠または当季雑詠

兼題T 花野
兼題U 秋水
兼題V 夜学

9月15日(金)投句開始
9月22日(金)投句締切 翌日選句開始
9月29日(金)選句締切 
9月30日(土)披講  

投句: 白馬、寿美子、素蘭、しゐ、春愁、風子、丹仙、秋童子、翔河川、明子、素人、実生
選句: 風子、実生、春愁、寿美子、しゐ、素人、秋童子、明子、素蘭、翔河川、丹仙

披講

・10点句

生くるとは残さるること花野径  寿美子
<風子(天)>
様々な場面はあるが、特に夫婦の別れはそんな気持ちがする。先に行った方が勝ちとまで思うのかもしれない。

<素人(天)>
ひとりふたりと友去りゆけば

<翔河川(地)>
周りが減ってきて

<丹仙(地)>
牧野富太郎博士をモデルにしたテレビドラマ「らんまん」の脚本に毎回感心しつつ見ておりましたが、そのドラマが丁度終わったところでしたので、雑草など一つもない草花の美を愛した博士を偲びつつ選句しました。


・8点句

御手洗の柄杓が戻る水の秋  風子
<寿美子(天)>
コロナ禍が緩んでか産土の御手洗に青竹の柄杓が戻りました。
水の秋の喜びが素晴らしいです

<素蘭(地)>
羹に懲りて膾を吹くような過剰反応にも免疫力が…

<丹仙(天)>
柄杓の戻る音がいかにも水の秋の季節感を醸し出しますね。


・6点句

貨車の数かぞえて日暮れ大花野  風子
<しゐ(地)>
情景がリアルに目に浮かびます。昭和の少年に、夕暮れは穏やかで優しい。

<素人(人)>
孫得意気に大きな声で

<素蘭(天)>
小学生の頃によくやりました。連結車両は50台を超えることもありました。。。


・5点句

イーゼルを立てて花野に未完の絵  素人
<秋童子(地)>
下五の「未完の絵」が、この句を一幅の絵に仕上げているように思います。

<明子(地)>
花野そのものが巨大な未完の絵のようです。

<丹仙(人)>
「未完の絵」と言う表現に惹かれました。無尽蔵の美を秘めた花野にたいする謙虚な姿勢を感じます。

スキップや今更ながら夜学生  素蘭
<風子(地)>
学校へ行きたくても行けなかった人が晩年に学校へ通い始めた。意気揚々とした気持ちが快い。

<実生(地)>
泣きながらのスキップできないけども笑いながらのスキップはできるよね。微笑みながらかな。

<秋童子(人)>
何を学ぶのか、楽しそうですね。

玉子かけご飯かき込む夜学の子  明子
<しゐ(天)>
愛おしい。

<素人(地)>
遅れまいとて二杯で止めて


・4点句

小流れに音の戻りて水の秋  しゐ
<風子(人)>
干上がっていたか、痩せ細っていた小流れに豊かな水が戻って来た。せせらぎの音を楽しんでいる。

<明子(天)>
何気ない表現ですが、季節の変化を実感させてくれる句と思います。

晩学の書に目を凝らす夜学の灯  寿美子
<秋童子(天)>
こうありたいものですが・・・。

<素蘭(人)>
文献の文字は細かいし、古文書は読みづらいし、、、


・3点句

明け渡す部活教室夜学子へ  春愁
<翔河川(天)>
勉強してください

秋水や一朶の雲の映り込む  素人
<春愁(地)>
空晴れ渡り水澄んで

<翔河川(人)>
水面に秋の雲

秋水を諸手で掬い空に投ぐ  白馬
<実生(天)>
やっと降って。エイ。大粒の雨だから諸手で。エイ。

真直なる国境の悲話水の秋  素蘭
<春愁(天)>
切ない


・2点句

コンビニに夜学の子らの集ふ刻  しゐ
<寿美子(地)>
世相の断面をとらえられましたね


・1点句

追い播きを追い播きをして秋の水  実生
<しゐ(人)>
今年は何度種を播き直しても、なかなか芽出しが叶わない。焦りが実感として伝わり、秋の水が待たれるばかり。

鼻眼鏡ちびた鉛筆夜学かな  秋童子
<春愁(人)>
大切な時間

飛行船着地花野の真ん中に  明子
<寿美子(人)>
スケール壮大❣

貧しき師友なるイエスを説く夜学  丹仙
<明子(人)>
讃美歌のフレーズ、いつくしみ深き友なるイエスは…が浮かび
豊かな気持ちになりました。

夕花野トトロ親子の小走りに   春愁
<実生(人)>
真っ黒くろすけも一緒かな。小走りではないと思うけど。