第338回桃李3月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:踏青、帰雁、受難節

兼題T 踏青
兼題U 帰雁
兼題V 受難節

3月18日(月)投句開始
3月25日(月)投句締切 翌日選句開始
4月01日(月)選句締切 
4月02日(火)披講   

投句: 寿美子、素蘭、春愁、白馬、実生、しゐ、風子、翔河川、丹仙、明子、ヨアヒム、秋童子
選句: 春愁、しゐ、実生、素蘭、秋童子、白馬、明子、翔河川、風子、ヨアヒム、丹仙

披講

・10点句

帰心はや天空の棹雁ゆけり  素蘭
<春愁(地)>
帰心矢のごとく。竿になり、鉤になり。

<しゐ(地)>
もう戻れない。

<実生(天)>
天空の棹、気品あり。

<丹仙(天)>
この格調の高さは良いですね。所謂『丈の高い』句です。


・5点句

数式で解けぬことあり雁帰る  翔河川
<素蘭(地)>
logical thinkingよりrational-emotive thinkingのほうがまだしも、、

<秋童子(天)>
世の中、数式で解けないことがいっぱい。雁が帰る日も、あの桜の開花日も・・・。

踏青や親子揃ひのスニーカー  寿美子
<春愁(天)>
家族仲良しのピクニック。

<風子(地)>
草の色に赤いスニーカーかしら。ビジュアルに想像できて楽しい一句。

もう誰も住まぬ故郷雁帰る  明子
<秋童子(地)>
雁を見送るフクシマの地を思い浮かべました。

<白馬(天)>



・4点句

石ひとつ懐にある受難節  明子
<しゐ(天)>
私の懐にも。

<白馬(人)>


踏青や淡き雲持つ富士を背に  明子
<素蘭(天)>
「虚空に花降り音楽聞え」の心地かな。。。

<丹仙(人)>
景の雄大さを頂戴しました。


・3点句

赤ゲラが巣作り励む受難節  実生
<風子(天)>
なにも知らない考えない鳥たちは幸せです。人間は考えすぎて不幸になっている。

雁帰る羽音鳴き声幼き日  秋童子
<翔河川(天)>
変わらずに

殉国の墓碑の古りたり雁帰る  寿美子
<明子(地)>
心だけは自由に故郷へ。

<風子(人)>
国のために戦った戦士たちの墓も古くなった。遠い昔の話となった。

病窓の帰雁の空の曇りがち  風子
<明子(天)>
病室の窓から見送る雁に思いを重ねて。無事に帰れるように、
そして自分も早く大空を飛べるように・・・


・2点句

青き踏む子らのスキップ「靴が鳴る」  春愁
<ヨアヒム(地)>
都会の子供に、もっと青鞜の機会を。

古草や枯れて新たな生命生む  ヨアヒム
<実生(地)>
だから春は待ち遠しい。

受難節夜の聖堂人の絶え  ヨアヒム
<丹仙(地)>
聖木曜日、受難節の初めの深夜の聖堂の様子をよく描写してます。

踏青や軋むタイヤの車椅子  風子
<白馬(地)>


響きあふフルートのデュオ受難節  春愁
<翔河川(地)>
デュオと分かち合い

わが庭も春ととのひて彼岸明く  しゐ
<秋童子(人)>
お彼岸が明け、ようやく花々も咲きそろってきたのでしょう。

<翔河川(人)>
春を見つけて


・1点句

雁帰るエデンの東へ機首あげて  春愁
<しゐ(人)>
帰雁とエデンの東との取り合わせに驚きました。

咲きそうで咲かぬ桜や受難節  風子
<実生(人)>
今年は異常だ。でも蕾の時に大嵐、満開たのしみ。

師の病重しと聞く日雁かへる  しゐ
<明子(人)>
帰る雁に心を託して。

受難節主は雑巾となり給ふ  丹仙
<ヨアヒム(人)>
「主は雑巾」の一言が気になる。

踏青や山また山を分け入って  白馬
<春愁(人)>
元気で何より

ニコライの鐘が鳴る也帰る雁  丹仙
<素蘭(人)>
御茶ノ水は乗換駅でしたから懐かしい。聖橋に佇むことも界隈をほっつき歩くことも…