投句: | 寿美子、素蘭、春愁、白馬、実生、しゐ、風子、翔河川、丹仙、明子、ヨアヒム、秋童子 |
選句: | 春愁、しゐ、実生、素蘭、秋童子、白馬、明子、翔河川、風子、ヨアヒム、丹仙 |
帰心はや天空の棹雁ゆけり 素蘭
数式で解けぬことあり雁帰る 翔河川
踏青や親子揃ひのスニーカー 寿美子
もう誰も住まぬ故郷雁帰る 明子
石ひとつ懐にある受難節 明子
踏青や淡き雲持つ富士を背に 明子
赤ゲラが巣作り励む受難節 実生
雁帰る羽音鳴き声幼き日 秋童子
殉国の墓碑の古りたり雁帰る 寿美子
病窓の帰雁の空の曇りがち 風子
青き踏む子らのスキップ「靴が鳴る」 春愁
古草や枯れて新たな生命生む ヨアヒム
受難節夜の聖堂人の絶え ヨアヒム
踏青や軋むタイヤの車椅子 風子
響きあふフルートのデュオ受難節 春愁
わが庭も春ととのひて彼岸明く しゐ
雁帰るエデンの東へ機首あげて 春愁
咲きそうで咲かぬ桜や受難節 風子
師の病重しと聞く日雁かへる しゐ
受難節主は雑巾となり給ふ 丹仙
踏青や山また山を分け入って 白馬
ニコライの鐘が鳴る也帰る雁 丹仙